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ITジャーナリストや現役書店員、編集者が選ぶ デジタル人材のためのブックレビュー 
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今月の書籍

レビュワー:池澤 あやか

  • 『達人に学ぶDB設計 徹底指南書』
  • 『Webを支える技術』

初級者のみならず実務者にも。DBの実践ノウハウを体系的に身につける好著

 データベースエンジニアだけではなく、アプリケーションエンジニアにおすすめの書籍です。実務でSQLのクエリを書いたり、スキーマの設計や実装もしているけれど、データベースについて体系的に学んだことがない方はぜひ。

 データベースのモデルの種類やDBMSの種類、開発工程などの基礎的な内容から、良いデータベース設計や悪いデータベース設計の詳しい解説が実例付きで載っています。

 アプリケーションエンジニアとして実務をこなしていると、感覚的には「きれいな構造のデータベース」や「イマイチな構造のデータベース」がつかめてきますが、本書では「なぜそれが良いのか」「なぜそれがダメなのか」が理論的に解説されているため、ある程度実務経験がある読者にとっては、納得感を持って読みすすめやすいのではないかと思います。

 また、データベースは定期的にメンテナンスをして、きれいな構造を保ち続けるのが理想ですが、歴史が積み重なり、誰も手を入れたくない状態になってしまうこともあります。そうしたときに、何を考えて正規化やデータクレンジングを行うべきか、道標となるノウハウも詰まっています。

 実務で身につけた知識は抜け漏れも多く、その知識を補填する体系的な学びがあるという意味で、読んでよかったと思えた書籍でした。

『達人に学ぶDB設計 徹底指南書 
~ 初級者で終わりたくないあなたへ』

著者:ミック

出版社:翔泳社

https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798124704

Webの歴史を知る読み物としても実務のリファレンスとしても

 ざっくりとWebとはなにかを知るときに役立つ一冊です。アプリケーションエンジニアとしてWebに携わる上で、基本となることがまとまっています。そろそろ駆け出しエンジニアを卒業したい方が読むと、レベル的にもちょうどよいかと思います。

 少し古い本なので、今ではあまり使われなくなってしまった技術の解説も含んでいますが、Webに長く携わっていないとわからないWebの歴史から、URIの設計、RESTアーキテクチャやHTTPプロトコルについての解説、Webサービス(主にリソース)の設計まで、丁寧に解説されており、網羅性は高いと感じました。

 特に、Webを閲覧するユーザーが、よりデータにアクセスしやすいようにするには、どのように設計すれば良いかが実例を踏まえて書かれており、効率的に設計思想を学ぶことができる点はありがたいです。

 わたしも、実務でAPI設計をしているときに、HTTPメソッド(GET / POST / PUT / DELETE / HEADなど)の適切な使い分けに悩むことがあったのですが、その際にも本書はとても参考になりました。

 付録には、ステータスコードやHTTPヘッダの一覧もまとまっており、困ったときに辞典的に使えます。こちらも実務でお世話になりました!

『Webを支える技術―― HTTP,URI,HTML,そしてREST』

著者:山本陽平

出版社:技術評論社

https://gihyo.jp/book/2010/978-4-7741-4204-3

今月のレビュワー

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池澤あやか (いけざわ・あやか)

タレント、ソフトウェアエンジニア。1991年7月28日 大分県に生まれ、東京都で育つ。慶應義塾大学SFC環境情報学部卒業。2006年、第6回東宝シンデレラで審査員特別賞を受賞し、芸能活動を開始。現在は、情報番組やバラエティ番組への出演やさまざまなメディア媒体への寄稿を行うほか、フリーランスのソフトウェアエンジニアとしてアプリケーションの開発に携わっている。著書に『小学生から楽しむ Rubyプログラミング』(日経BP社)、『アイデアを実現させる最高のツール プログラミングをはじめよう』(大和書房)がある。

2022/01/31

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