2016年11月23日、東京豊洲で「ジャパンウォークin TOKYO / 2016秋」が開催されました。これは誰もが分け隔てなく、ともに暮らす社会づくりの一環として、障がいのある人もない人も、ともに街を歩くウォーキングイベントです。車イスの方、目や耳の不自由な方も参加され、合計2,082名が豊洲の街を歩きました。
NTTコムウェアは当社が開発したユニバーサルデザインマップをジャパンウォーク用の地図「ジャパンウォーク・ガイド」として提供し、このイベントに協力しています。ジャパンウォーク・ガイドとは、スマートフォンやタブレットを持って歩くと、コースの近くにあるユニバーサル施設(スロープ、トイレなど)、道筋にある注意すべきポイント(信号機や段差、階段、など)、コース周辺の景観や見どころなどを教えてくれるWebサービスです。
ユニバーサルデザインマップで安全、安心に街の中を歩く
ジャパンウォーク・ガイドを使って歩くと、障がいに合わせて通れない道、危険な道、段差や信号などが示されます。車イスやベビーカーの方にはスロープのある道を示すので、迂回コースも分かります。また、音声ガイドを有効にすれば、スマートフォンの画面を確認しなくてもさまざまな情報を音声で通知してくれますので、歩きスマホを避けて、より安全にウォーキングができます。
バリアフリー視点で街を見てみると、意外に通れない道、危険な道がある
車イスの方、目の不自由な方、ベビーカーを押すお子さま連れの方と一緒に歩くと、通れない道、通りにくい道、危険な道がたくさんあることに気付かされました。
【ケース1】階段しかない道
階段しかない道は、車イス、ベビーカーでは迂回するしかない
ジャパンウォーク・ガイドなら、
周囲に階段があることがわかり、迂回ルートを探せる。
ユニバーサルデザインマップがあれば、近くに階段があると通知してくれるので、階段を避けたルートを選ぶことができる。段差や階段がある注意ポイントも地図上のアイコンで表示。
車イスの方には、階段の横にあるスロープがある道を通知する。手すりの有無、スロープの傾斜角度も表示。
【ケース2】海沿いの道に設置された係留柱(船のワイヤーを留める杭)
車イスの方、目の不自由な人には危険
ジャパンウォーク・ガイドなら、歩行の妨げになるものを教えてくれる。
音声ガイドを有効にすると、道筋にある「注意ポイント」「ユニバーサル施設」などを音声で通知
<参加者 コメント>
バリアフリーへの意識が高まりました
肌寒い一日でしたが、海沿いの道は景色もよく、気持ちよく歩くことができました。ジャパンウォーク・ガイドの音声ガイドを使って歩いてみると、「段差がある」「信号がある」などたくさんの情報を教えてくれます。最初は、情報が多すぎると思ったのですが、使っているうちに「障がいを持つ方には、こういうものが危険」ということが分かってきました。それらに気づきながら歩くのと無意識に歩くのでは、街を見る目が違ってきます。誰にとっても暮らしやすい街について、考えさせられる一日となりました。
<ユニバーサルデザインマップ開発者 コメント>
誰にとっても使いやすい地図への思いを新たに
ユニバーサルデザインマップを、ジャパンウォーク・ガイドとして活用していただき、たいへん嬉しく感じています。私もタブレットを持って参加者の皆さんと一緒に歩いたのですが、なかには「それは何?」と興味を持って話しかけてくださる方もいらっしゃいました。
また車イスの方、目や耳の不自由な方はもちろん一般の方など、たくさんの方々に実際にご利用いただいて、評価されている点や新たな改善ポイントに気づくことができました。これからも、誰にとっても使いやすい地図を目指して取り組んでいきたいという思いを改めて強くしました。