COMWARE PLUS プラス・サムシングを大切なお客さまへ

メールマガジンのご登録
NTTコムウェア「SmartCloud データセンター」インタビュー 第2回
NTTコムウェア「SmartCloud データセンター」インタビュー 第2回
ポスト
        
        

この記事のPDFをダウンロードする

データセンターを運用していくなかで、私たちはさまざまな課題に直面しています。例えば、サーバールーム内の温湿度管理、電力コストの削減、セキュリティ強化……、仮想化や高密度機器などIT環境の変化、法令準拠まで幅広い課題に対して日々向き合い、時にはこれまでの固定観念に捉われない大胆な発想によって得られた知見なども取り入れ問題を解決しています。「SmartCloud データセンター」インタビュー第2回は、日々改善に取り組んでいるNTTコムウェアのデータセンター運用と新たな付加価値を生み出すリノベーションについて解説します。

データセンター運用現場は、さまざまな課題に直面する毎日

データセンターを運用しているわけですが、毎日の業務の中ではどのような課題があるのでしょうか?

永倉 考洋

永倉 考洋
NTTコムウェア株式会社
サービス事業本部
サービスプロバイダ部 MSP-BU
カスタマサービス

永倉:私たちの業務は、お客さまのシステムやデータをお預かりし、運用することです。お客さまがデータセンターへ期待していることは、システムに電力を供給し、サーバールーム内の温湿度を適切な状態に保ち、安定的にシステムが稼動できる環境を提供しつづけることです。一見シンプルですが、データセンターを日々運用しているとさまざまな課題に直面します。

社会環境、市場のニーズ、ITの技術は、時代とともに変わります。それに伴いデータセンターへのお客さまの要求も常に変わってきます。データセンターもこれらの変化に対応していくため、日々の運用を改善していくことが必要になります。 別の言い方をすると、データセンターの運用はお客さまのシステムをお預かりしたときから本当の業務が始まると言えます。

久保田:さらには、お客さまごとにデータセンターに対するニーズは異なります。理想論をいえば、お客さまのニーズ毎にそれに合致したデータセンターを新たに建築すればいいわけですが、現実的ではありません。そこで、お客さまのニーズを最大限に実現するにはどうすればいいかを、私たち自身がいろいろと知恵を絞りながら、一つ一つの課題に対し、地道に取り組んできました。

システムのパフォーマンスに直結するラック内の熱溜まり

具体的にはどのような問題が発生しているのですか?

永倉:運用上の問題の1つとして挙げられるものにラック内の「熱溜まり」があります。サーバールームには、数多くのラックがあり、そこにサーバーなどのIT機器が収納されています。一つのサーバールームでは、何千台、何万台というサーバーが稼動しており、ラック内での熱溜まりがよく問題となります。サーバーなどのハイスペックなIT機器は発熱量が大きいため、適切に温度管理された空気を必要量供給しなくてはなりません。

久保田 友也

久保田 友也
NTTコムウェア株式会社
サービス事業本部
サービスプロバイダ部 MSP-BU
カスタマサービス

久保田:通常、サーバールーム全体の温湿度は、専用の空調設備によって適切に維持管理されます。ところが熱溜まりが発生すると、それを解消するために空調の設定温度を下げ、風量を上げるため、サーバールーム全体として過冷却になりがちです。過冷却により、必然的に空調電力を多く消費し、電力コストが上昇し、過冷却とコスト上昇の悪循環に陥ります。地球環境にも悪影響があり、けっして望ましいことではありません。

永倉:熱溜まりの原因の一つに、ラック内におけるIT機器の搭載方法に問題があるケースがあります。例えば、ラックに複数の機器を搭載するときに、IT機器の吸気側、排気側は、それぞれ同じ向きになるように搭載する必要があります。IT機器は内部のファンにより冷気を吸気し暖気を排気します。吸気側と排気側が統一されていないと、本来は冷気を吸気すべきところを、他のIT機器が排気した暖気を吸気することになり、IT機器自体の温度が上昇します。このような問題を解決し空調効率を上げるために、吸排気の向きを統一する必要があります。

このようなラック内での施工ルールをまとめたものが、私たちが独自に用意している「ラック内施工ガイドライン」です。ここには、過去に取り組んできた課題解決の経験が凝縮されています。NTTコムウェアの「SmartCloud データセンター」を利用する際には、このガイドラインに基づき、ラックの搭載方法についてお客さまと相談して決めています。ガイドラインに則っていれば、ラック内での空気の流れが適正化されるので、正常なパフォーマンスの維持はもちろん、保守性や安全性の向上といったメリットもあります。

久保田:一方でガイドラインに沿ったIT機器の搭載を行っても熱溜りが発生してしまった事例もあります。例えば、お客さまご自身が搭載したIT機器が特殊なサイズ、形状をしていた場合です。通常はラックの中に空気の流れる道を作って、冷たい空気を必要な風量だけIT機器に送っているのですが、特殊な形状のIT機器があるとその流れを乱すことがあります。その結果、熱溜まりという現象が起こります。 そういう特殊な状況で発生する熱溜まりの発見にも、実はガイドラインが役立っています。熱溜まりがあったとしても、システムが問題なく稼動していれば、見過ごされてしまう可能性もあります。しかし、私たちはガイドラインに則って設置していますので、「類似する構成のラックの温度と違う」「想定していた温度と違う」というように、些細な違いから「何かがおかしい」と気がつき、スピーディーに問題解決に取り掛かることができます。

永倉:そのような特殊な原因に起因する問題は、ケースバイケースで解決するしかありません。私たちは、空気の流れを正常に戻すための整流板などを自ら設計し取り付けるなど、地道な努力により解決しています。

次ページ サーバールーム全体の空調の見直しで、年間数千万円の電力コスト削減も

ポスト

事例紹介

スマートフォン用リンク

エバンジェリストが語るICTの未来

スマートフォン用リンク

ページトップへ

トップへ