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NTTコムウェア「SmartCloudデータセンター」インタビュー 第3回
NTTコムウェア「SmartCloudデータセンター」インタビュー 第3回
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データセンターで運用される情報システムやネットワークは、ビジネスに不可欠な重要なインフラとしての役割を担っており、データセンターでは、お客さまのニーズに合わせた信頼性の高い「オペレーションサービス」も必要とされています。自然災害などの不測の事態に対して、いかに早くリスク発生前の状態へ復旧しお客さまのビジネスを再開させるか。お客さまごとに異なるシステムの保守や監視をどのように標準化・最適化するか。さらには人工知能(以下、AI)など次世代テクノロジーを活用し、いかに付加価値の高いサービスをお客さまに提供していくのか。「SmartCloud データセンター」インタビュー第3回は、NTTコムウェアの「SmartCloud データセンター」におけるオペレーションサービスについて解説します。

NTTコムウェアのオペレーションサービス

― データセンターにおけるオペレーションとは、どのようなものでしょうか。

小林:データセンターやクラウドサービスを支えるコアプロセスの一つがオペレーション(ITサービスマネジメント)です。NTTコムウェアの「SmartCloud データセンター」におけるオペレーションは、常に全体最適、効率化に努めています。データセンターのオペレーションは大きく「保守」、「運転」、「監視」、「ヘルプデスク」で構成されており、キャリアグレードの品質を基盤に、高付加価値なオペレーションをトータルに提供できるのがデータセンターにおけるオペレーションの強みです。

オペレーションの全体最適、効率化に取り組む基本方針は、「三つのP」の実践です。一つめのPは「People(ピープル)」のことで人財育成です。二つめが「Process(プロセス)」。つまり運用プロセスの標準化です。三つめが「Product(プロダクト)」で、統合ヘルプデスクや統合監視システムなどのICT活用を指しています。

<NTTコムウェアのITサービスマネジメント>

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まず人財育成の「People」ですが、NTTコムウェアは、巨大なNTT通信インフラとコンピュータシステムの監視、運用、保守、ヘルプデスクを支えてきた豊富な経験と実績をもとに、常に時代の変化に即応しながら、保険や金融システム、WebによるECシステム、データ通信や電子政府など、幅広い分野で、瞬時も止められない“ミッションクリティカル”な情報システムをトータルにサポートしてきました。
オペレーション体制の多くはシステム単位にタテ割りでリソース配分されていますが、NTTコムウェアでは、「FSC24® Officer ※1」が「FSC24® ※2」における横断的な業務を実施し、常にお客さまの視点で高度なプロフェッショナルサポートを実施しています。

  • ※1お客さまへの安定的なサービス提供のために、当社独自の認定制度。
  • ※2IT運用管理アウトソーシングサービス。FSCとは「Field Service Cockpit」の略称。

FSC24® Officerはお客さまのシステム全体を俯瞰し、見渡せるだけの知識や経験も求められます。システムは単独ではなく複数が連携して動くものです。全国規模のシステムともなれば、1ヵ所に不具合が起こったとしても、その修復を真っ先に行えばよいとは限りません。システム全体を俯瞰し、不具合が影響する範囲を正確に把握し、被害を最小限に食い止める流れを考えた上で、修復の手順を決断し、指示を出さなくてはなりません。FSC24® Officerには、それだけの高い能力が求められます。

実際の現場では、「自分が担当するシステムの不具合を最初に修復してほしい」といった要望が出ます。その際にも関連部署の担当者とコミュニケーションを取り、調整を図りながら修復の順番を決め、作業を進めなくてはなりません。技術力だけでなく、コミュニケーション能力、交渉力、調整力といったヒューマンスキルも求められるのです。

重要なインフラのオペレーションを担い、培った技術力やノウハウを「資格制度」として体系化し、継承、発展させていく取り組みから生まれたのが「FSC24® Officer制度」です。
「FSC24® Officer制度」では、高い技術力の証として、有資格者のジャケットを色分けしています。

また、全社的には独自の社内資格制度「ComCP」を導入しており、ビジネスフローに沿って、テクニカルスペシャリストやサービスマネージャを含めた7つの人財像を定義しています。2015年には、「認定情報技術者(CITP)」の企業認定を取得し、「ComCP」のレベル4以上の資格を持つ社員は、CITPの資格保有に相当する能力を有する技術者として認められるようになりました。このような取り組みにより、NTTコムウェアでは市場価値の高い人財を積極的に育成しています。

― 付加価値の高いオペレーションの実現には、やはり人財育成が重要ということですね。二つめ「Process(プロセス)」についてお聞かせください。

小林 智宣
NTTコムウェア株式会社
サービス事業本部
サービスプロバイダ部 MSP-BU
サービスSE

小林:かつてはNTTコムウェアではさまざまなお客さまのシステムを運用してきた過程で、個々のシステムの運用マニュアルなどに統一性がないという課題が浮き彫りになりました。例えば、あるシステムのオペレーションを受け持っていた担当者が別のシステムへと変わった場合、以前に使っていた運用マニュアルと異なる作業手順が示されていては、効率が落ち、ノウハウの蓄積や共有ができなくなります。これでは蓄積してきた経験や知識、スキルを生かしきれません。

そこでプロセスの標準化を目的に、ITIL®のプロセスやサービス・ライフサイクルの考え方をもとに運用標準実施要項(SOP:Standard Operating Procedure)を作成しました。

SOPをもとにした運用マニュアルや作業手順書では「第何章の何項には不具合発生時の手順を記載する」、「第何章の何項には緊急時の連絡先を記載する」といった規定があります。SOPに従って各部署で運用マニュアルを作成すれば、「緊急時の連絡先を知りたい」となったとき、どのマニュアルを見ても同じ項目から確認できます。エンジニアが現場作業で戸惑うことも少なくなり、結果として、ヒューマンエラーが減少するなどにより、故障発生件数が減少し、品質向上が図られました。

SOPは「SmartCloud データセンター」内のオペレーションで活用するもの(社内の改善施策)なので、お客さまにお伝えしてもなかなか効果やメリットをご理解いただけるものではありません。そこで、これら標準化や効率化への取り組みに対して、公的な機関が評価する「ISO20000認証」を取得することで、お客さまへの訴求はもちろん社員の自信に繋げることができました。お客さまにも、客観的な立場で見ても優れたレベルにあるとご理解いただき、同時に安心感を持っていただけたらと考えています。

プロセスの標準化は、お客さまのシステムに影響を与えかねない「故障」の早期回復や未然防止に効果的です。以前は、お客さまのシステムに影響を与えかねない故障の件数減少を目標としていましたが、現在は「故障ゼロ」の日数を伸ばすことが目標です。

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