2007.06.20
3D映像を実際に触感できる「Tangible-3D技術」を開発
? リアルタイムに、“ふれた感覚”を実感できる実写3D映像の配信を実現 ?
NTTコムウェア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:今井 郁次、以下 NTTコムウェア)は、リアルタイムの実写3D映像を触ることができる次世代のコミュニケーションインターフェース、「Tangible-3D技術」を開発しました。
この技術はNTTコムウェアが2005年に開発した、裸眼で3D映像を体験できるシステムを元に研究開発したものです。
概要
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NTTコムウェアでは既に、カメラ2台を使って撮影した実写映像を、リアルタイムに3D合成して配信するシステムを開発しており、「Tangible-3D技術」はその技術を拡張したものです。撮影した映像を画像処理し、ソフトウェアで被写体の触感情報をリアルタイムに配信する処理を実現した、世界でも最先端の技術です。配信された3D映像は専用の眼鏡を必要としない3Dディスプレイ(*1)で表示させることができ、同時に配信された触感情報は専用の触感デバイス装置(*2)で再現することができます。
この技術によって、遠隔地の実写映像を3D映像として立体知覚すると同時に、専用装置により実際に被写体にふれた感覚を実感できるという新しい体験が可能となります。
例えば、この3D映像と触感情報の同時知覚により、受信側がリアルタイムに擬似的な握手体験をすることが可能です。
まずカメラ2台を使って発信側の手の映像を撮影します。この映像は3D映像合成および触感情報の抽出が行われ、リアルタイムに受信側に配信されます。配信された発信側の手の映像は、眼鏡を必要としない3Dディスプレイ上で3D映像として表示されます。同時に、発信側の手の触感情報は触感デバイスを通じて受信側の手へ伝えられ、“手を握る”、“手を合わせる”といった触感が体感できます。
今後の展開
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現段階では送信側と受信側が1対1の構成で実証実験を行いましたが、今後は1対多の構成、双方向の構成を実現するための検討および実証実験を進める予定です。また、専用のモニターで3D映像を体験するために、現状では視聴位置が1点に限定されていますが、今後は様々な位置からの視聴を可能にするための技術についても研究を進めていきます。
今後の発展利用イメージ
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(1) Tangible-3D博物館
博物館等に本技術を適用すると、化石等の展示物について立体視しながら触感を得ることができます。触感側のクライアント数を増やすことで、同時に複数のユーザーがひとつの展示物を見て触れることもできます。
(2) Tangible-3D遠隔教室
陶芸等の遠隔教室に本技術を適用すると、教師が製作の解説をしながら生徒に作品を立体的に見せると同時に、形状などの直感的な情報を触感として伝えることができます。これにより、従来は遠隔教室では実施できなかった分野にも遠隔教室システムを適用することが可能です。
(3) Tangible-3Dテレビ電話
テレビ電話に本技術を双方向にして適用すると、立体テレビ電話で会話をしながら握手をしたり、手元にある物体を相手に触ってもらったりすることができるようになります。これにより、今までよりも高度かつ直感的なコミュニケーション手段を実現することが可能となります。
用語説明
*1 3Dディスプレイ従来のディスプレイのように映像を2次元平面のみで表示するのではなく、さらに奥行き方向を付加して立体的な表示を可能にしたものです。
*2 触感デバイス(※本技術の実証実験で使用した触感デバイスは別紙「参考資料」をご覧下さい。)
人間が物体に触れた際の触覚や力覚等の触感情報を、モーター等の制御によって人工的に表現する装置です。触感デバイスの種類により再現できる触覚の種類やレベルは異なります。今回の技術では、手に取り付けたワイヤーと金属アームを利用した装置がそれにあたり、物体の大きさや形、硬さを再現することができます。主に、医療やアミューズメント分野で利用されています。
お知らせ
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2007年6月27日?6月29日まで東京ビッグサイトで開催される、「第15回 産業用バーチャル リアリティ展」の旭エレクトロニクス(株)ブースにて、本システムを体験することができます。また、2005年に開発した、裸眼で3D映像を体験できるシステムについても、同展の(株)リアルビズのブースで体験することができます。
※リアルビズは、3Dディスプレイの販売企業です。
現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、
あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。