2012.10.11
「排熱式データセンター」のサービス開始
― 省電力“PUE=1.02”を実現、社内クラウドでの運用を開始 ―
エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:海野 忍、以下 NTTコムウェア)は、更なるコスト削減とグリーン化に向けて、世界最高レベル(*1)の省電力“PUE(*2)=1.02”を実現した「排熱式データセンター」のサービスを2012年11月より開始します。本サービスは、社内クラウド・サービスから運用を開始し、順次サービスを拡大します。
1.背景とねらい
ICT利用の進展、クラウド・コンピューティング利用の急激な伸び、ならびに事業継続性の実現のためにデータセンターは社会インフラとしてますます重要性が高まっています。また、ICT機器の大幅な増加、高性能化が進み、データセンターは膨大な電力を消費するようになってきており、省電力への継続的な取り組みが強く求められています。NTTコムウェアは、キャリアグレード(通信キャリア利用レベル)の耐災性、セキュリティー、運用と、グリーンICTを追求したデータセンターサービス「SmartCloud(R)データセンター」の更なる省電力化を目指し、2011年11月より「排熱式データセンター」の実証試験に取り組んできました。
2.「排熱式データセンター」の特長
(1)空調方式「排熱式データセンター」は、冷却装置を一切使用せず、ICT機器から発生する熱を屋外に排熱する完全外気空調方式を採用しています。データセンター内の温度・湿度を最適に調整する空流制御、吸気温度40℃に対応した高性能ICT機器の採用などにより、空調消費電力を限りなく0に近いサーバー1台当たり数Wまで大幅に削減することができました。また、1ラック当たりのICT消費電力12kVAの高密度実装にも対応した排熱性能を実現しています。
(2)設計運用方式
需要に応じて柔軟に設備を増設することができるモジュール方式(*3)を採用しています。冷却装置なども不要としたこととあわせて、創設費と運用費(主に電力関係)の低コスト化(当社従来比:45%削減)を実現しました。
(3)利用用途
クラウド・サービス、ビッグデータやハイパフォーマンス・コンピューティングなど
3.実証試験で得られた省電力効果
約1年間(2011年11月〜2012年10月)にわたる実証試験を通じ、厳寒期や酷暑期においてもPUE=1.02の安定したサービスを提供可能なことを確認しました。当社の既存「SmartCloud(R)データセンター」で実現しているPUE=1.3(*4)と比較すると、サーバー1,000台当たり年間CO2 300tの排出量削減に相当します。4.今後の展開
「排熱式データセンター」運用技術の継続的な改善を進め、お客様の多種多様なICT機器をお預かりする利用用途(ハウジング)への対応を目指します。
【用語解説】
*1 国内外のデータセンターが公表している数値の当社調べ。(発表時点)
*2 Power Usage Effectiveness。PUE=(データセンター全体の消費電力量)/(データセンター内のICT機器消費電力量)データセンターの電力利用効率を示す指標で、1に近づくほど効率が良い。
*3 ファシリティ、電力設備、空調設備、ICT機器を構成単位毎に設計・構築する方式。
*4 冷却装置を使用した東京データセンターにてPUE=1.3を実現。PUE=1.3は、冷却装置を用いたデータセンターとして国内最高レベル。
※「SmartCloud(スマートクラウド)」は、NTTコムウェアの登録商標です。
※ その他、記載されている会社名、製品名などは、各社の商標または登録商標です。
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