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報道発表

AI画像解析技術を活用し、地方公共団体が管理する舗装のメンテナンスサイクルの効率化を実現
〜新たな診断技術を用いた路面点検・診断・措置一貫ソリューションを3社で共同開発〜

 ニチレキ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:小幡学、以下ニチレキ)、東日本電信電話株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:井上福造、以下NTT東日本)、およびエヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:栗島聡、以下NTTコムウェア)は、舗装道路の路面点検・診断・措置を一貫して低コストで実現するソリューションを提供するため、AIによる「局部損傷※1)」診断技術を共同で開発し、2019年度中のサービス提供をめざします。
 尚、サービス提供に先駆け、本年8月に実施するインフラメンテナンス国民会議「ちゅうごく」フォーラム主催の実証事業に参画し、本ソリューションを活用します。

※1)局部的に損傷の進行が早く緊急の措置が必要とされる箇所

1.背景・課題

 高度経済成長期に集中的に整備された道路舗装は、今後一斉に老朽化することが懸念されていますが、その維持修繕に関わる予算は大幅に減少しています。しかし、地方公共団体が管理する道路は、路線数、路線延長ともに膨大であり、損傷箇所の全てをオーバーレイ※2)などの舗装修繕工事で対応することが困難となっています。ポットホール※3)が開いたら補修するといった事後対策に頼らざるを得ないのが実情です。
 従来、道路舗装のひび割れの評価には、専ら「ひび割れ率」※4)が用いられてきました。この「ひび割れ率」は、修繕工事区間の選定では有用な評価手段となりますが、緊急性を要する箇所の特定においては、十分な信頼性を有しているとは言い難いものがあります。
 そのため、限られた予算の中で最大の安心・安全を提供するために、ポットホールなど重篤な損傷に進行する恐れのある「緊急性を要する損傷箇所」を検出し、環境に配慮した適切な補修材料で手当てすることが求められています。

※2)既設の舗装上にアスファルト混合物の層を重ねる工法
※3)舗装の表層がはがれてできる穴、へこみ
※4)「舗装路面の50cm四方ごとに含まれるひび割れの本数をカウントし、0本のときは占有面積0m²、1本のときは占有面積0.15m²、2本以上のときは占有面積0.25m²とし、調査対象区間の面積を分母、ひび割れの本数に応じて算出された上記占有面積の積算値を分子として求められる値(%)」 公益社団法人日本道路協会、舗装調査・試験法便覧[第1分冊]、丸善出版株式会社、平成31年3月、[1]-215頁〜[1]-224頁

2.目的

 上記課題の解決を目的に、点検・診断結果から、「真に緊急性を要する要修繕箇所を自動的に見出す技術」※5)を基とした「局部損傷」という概念を提案し、従来のひび割れ検出AIで培った知見を基に「局部損傷」に特化した新たなAIを開発します。そして、「局部損傷」を点検・診断で定量的に評価し重篤な損傷に至る前に常温表面処理工法で補修する予防保全の仕組みを構築します。この技術は、来るべき自動運転時代に要求されるポットホールを開けない舗装管理にも有用な技術として活用可能です。

※5)「舗装の維持修繕計画策定支援装置及び支援方法」特許出願中 (特願2017-51148)

3.本ソリューションについて

(1)AIによる局部損傷の診断
 「局部損傷」の評価は、50cm×50cmメッシュ内のひび割れの交点(結節点)の個数を数え、ランク分け評価します。ランクの高い(結節点の多い)箇所は、路盤の健全性が失われ※6)ポットホールなど重篤な損傷に進行することが懸念される状態であると判断できます。
 「局部損傷」の評価作業は、人手による解析ではあまりに煩雑(下写真参照)であり、AI技術の活用により初めて実用化が可能となりました。従来型の道路診断AIは、検出したひび割れの面積から「ひび割れ率」を計算する技術でした。これを基に今回開発するAIは、NTTコムウェアの画像認識AI 「Deeptector®」を利用し、ひび割れの結節点を検出し損傷をランク分けする技術であり、「局部損傷」評価に最適化されたAIです。また、「局部損傷」と、従来からの「ひび割れ率」を組み合わせることで、多角的な措置方法の選定が可能となります。

※6)「舗装の点検・診断・措置一貫システムの検討」土木学会第73回年次学術講演会(平成30年)

時間経過によるひび割れの変化
時間経過によるひび割れの変化
時間経過によるひび割れの変化_説明


AIによる局部損傷抽出イメージ
AIによる局部損傷抽出イメージ


(2)診断結果にもとづく措置
  AIによる診断結果に基づき、ニチレキがこれまで培ってきた舗装メンテナンスの材料・工法ノウハウを活用し、予算に合わせた適切な措置についてコンサルテーションを行います。従来からのひび割れ率の診断結果に基づく修繕工事に加え、新たな「局部損傷」診断結果に基づく局部損傷の予防保全を組み合わせ、現状の予算水準から乖離しない実現可能な舗装管理計画を立案し、安心・安全な道路舗装を提供します。特に局部損傷の補修は、ニチレキが開発を重ねてきた環境にやさしい「常温表面処理工法」を積極的に活用します。この工法は、これまでの一般的な補修材料よりもコストパフォーマンスに優れており、舗装管理コストを削減します。

従来の処理工法と常温表面処理工法の比較
従来の処理工法と常温表面処理工法の比較

局部損傷箇所への予防補修によるLCC削減効果イメージ(舗装の劣化曲線)
局部損傷箇所への予防補修によるLCC削減効果イメージ(舗装の劣化曲線)

4.各社の役割について

(1)ニチレキ
・点検・診断サービスの提供、維持修繕ノウハウの提供
・舗装材料の開発、材料・施工の提供
・舗装管理計画策定の提供
(2)NTT東日本
・画像伝送用ネットワークサービス、セキュリティの提供
・画像蓄積、AI解析用データセンタの提供
・スマートイノベーションラボ※7)におけるAI環境の提供
・AI画像解析サービスの販売取次ぎ
(3)NTTコムウェア
Deeptector®を利用したAI画像解析ソフトウェアの開発
・AI画像解析サービスの提供

※7)NTT 東日本が提供する AI ・ IoT 技術の実証環境。産官学連携による新たな社会課題 解決・事業共創をめざす場

5.今後の展開について

ニチレキ:
点検、診断により、従来の修繕工事だけでなく、「局部損傷」の予防保全を取り入れ現状予算と乖離しない実現可能な舗装管理計画を提供し、道路舗装インフラの老朽化対策に対応してまいります。また、自動運転時代に向け「局部損傷」を活用した穴ぼこのない舗装管理をめざし、更なる検証を重ね信頼性の高い技術としてまいります。

NTT東日本:
地域に根ざしたICT企業として、AIやIoTなどの最先端の技術はもちろん、NTT東日本グループが保有するさまざまなアセットを活用し、道路舗装点検を皮切りに、インフラメンテナンスにおける社会課題の解決に貢献してまいります。

NTTコムウェア:
AI・ICT技術を活用した舗装診断サービスの提供に取り組んできた経験を生かし、今回の「局部損傷」診断を用いた路面点検・診断・措置一貫ソリューションをはじめ、道路インフラ保守高度化の取り組みを進めてまいります。また、AI・ICT技術の適用によるNTTグループの事業基盤である通信インフラの保守高度化への対応、橋梁点検や鉄塔点検におけるドローン活用など、広く社会インフラの保全に貢献してまいります。

6.本件に関するお問い合わせ先

【路面点検、保全、点検・診断・措置一貫ソリューションについてのお問い合わせ】
ニチレキ株式会社
道路エンジニアリング部 那珂・硲
TEL:048-961-6321
https://www.nichireki.co.jp/

【AI・IoT・スマートイノベーションラボの活用に関するお問い合わせ】
東日本電信電話株式会社
ビジネスイノベーション本部
BBXマーケティング部 宮田・大久保・新村
TEL:03-5359-3070
http://www.ntt-east.co.jp/

【画像認識AIソリューションに関するお問い合わせ】
エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社
広報室 菱田・森山
お問い合わせ:https://www.nttcom.co.jp/contactus/index.cgi?mode=other&sele_3=1
http://www.nttcom.co.jp/

※「Deeptector」は、NTTコムウェア株式会社の登録商標です。
※記載されている社名、商品名などは各社の商標または登録商標である場合があります。

このページに掲載されている情報は、発表日時点のものです。
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