化学品を主力とする商社KISCO様では、ワークスタイル変革やグローバル化に向けたITインフラの整備に取り組んでいます。2016年には、ネットワークや無線LAN環境、データセンター上の仮想基盤を刷新し、あわせて監視システムを稼動させ、東京本社から各拠点の一元管理を実現しました。
導入効果 1
- 社内ネットワークの整備、拡張によるワークスタイル変革
導入効果 2
- グループ全体のデータを仮想基盤に集約し、グローバル化を推進
導入効果 3
- 各拠点の設備を東京本社で一元管理し、運用性・可用性を向上
合成樹脂・化学品・エレクトロニクス材料・包装材料などを、製造・IT機器・農業畜産・医療をはじめとする、さまざまな業界向けに提供している商社KISCO様。国内に8拠点を持つ他、アジアや欧米にもグループ会社があります。
KISCO様が推進しているのは、ワークスタイル変革、グローバル化に向けたITインフラの強化です。ワークスタイル変革の一つとして、オフィスのフリーアドレス化を進めています。席を固定せずフレキシブルなオフィス環境が作れるフリーアドレスには、安定性の高い無線LANが不可欠でした。また国内外のグループ企業を含めた、同一仮想基盤への集約にも取り組んでいます。
川端 浩司氏
KISCO株式会社
管理本部副本部長
経理兼情報システム担当
兼情報システム室長
執行役員
執行役員でもある管理本部副本部長 経理兼情報システム担当 兼 情報システム室長の川端浩司様は、「グローバル化が進むなか、国内と同じITサービス、同じ品質レベルを海外拠点にも提供することが求められています」と背景を説明します。
情報システム室 課長の油井博様は、「グループ会社が個別に情報管理してはいますが、グループ全体でのガバナンスをさらに強化するため、それぞれが個別運用しているITシステムやデータを巻き取って、一元管理するよう進めています。しかし巻き取るとデータ量だけでなく、処理量も増加します。快適性を高めるには、ストレージ容量だけでなく、パフォーマンスを向上させる必要がありました」と語ります。
そこで2016年、ネットワークや仮想基盤の拡張とともに、運用監視の強化に取り掛かりました。構築は2004年から長年にわたり、KISCO様の業務アプリケーション、ITシステム構築や運用、データセンターなどの提供を通してKISCO様の課題を把握していたNTTコムウェアが担当することになりました。
ワークスタイル変革に向けた社内ネットワーク刷新
油井 博氏
KISCO株式会社
情報システム室
課長
KISCO様フロア
フリーアドレス環境を実現
社内ネットワーク刷新において特に注力したのは無線LAN環境の整備です。以前の無線LAN環境は、有線LAN環境に後から追加したために、接続台数やセキュリティー上の制約があり、アクセスに支障が発生することもありました。しかし今回の刷新で無線LANを前提としたネットワークを構築したため、オフィス内のどこからでも安定して接続できるようになったそうです。
また、従来の無線LANは、フロアごとにネットワークセグメントを分割していたため、別のフロアに移動するなどしてアクセスポイントから離れると電波が弱くなり、「無線LANの接続を維持した状態なのに、通信ができない」という問題が発生していました。問題の解消には、ユーザー自身が操作して、最寄りのネットワークセグメントのアクセスポイントに再接続する必要がありました。
そこで、NTTコムウェアへ相談したところ、「ネットワークセグメントを分けないほうが安定するのでは?」とのアドバイスがありました。同一セグメントで統一すると、最寄りのアクセスポイントに自動的に再接続するようになるため、電波の強い環境が維持され、フリーアドレス環境に適しているといえます。
「同一セグメントに切り替えたところ安定性が向上しました。ノートPCを使用している従業員からは無線LANが切れにくくなったという声も聞いています。作業中にネットワークに接続できなくなるという問題も解消され、業務に集中できるようになりました」(油井様)
ノートPCなどの端末の無線LAN設定も、同一セグメントにすると同一設定で処理できるので、運用面でも効率化されます。
更なるグローバル化に向けデータ集約。ストレージは高速ハイブリッドへ