エンドユーザーの行動や意識の変化が明らかに

2022年1月に導入され約半年が経過したクラウドへの全面移行は順調に進み、若手を中心に明らかに業務効率のアップや働き方の変化を実感した、という声が寄せられているという。
Box、Slackなどの新しいクラウドサービスへの習熟度は少々個人差が出たところもあったが、業務への適用効果はすぐに現れた。

「省庁の仕事には省内だけでなく外部の有識者や他の省庁のメンバーとの意見の集約、意思確認の作業が非常に多くあります。Slackの導入によって、かかる時間と労力が大幅に削減され、業務を担当する20～30代の若手中堅職員からは高く評価されています。
また、同様に数多くの書類・資料の確認・修正の作業があり、こちらはBoxの共同編集機能が功を奏し、修正履歴等の証跡管理の強化とともに、作業の時間短縮、労力軽減につながり、評価が高くなっています」（坂本氏）

中間管理職世代は元々メールを使用する文化に慣れているため、当初はSlackをうまく使いこなせない人も散見されたが、「SlackやBoxを使うことで若手の仕事がより速く、より効率的になっているのならば、中間管理職ももっと積極的に活用していくべき」という幹部からの発言もあり、ツールが浸透する原動力になっているという。

フルクラウドになったことで変わる運用と役割

フルクラウドになったことで、旧システムと大きく異なることの1つは、クラウドサービス側で次々と新しい機能が追加されることである。それらが省庁全体の働き方改革や業務改善につながるという検証が済めば順次、職員が利用できるようにすることでシステム全体が年々より進化する可能性があり、従来にはなかった価値になる。

NTTコムウェアは、NTTグループや一般市場のお客さまの大規模システムを開発、運用してきた技術力と実績を有している。そして、そこから得られた知見・ノウハウをもとに新システムの提案を行っている。クラウドには先進的なサービスが多く、複数のサービスを組み合わせたときに問題が発生することがあるが、IT業界としてもノウハウはまだまだ少ない。クラウドサービス間の仲介やトラブルシューティングにおいて、未知の課題や問題に挑戦・解決し続けて来たNTTコムウェアの持つ総合的なサービス提供力が発揮されている。

「今後システムを運用していく中で、NTTコムウェアにはオーケストラの指揮者の役割を期待しています。個々の奏者であるクラウドサービスが各々素晴らしくても、それぞれの良さを引き出し、1つの演奏としてまとめるには指揮者の力量が必要です。各種のクラウドサービスがより良く組み合わさって、うまく活用できるようになるための、新しい形の細やかなサポートを期待しています」（坂本氏）

エンドユーザーが改革の進捗を実感してくれていることが大切

今回の文部科学省の「行政情報システム」の更改は、外部からの評価も高い。
2022年5月末には、霞が関の改革とその知見をシェアするイベント『第１回・意外と変われる霞が関大賞』に文部科学省職員有志によって新システムの移行を含む取り組みがエントリーされ、「意外と変われ『て』る！ボトムアップで切り拓く文部科学省改革」として大賞を受賞している。

「今回の受賞で大切なのは、システムを導入した私たちの部署ではなく、現場で改革をリードし、意見を発信しながら活用している有志が自ら応募して大賞を受けたことです。エンドユーザーが新システムによって改革が進んでいると実感し評価してくれていることをとてもうれしく思っています」（坂本氏）

NTTコムウェアは、これからも確かな技術力と豊富な経験に裏打ちされたトータルサポート力で、お客さまのDX実現を支えていく。

2022/08/04

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