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パートナーとWin-Win の関係を築くファブレス経営

大型機械を導入し、生産性向上を図った大規模茶園。新産地では伊藤園の農業技術部の支援を受け、未経験者も数多く就農

「お~いお茶」の開発は困難を極めたにもかかわらず、途中で断念せず、商品化できたのはなぜか。もちろん、緑茶のトップメーカーとしての気概はあっただろう。しかし、それとは別に、伊藤園には緑茶飲料の成長を確信する理由があった。それが「飲料化比率」という指標だ。飲料化比率とは、緑茶の全消費量のうち、どのくらいが缶やペットボトルなどに入った緑茶飲料として消費されているかを表す指標で、次の式で算出する。
飲料化比率=飲料容量÷(飲料容量+茶葉容量換算)×100

提携工場である株式会社ホテイフーズコーポレーションの生産ライン。東洋製罐株式会社と共同開発した、常温無菌充填が可能な「NSシステム」が稼働

1990年代半ば、緑茶、ウーロン茶、紅茶、コーヒーの市場規模を調べたところ、消費量は緑茶がトップにもかかわらず、金額ではコーヒーが緑茶を圧倒的に上回っていた。伊藤園は、この逆転現象を飲料化比率の違いによると分析。ちなみに、1990(平成2)年の緑茶の飲料化比率は0.6%であったのに対し、コーヒーはすでに28.8%。つまり、コーヒーは缶に入れることで、付加価値を高めていたのだ。逆にいえば、飲料化比率の低い緑茶には、まだまだ成長の余地があることになる。
現在、緑茶の飲料化比率は20%まで上昇したが、伊藤園は今後少なくとも30%、市場規模でいえば6,000億円までは拡大すると予測している。

無香料・無調味・国産茶葉100%使用は、発売以来、変わらないポリシー。濃い茶や抹茶入りなど嗜好性の高い商品もラインアップ

潜在市場の“見える化”によって、伊藤園は長期的なビジョンを持つことが可能になった。将来を見据えた事業展開の一つに、茶産地育成事業がある。茶葉の生産現場では、高齢化や後継者不足のため、就農人口・栽培面積ともに減少。「お~いお茶」は国産茶葉100%であることに加え、荒茶生産量の約24%を扱う伊藤園にとって、原料の安定調達と生産性の向上は喫緊の課題だった。そこで、2001(平成13)年から九州を中心に、耕作放棄地や遊休農地を「お~いお茶」専用の茶畑にする新産地事業を始める。15年経った今、栽培面積は、従来の契約栽培も含め、960ha(東京ドーム約204個分)まで拡大、原料調達の面でも抜きんでた。

シリコンバレーでも「お~いお茶」が人気に。エンジニアが集まる勉強会などでの試飲を契機に、各社に置いてもらうことに成功

商品開発についてはイノベーションの申し子ともいえる伊藤園だが、設立以来、頑なに守り続けているものがある。それが、自社で製造設備を持たないファブレス経営。過去には「そろそろ自社工場や自社農園を持つべきでは」という意見もあったが、伊藤園は「お~いお茶」開発の際、自社では対処できない問題の解決に力を貸してくれたパートナー企業への信義を重んじ、共に成長する道を選んだ。
全国約30の提携工場や契約農家との緊密なコミュニケーションの下、「お~いお茶」は急須で入れたお茶本来のおいしさと香りにこだわり、さらなる品質向上を目指す。

取材協力:株式会社伊藤園
「お~いお茶」ブランドサイトはこちら

コーヒーは「タリーズ」ブランドで展開

清涼飲料市場で断トツの規模を誇るのがコーヒー飲料で、緑茶飲料の2倍を超える約9,400億円。飲料メーカーにとっては極めて魅力的なジャンルだ。伊藤園も過去に「サロンドカフェ」などのブランドで缶コーヒーを発売してきたが、先発商品の牙城を崩すことはかなわなかった。
総合飲料メーカーとしての地位を確立するには、この分野でも強力なブランドが必要と判断した伊藤園は、2006(平成18)年にタリーズコーヒージャパン社をグループ化。当時、同社は営業赤字で累積損失も抱えていたが、原料の共同購入や不採算店の閉鎖などで2年後には営業黒字に転換。黒字化に当たっては、伊藤園の信用力や店舗経営のノウハウが生かされたことも大きい。
そして、2009(平成21)年、「TULLY’S COFFEE」ブランドのボトル缶を発売。店舗との相乗効果もあって棚の争奪戦が激しいコンビニでも取り扱い可能となり、2015(平成27)年には1,000万ケースを超すメジャーブランドの仲間入りを果たした。伊藤園では、緑茶飲料「お~いお茶」、麦茶飲料「健康ミネラルむぎ茶」、野菜100%飲料「1日分の野菜」に続く4番目のメジャーブランドであり、同社の業績向上に寄与している。

「タリーズコーヒー」(ショップ)はこちら

「タリーズコーヒー」(商品)ブランドサイトはこちら

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