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賢いはたらき方のススメ
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日本人プロゴルファーとして海外で活躍する先駆者となった丸山茂樹さん。アメリカに渡った当時は、プロスポーツにおける日米の違いに驚くばかりだったという。ゴルフ界に留まらず、社会的規範、価値観が日本とどう違ったのか。グローバル化が求められる日本のビジネスパーソンにとって、参考になることがある。

成功者からヒントを学び、国境を越えた視野を持つこと

― 丸山さんは日本で活躍後、PGAツアー(米男子ゴルフツアー)で3勝されるなど、プロゴルファーとして海外でもご活躍でした。 現在も日本とアメリカを行き来する生活でいらっしゃいますが、日米でゴルフ界のどのような部分に違いをお感じですか?

丸山茂樹さん

2016年「セガサミーカップ」にて

ゴルフに限らず全てのスポーツに言えることですが、何から何まで違います。年俸や賞金の金額が海外では5倍、10倍ということもありますし、アメリカのプロスポーツ界は年金制度が充実していて、現役を引退しても手厚い保障が受けられるんです。
 それに、プレジデンツカップのギャランティは自分が選んだ団体や機関に寄付することが義務づけられているのですが、どこに寄付したらよいか周りの選手に相談したら「自分のジュニア育成基金はつくっていないのか?」と逆に聞かれてしまいました。お恥ずかしい話ですが、プロ6年目にしてジュニアの育成のために基金を設立するなど考えたこともなかったんです。日本では、先輩たちもまだそういう活動はしていませんでした。海外では寄付が節税対策になるという側面があるものの、この活動は日本も見習うべきだと思いましたね。

― 海外進出をされたのは、賞金額などスケールの違いをご存知だったからですか?

PGAツアーに挑戦したのは、子どもの頃からの夢だったからです。もともと「アメリカは違うぞ」という意識はありましたが、具体的にこれだけ違うというのはアメリカでプレーするようになって初めて知りました。「すごい!」と驚いたのと同時に、日本ではどうして同じことができないんだろう? と考えました。
 第一に、アメリカはプロスポーツのマーケットが巨大です。資金が日本とは桁違いだから、できることもスケールが大きい。優秀な成績を収めたら手厚い待遇があるとなれば選手もプレーに気合いが入ります。その結果、試合を見る人も盛り上がりスポーツ中継の視聴率が伸びる。そういうプラスの循環ができているんです。

― 日本で同じようにするのは難しいということでしょうか?

変えられる余地はあると思います。アメリカのゴルフ界も昔からこうだったわけではなく、スポーツがビジネスとして急成長してきたことが背景にあります。PGAツアーは、コミッショナーがビジネスモデルを考えて確立させました。タイガー・ウッズの登場によりPGAツアーの放映権料が高騰し、その放映権収入がPGAの莫大な資金源になっているんです。
 現在、およそ220カ国以上でツアーが放映されているので、世界中に宣伝できるとあってスポンサー企業にとっても魅力的です。スポンサーが増えれば賞金も上がり、必然的にいい選手が集まってくる。
 日本では、ツアー主催者の立場が逆なんです。主催者側がお願いしてテレビ局に放映してもらうような状況です。長年この仕組みでやっているので、今から変えることはなかなか難しいでしょうね。
 日本にはアジアから参加している選手もいて、日本国内のトーナメント数はアジア圏で最多でしたから、日本からアジアにゴルフ番組を配信するなどのビジネスチャンスがあったかもしれない。そういうビジネスを作ることのできる人がいなかったのは残念ですね。

― 世界を舞台にチャンスをつかもうという発想は、日本人からなかなか出てこないかもしれませんね。

丸山茂樹さん

海外に挑んだ人たち、そこで成功した人たちを特別と見る傾向がありますよね。そして自分ができない理由を探して「しょうがない」としてしまう。それではもったいないですよ。
 アメリカは、実力や能力を身につければ成功して稼げるという風潮ですから、プロの厳しい世界で業績を上げたら、それ相応の報酬を受け取って当然と考えます。それはスポーツでも、芸能界でも、ビジネスの世界でも同じ。ただの夢物語ではなく、がんばれば自分の手でつかみ取れる可能性があるんです。
 こういったアメリカの事情を後輩たちに話すと、やはり海外に行くことを考えるようになります。世界で戦える日本人はたくさんいると思うんです。そういう人たちのためにも、こういう情報をできるだけ広く伝えたいと思っているのですが、自慢と受け取られることもあって、なかなか難しいですね。社会のあり方が変われば、日本人の発想も変わるのではないでしょうか。

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