

ポイント 1
- テストを開発して
効率化
ポイント 2
- テスト自動化
適用範囲の見極め
ポイント 3
- テストを変える
省コスト以外の付加価値
テスト工程から実現するシステム品質向上 NTTコムウェア
高速リリースにも耐えられるテストとは

斎藤 翔
NTTコムウェア株式会社
経営企画部
ソフトウェアテストイノベーションセンタ
NTTコムウェア ソフトウェアテストイノベーションセンタの斎藤は、はじめにソフトウェアテストにおけるニューノーマルが提唱されていることを紹介します。
「現代の顧客は速いペースの製品リリースと高品質な製品リリースを期待しておりそれに応えてきたソフトウェア開発とテストには“The New Normal“がある。(Michael Sowers※)」
「The New Normal」とはリーマンショック後の経済状態を示す言葉で、「かつて当たり前ではなかったことが、当たり前になっていること」を意味しています。
斎藤はこの主張を「システムテストにも、クオリティとデリバリーの両立が求められている」と解釈します。そして「The New Normal」の10項目の特徴の中の「開発とテストはチームスポーツである」と「TestDev思考は普及している」に注目。開発とテストをチームとして進めていくために「シフトレフト」と「テスト開発プロセス」というキーワードを取り上げて説明しました。
シフトレフトで効率的で持続可能な開発へ

開発ライフサイクルをV字モデルで表現すると、左側はシステムの仕様を設計・実装として記述していく流れ、右側はテストの流れとなります。
開発のより左側、つまり開発上流からテストを行っていくことを「シフトレフト」と呼びます。
シフトレフトが必要な理由として、「欠陥が上流工程に混入する割合は70%にも及ぶ」こと、「上流工程で発見できる割合は3.5%である」こと、「それを最後に受入テスト工程で修正すると30倍のコストがかかる」ことをあげています。
斎藤はさまざまなシフトレフトの取り組みの中で、開発上流、レビューからの設計品質向上に重点を置いて説明しました。
開発プロセスや求める技術に応じてレビューの方式や技法を組み合わせたり、ASDoQ(システム開発文書品質研究会)などの観点モデルを活用して観点を見直したり、修正工数が大きくなる問題に範囲を絞り込むなど、いままで通りの「当たり前」のレビューを見直して効率化することが必要と訴えました。
さらに、開発者ではなく第三者であるテスト屋、つまりテスト技術者が設計書のレビューをする利点として、「客観的な目線」と「欠陥を探す」という思考で、設計書のヌケモレを排除できるといいます。また、開発チームの有識者の「当たり前」な暗黙知を形式知とし、組織知として残すことで、開発メンバーが替わっても持続的な開発を可能にすると主張しました。
テスト開発プロセスは価値のあるテスト資産を生む

一方、「テスト開発プロセス」については、ただ仕様書や設計書を転記したり、なんとなくいままで使ってきたテスト観点を使うだけでなく、テストもシステム開発のように段階を追って開発するべきと述べ、「テストプロセスを適用し、テストを開発する」方法を解説しました。
テスト開発プロセスでは、テスト要求分析でシステム開発の要求分析と同様に、何故、何をテストするのかを整理し、テスト設計で何をどうやってテストするのかを詳細化するといいます。
ロジカルに「本当に必要なテスト」を考え、テストを「段階的に」「意識的に」「見える化」することが必要と訴えました。
その成果として、「テストの必要十分性の確保」、「変更に強いテスト資産」、そして「テスト資産の再利用」が実現できると主張しました。
最後に斎藤は、「シフトレフトとテスト開発プロセスに取り組むことで、テストのThe New Normalを実現してみてはいかがでしょうか」と締めくくりました。
※ Better Software Fall 2017 ‘The New Normal for Software Development and Testing’ By Michael Sowers(TechWell Corporation)
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