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改善事例から考えるテスト自動化の勘所 ベリサーブ

自動化の適用範囲を見極め、専任担当者が新たなパターンにも対応

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川畑 直樹 氏
株式会社ベリサーブ
ITシステム事業部

株式会社ベリサーブの川畑直樹氏は、システムテスト自動化のプロセスを山登りに例えます。

「テスト自動化という山を登る時には、導入時、構築時、運用時、人が去る時という小さな山があり、それぞれに落とし穴があります」

そして、それぞれの落とし穴の内容と対応の勘所を紹介した上で、実際の改善事例を元にテスト自動化の要点を説明しました。

あるシステム改修時の事例では、前任の担当者が去った後は自動化する目的も不明確となり、既存のテストスクリプトの保守しかできなくなっていました。ベリサーブがお客さまにヒアリングしたところ、現在の要望は以下の2点でした。

  • 全てのテストを自動化したい
  • 過去に発生した不具合のテストも自動化したい

ここでは、全てを自動化することのデメリットを説明し、特殊なGUIや特別な処理は手動のまま、効果が出る部分のみのテストを自動化する方針に軌道修正しました。さらに、ベリサーブが専任の担当者を用意することで、現状のテストスクリプトの保守だけでは対応できなかった新たなテストケースを作成できるようになり、過去に検出された不具合を取り込めるようになりました。

PoCでテスト自動化の効果検証、開発段階からの導入で最大限の効果

次に、あるアジャイル開発の例では、以下の理由でテスト自動化が望まれていました。

  • 要員が不足しており、GUIのテストが十分にできていない
  • 日々機能追加をしており、どうしてもデグレードが発生してしまう

GUIテストとデグレード対策という大きな課題に対して、最適な自動テスト環境を運用・構築するために、この例では本格導入を行う前にPoCフェーズで自動化の効果を測定しました。調査の結果、約9割の自動化が可能であることが明確になり、スムーズに導入へと進みました。

また、今回のPoCを通して、これまでテスト自動化を考慮したシステム開発をしていなかったことが明らかになりました。システム開発の段階から、要素の付与ルールの徹底など、テストの自動化を考慮したつくりにすることで、最大限にテスト自動化の効果が発揮できると述べました。

川畑氏は、多くの事例で得たテスト自動化の知見・ノウハウを今後も生かしていくと締めくくりました。

IT人材不足に備える、ベリサーブとNTTコムウェアの協業

テストを変えれば開発が変わる、ビジネスが変わる

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関口 貴之
NTTコムウェア株式会社
経営企画部
ソフトウェアテストイノベーションセンタ

最後にNTTコムウェアの関口が、ベリサーブとの協業の展望について語りました。

関口は、協業の目標は今後の人材不足に備えてテストのプロとしてお客さまを支援する、次の3つであることを示しました。

  • 検証工程のアウトソースにより、お客さまのIT人材を高付加価値領域へシフト
  • プロジェクト・プロダクトリスクを未然に防止
  • 開発者、テスト実務者目線による開発上流工程の品質向上の推進

そして協業を開始してまだ1年ながらも、既にいくつもの実績を上げており、「大規模な基幹系開発におけるシステムテストの完遂、大手流通系システムの品質管理・PMO、大規模な汎用系システムの設計書のインスペクションなどでお客さまに貢献しています」と訴えました。

「テスト自動化は、即コスト削減であると考えがちですが、決してそれだけが目的ではありません」と語り、シフトレフトを図り、テスト開発プロセスを進めることでテストプロセス全体の自動化を実現することができ、「システム品質や開発スピードという課題を一気に解決できるのではないか」そして「世の中のテストを変え、開発、ビジネスも変えていきたい」と締めくくりました。

2020/03/23

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