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IoEの実現に求められるプラットフォームの構築

それでは、IoEを実現するためには、どのような技術が求められるのだろうか。徳田氏は、「IoEは1つの技術ではできません」と言い切る。さまざまな技術を組み合わせて、初めてあらゆるモノをインターネットに接続するIoEが実現できるというのだ。
徳田氏は、IoTとIoEの違いを示す視点を提示する。それが、プラットフォームの考え方だ。すでにさまざまな形で、IoTを実現する製品やサービス、ソリューションは提供されている。スマートホーム、製造業、交通、セキュリティー、ヘルスケアなど、その分野はさまざまだ。しかし、そのソリューションは各分野の中で閉じているケースが多いという(図2)。

図2  独立したソリューションから水平連携するソリューションへ

「特に日本の産業界は、各分野に最適なIoTソリューションを作るのは得意です。しかし、それぞれの分野が独立して垂直なIoTソリューションを作っているのが現状でしょう。私はこれを“サイロ型”のソリューションと呼んでいます。しかし、あらゆるモノが接続するIoEでは、サイロ型のソリューションが立ち並んでいるだけではなく、サイロ同士が連携できる水平なプラットフォーム型のソリューションが求められます」(徳田氏)
ここにも重要な指摘がある。狭義のIoTとIoEの違いとしては、対象の範囲だけでなく、そのソリューションの構造にも根本的な違いがあるというのだ。体組成計のセンサーで収集した情報を使って、ヘルスケアのデータを蓄積・分析するサービスを突き詰めていっても、それは狭義のIoTの世界を抜け出すことにはならない。異なる分野のデータと連携するためのプラットフォームを構築して、ソリューションが扱えるデータの幅を広く設定することで、ようやくIoEに近づく。
IoEを実現するためには、個別のソリューションの深掘ではなく、多方面のデータを必要に応じて取り扱えるプラットフォームの構築が不可欠と言えよう。

“見える化”から将来予測へ広がるIoEのアプリケーション

インターネットに接続する対象を「モノ」から「あらゆるモノ」に拡大し、ソリューション同士を連携できるプラットフォームを構築すると、IoE実現のインフラが整う。IoE活用のメリットが生まれるのは、そこからだ。IoEではどのようなアプリケーションが実現できるのだろうか。徳田氏は3つのレベルがあると指摘する。
「レベル1」は、センシングしたデータを“見える化”するアプリケーションだ。センサーの進歩やスマートフォンの普及により、これまでセンシングできなかったデータをインターネット上に収集できるようになり、それらのデータをビジュアライズする。見える化による気づきは、個人の生活だけでなく、産業面でも効果が期待される。
次の「レベル2」が、資源の最適利用だ。収集したデータを見える化し、気づきが得られたら、そこから対象となる資源を最適に利用するための制御が可能になる。都市部へのクルマの集中を検知して駐車場の料金を変動させて駐車状況の平準化を図る「オンデマンドプライシング」、電気料金を受給に応じて変動させる「ダイナミックプライシング」などが、レベル2に相当するアプリケーションだ。
さらに「レベル3」では将来予測にまでIoEの適用範囲を拡張する。過去のデータと今のデータを元に、未来の状況を予測して先回りするアプリケーションだ。台風の進路予想はもちろん、連休のホテル需要予測や渋滞予測、イベントの後の人の流れの予測、災害時の避難経路への集中状況の予測など、さまざまな適用事例が考えられる。

次ページ 現実空間とサイバー空間の融合で新しい価値を生み出す

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