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農業とクラウドの融合がもたらす新しい農業経営

このように、IoTとの連携による新しい農業の取り組みは着実に進んでいます。では、さらに視野を広げて農業経営のIT化という視点で見てみましょう。

クラウドサービスの普及により、農作物の生産や品質管理、流通、販売管理など農場の経営全体を支援する農業クラウドの導入が進んでいます。具体的には、モバイル端末から収集した日々の作業実績や、田畑のセンサーから収集した環境データ、気象などの外部から取得したデータをクラウドに蓄積して分析し、作付けから出荷に至るまでの生産管理、農場の経営計画、人材育成などに利活用する仕組みです。

さらに、ビニールハウス内に設置した機器とクラウドを連携させ、ハウス内の状態を自動制御するソリューションの導入も進められています。生産者から農協関係者、流通、加工、小売りまで農業に関わる全ての関係者が栽培計画や生産工程に関するデータを共有、活用するなど、さまざまな形でクラウドと農業の連携が進められています。

また、農業と深い関わりを持つのが「気象」です。近年の異常気象により、農作物が甚大な被害を受けるケースも多発しています。そこで注目されているのが、農業向けの気象予報システムです。気象庁が提供する気象ビッグデータを解析し、農地ごとに高精度な気象予報や気象リスクを配信します。生産者は適切な災害対策ができるほか、薬剤の散布時期の判断や、農作業日程の調整をすることができます。

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効率的な農作業を支援するモバイル向けアプリも登場しています。畑で散布する農薬の量については、これまではあらかじめ計算をして最適な量を算出するか、または経験と勘に頼らざるを得ませんでした。スマートフォン向けアプリなどを利用することで、散布面積と希釈倍率を入力するだけで散布量が簡単に計算できます。専門知識のない人でも畑の真ん中で簡単に散布量を確認することができるのです。生産者はもちろん、家庭菜園やガーデニングでも役立ちます。

またITは従来とは異なる、農作物の新たな販路を生み出しています。インターネットによる直販です。旬の新鮮な野菜や果物、お米などを手頃な値段で購入でき、作っている人の顔が見えるなど、消費者にとってメリットが大きいほか、生産者にとっても、自分たちが育てて収穫した作物を、全国の消費者に新鮮な状態で届けることができるという利点があります。

IT化の先に見える「ネットワーク化する農業」

このように、新規参入の減少や技術継承、作業の効率化といった課題をITで解決し、農業の産業力を高めることが、スマート農業、農業のIT化の取り組みです。もちろん、IoTやクラウドを導入する上での課題もあります。システム導入時や維持にかかるコストの問題、セキュリティーの担保は、避けられない課題です。また、導入したのに使いこなせなければ意味がありません。高齢の生産者にも分かりやすい操作性が求められます。

今後は、生産から流通、販売に至るサプライチェーンもITの活用により強化され、消費者を巻き込んで農業のネットワークを広げていく動きが活発になることが予測されます。またITを駆使したスマート農業は、従来の農業従事者だけでなく企業農業や家庭菜園、家庭農園など幅広い活用が期待されます。「農業」の革新は、すでに始まっているのです。

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