2022.01.25

テレワーク導入企業の成功事例に学ぶ、失敗しない働き方改革

2019年4月より働き方改革関連法案が施行され、さらに2020年のコロナ拡大で定着が進んだ「テレワーク」。すでに多くの企業がテレワークの導入により、業務効率向上や残業時間の削減に成功しています。こちらでは、テレワークの概要や成功事例についてご紹介します。

STC診断

新しい働き方として定着したテレワークとは?

「テレワーク(Telework)」とは、「Tele(離れて)」と「Work(働く)」を組み合わせた造語です。これまでのように働く場所をオフィスに限定せず、シチュエーションに応じて自由に働く場所を変える仕組みを意味しています。生産性向上や子育てがしやすい環境づくりを実現する「働き方改革」において重要な取り組みで、育児や身体的な理由で出社が困難な方、営業担当など社外勤務が多い方に適している働き方です。

テレワークの活用シーンとしては以下のようなものが代表的です。

  • 在宅勤務
  • サテライトオフィス勤務
  • モバイルワーク

在宅勤務

在宅勤務は自宅でテレワークを行うスタイルです。家事や子育て、体調不良など、社員のさまざまなシチュエーションに対応できます。出社する社員と在宅勤務する社員をシフトで調整すれば、オフィス内の人員を削減でき、オフィススペースのコスト削減も可能です。

またBCP(事業計画対策)対策の点でもメリットが注目されています。豪雨災害や地震、そして交通機関の障害などにより通勤が困難になるなかでも事業を継続し、さらにはコロナウイルスの感染拡大による外出自主にあっても業務進捗を妨げないための手段として、導入が広まりました。

サテライトオフィス勤務

本社以外のサテライトオフィスでテレワークを実施することもできます。本社から離れた場所に居住している社員も働けるため交通費を削減できるほか、採用地域の範囲を広げることができます。

モバイルワーク

モバイルワークは働く場所を限定しないテレワークのスタイルです。コワーキングスペースやカフェなど、さまざまな場所が仕事場所になります。出張先のホテルや移動中の電車などでモバイルワークを行うことも一般的です。場所を選ばず作業可能なため時間の有効活用ができるほか、気分に応じて作業場所を変えることで作業効率の向上にもつながります。

さらなるテレワークの推進に向けて、制度づくりとICT環境の整備が必要

柔軟な働き方を実現するために活用できるテレワークですが、勤務形態として実用するためには制度づくりとICT環境の整備が必要です。テレワークにおけるICT活用の代表的なポイントをご紹介します。

複数の社員が共同で進めるプロジェクトでは、コミュニケーションが求められます。電話やメールで都度コミュニケーションをとるのは非効率的です。簡潔でスピーディーなコミュニケーションを行うために、Web会議、チャットツールやタスク管理ツールが用いられています。とくにテレワークの利用が拡大したことにより、社員間のコミュニケーション不足が業務の妨げになるとの調査結果もあります。(※1)

※1 HR総研「社内コミュニケーションに関するアンケート2021 結果報告」

Web会議ツールやチャットツールの利用はもちろん、社員間のコミュニケーションの活性化を図るための仮想オフィスツールの導入も進んでいます。また、社員が仮想オフィスに入室したことで出勤中と判断できますので、次にあげる勤怠管理にも活用されています。(※2)

※2 NeWork 「リアルよりも話しやすいオンラインワークスペース」
https://nework.app/top

勤務管理

管理者がいないテレワークでは、作業の進め方が社員一人ひとりに委ねられています。勤務時間に職務に専念しているか、勤務時間外に働いていないかを確認するために、勤怠管理システムやタスク管理ツールが必要です。さらに、社員の責任意識やオフィスと作業場所での進捗連絡の仕組み化なども求められます。

セキュリティ

社内のデータをオフィス以外の場所で取り扱うため、情報漏えいを警戒する必要があります。機密性の高い情報を閲覧する場合には場所を選ぶなど、社員のセキュリティ意識が必要です。万が一、作業端末を紛失したとしても第三者が情報を閲覧できない仮想デスクトップ(VDI)などが活用されています。

テレワーク導入の成功事例

テレワークは、すでに多くの企業で導入されています。作業効率や従業員満足度が向上した成功事例も少なくありません。成功のポイントとなっているのは、仮想デスクトップ(VDI)などのITツールをどう活用していくか。以下ではテレワークの成功事例をご紹介します。

大手製造企業A社の場合

A社は2019年より順次施行される「働き方改革関連法案」への対応のため、数年前から準備を進めてきました。急務となっていたのは、営業部門やメンテナンススタッフの残業時間削減です。作業効率を向上させ残業時間を削減するため、テレワークの導入に踏み切りました。
当初は営業部門とメンテナンススタッフにテレワーク導入を限定して、効果を検証していました。同社では、仮想デスクトップ(VDI)を導入。以前は、営業回りやメンテナンス業務を行った後に会社に戻って営業報告書・メンテナンス報告書を作成していましたが、仮想デスクトップ(VDI)導入後は、外出先や自宅で報告書作成を行うことで、残業時間の削減、営業効率のアップに成功しました。
さらに現在では、育児や介護を行うスタッフにもテレワークを展開し、柔軟な勤務態勢を推進しています。テレワークの取り組みは社員からも好評であり、今後はほかの部門にも展開を行う見込みです。

中堅IT企業B社の場合

IT企業であるB社は採用難や人材不足に直面していました。営業スタッフやエンジニアに負荷が集中する問題が起きており、離職なども懸念されていました。これらを解決するため導入されたのが、仮想デスクトップ(VDI)によるテレワークです。
テレワークの導入後、営業スタッフは外回り後の出社が必要なくなり、社外や自宅でのレポート作成が可能になりました。エンジニアは作業内容に応じて任意に集中できる作業環境を選べるようになりました。ほかのスタッフとのコミュニケーションが必要なときはオフィスで業務を行い、作業に集中したときは自宅で作業を行うなど、メリハリのある業務が行えるようになりました。その結果、効率的に時間を利用できるようになり残業時間が削減されたほか、業務クオリティの向上も見られています。
さらに、柔軟な働き方への対応を訴求することで求人への応募も増加してきています。これにより、大きな経営課題となっていた採用難や人材不足も改善されてきているようです。(※3)

※3 株式会社リクルート「新型コロナウイルス禍での仕事に関するアンケート」
https://www.recruit.co.jp/newsroom/recruitcareer/news/20200909_01wth5k.pdf

まとめ

テレワーク導入に成功すれば、業務効率化だけでなく従業員満足度向上も図れるため企業と社員の双方に恩恵があります。テレワーク導入を成功させるためには、オフィス外での作業により進捗に悪影響を出さないための制度づくりや、スムーズに業務を進めるためのPC環境が必要です。テレワーク導入を検討されている場合には、まずは適切な制度と仮想デスクトップ(VDI)、仮想オフィスのようなICTツールを検討してください。

なお、NTTコムウェアでは自社のセキュリティ状況やテレワーク環境、コミュニケーション環境を簡単に把握できる「STC診断」をオンラインで無料公開しています。よろしければ、以下よりお試しください。

STC診断

よくある質問

テレワークの定義とは何ですか

働く場所をオフィスに限定せず、シチュエーションに応じて自由に働く場所を変える仕組みを意味しています。具体的には「在宅勤務」「サテライトオフィス勤務」「モバイルワーク」を指し、生産性向上や育児・介護を両立できる環境づくりを実現する「働き方改革」において重要な取り組みとされています。

テレワークの推進に必要なICTツールとは

ネットワークや個人の端末を利用して仕事する上で欠かせないセキュリティツール。出勤・退勤を管理する勤務管理ツール。そして物理的に離れている社員同士を結びづけるためのWeb会議システムや仮想オフィスなどのコミュニケーションツールが必要です。

営業職のテレワークを成功に導くコツは

外回りの営業職にとって日報の作成や資料確認のために出社する時間を節約するだけでも生産性は向上します。さらに製造業やIT業界などエンジニアが不可欠な業種ではクライアントとの商談にエンジニアがWebで参加することで要件を持ち帰って検討することがなくなり、大幅な効率アップが期待できます。