エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:栗島 聡、以下 NTTコムウェア)は、画像認識AI「Deeptector®」を活用し、電力会社の設備点検業務の自動化・効率化を支えるサービスとして、「Deeptector®<営巣検知サービス>」(以下、「営巣検知サービス」)を4月8日より提供開始しました。「営巣検知サービス」は配電設備上のカラスの営巣(※1)を発見し、撤去を行う営巣巡視業務を効率化するサービスです。
(※1)営巣とは:カラスなどの動物が巣を作る事。カラスは春先に配電設備上などの高い場所に、毎年巣作りを行うが、その営巣には樹枝などのほかにハンガーなどの金属製の材料が使われることがあり、高圧線に接触した場合には停電を引き起こす可能性がある。

 電力会社では電力の安全・安定した供給のため、予防保全を目的とした設備点検業務を日々実施しています。特に春先に増加するカラスの営巣は、高圧線に接触した場合、停電を引き起こす可能性があるため、巣の早期発見および撤去が求められます。そのためには定期的な巡視が必要となりますが、カラスの巣は、撤去した後も繰り返し作られるため、その巡視業務に多くの労力を要することが課題となっています。2018年より、NTTコムウェアと四国電力送配電株式会社(本社:香川県高松市、取締役社長:横井 郁夫、以下 四国電力送配電)は、画像認識AI「Deeptector」を使った営巣の自動検知・判定技術の実証実験を行ってきました。その結果を踏まえ、NTTコムウェアは、AI技術によるリアルタイム検知を可能とする営巣自動検知・判定システムを開発し、四国電力送配電は、2021年3月に本システムを導入しました。この度、NTTコムウェアはこの営巣自動検知・判定の仕組みをサービス化し、2021年4月8日より「営巣検知サービス」として提供開始します。

 「営巣検知サービス」は、自動車やバイクに搭載したカメラにより、走行しながら電柱等の配電設備を撮影し、取得した画像を「Deeptector」が画像分析することで、営巣検知から判定結果の可視化を瞬時に行い、撤去指示者へメール通知を行うものです。リアルタイムに営巣検知することで、営巣検知から撤去作業までの時間を短縮します。一般的に、営巣検知は車両から営巣の有無を確認するため、従来は営巣を目視確認する2名の巡視体制が必要でしたが、「営巣検知サービス」を導入することで、運転手のみの1名体制での対応が可能となり、さらに、詳細確認のための車両停止の頻度を軽減でき、労力削減を実現します。「営巣検知サービス」は、短時間で広範囲の巡視が期待でき、迅速かつ効率的な営巣撤去に貢献します。

 今後、鉄道等の車両にカメラを搭載することで、営巣巡視業務の適用領域を拡大できる可能性があります。さらに、鉄柱などのさまざまなインフラ維持管理業務にも活用が可能であり、多様な業界の業務効率化を加速させることが期待できます。

 NTTコムウェアの画像認識AI「Deeptector」は、道路の不具合検知、製造業の外観検査、ヘルスケアなどさまざまな業界で利用されていますが、この度「営巣検知サービス」の提供により、電力業界にも導入範囲を拡大します。今後も、AIサービスのさらなる拡充によるAIの利用促進を図り、企業のデジタルトランスフォーメーションの推進に貢献するとともに、データとAIを活用することで、都市における社会的な課題の解決を支援し、スマートシティの実現をめざします。

※「Deeptector」はNTTコムウェア株式会社の登録商標です。
※その他、記載されている会社名、製品名、サービス名は、各社の商標または登録商標です。



<別紙>


「Deeptector®<営巣検知サービス>」の概要


1.概要


 電力会社や通信会社などの配電設備や電柱などの多くのインフラ設備を維持・管理されている企業では、インフラ設備上のカラスの営巣により、さまざまな被害が発生しており、迅速かつ効率的な撤去が課題となっています。そこで、NTTコムウェアでは、現在提供中の画像認識AI「Deeptector®」を活用し、インフラの巡視作業者が撮影したインフラ設備の動画や画像をもとに、営巣の有無を自動的に検知・判定し、作業者にリアルタイムに結果を通知することが可能な「Deeptector®<営巣検知サービス>」(以下、「営巣検知サービス」)の提供を開始しました。営巣の検知については、撮影動画を事務所へ持ち帰り一括で判定する一括判定機能に加えて、リアルタイムに撮影動画から営巣有無を判定するリアルタイム検知機能も提供します。これにより、巡視作業者の労力削減を実現するとともに、営巣の早期発見・撤去にも貢献することが可能です。

図1. サービスイメージ

図1. サービスイメージ


2.特長


(1)リアルタイム検知・判定機能


 「営巣検知サービス」では、対象となる動画や画像からリアルタイムに営巣を検知することが可能です。これにより、即時に巡視作業者に気づきを与えるとともに、事務所側にメールにて判定結果を通知することで、営巣撤去までのリードタイムを短縮化します。この検知・判定機能の開発については、2018年より四国電力送配電と一緒に実証実験を繰り返し実施してきたことで、営巣巡視業務に導入しやすい形での機能提供を実現しました。

(2)地図情報と連携した判定結果の可視化対応


 営巣判定した情報はメールにて撤去指示者に通知されますが、通知される判定結果と位置情報も 共有しますので、地図にマッピングして営巣を把握することができます。そのため、撤去作業を迅速に手配することが可能となります。

図2. メール内容イメージ

図2. メール内容イメージ


3.利用イメージ


 車載カメラ画像にて営巣判定したイメージは下記の通りです。下図、色枠内の対象が営巣と検知しています。


図3. 営巣検知イメージ

図3. 営巣検知イメージ


4.料金


 別途お問い合わせください。

5.提供開始日


 2021年4月8日(木)

6.商品ホームページ


 https://sc.nttcom.co.jp/ai/deeptector/





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