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レガシーなITシステムを再生するマイグレーション戦略
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ITシステムにおける「レガシー」とは、前時代的なシステムのことを指し、汎用性や拡張性に課題があることが少なくありません。その一方で、長きにわたって使い続けてきたレガシーシステムには、企業が蓄積してきたノウハウが凝縮されており、簡単に手放せない側面もあります。「レガシー」問題をスムーズに解決し、IoT、インダストリー4.0、フィンテック、人工知能(AI)といった新しいテクノロジーの現代のシステムといかに整合させるか。今、経営戦略が問われています。

レガシーシステムにはどのようものがあるか?

「レガシーシステム」「レガシー資産」というと、どのようなシステムを思い浮かべるでしょうか。代表的なものとしては、メインフレームと呼ばれるバッチシステムやタイムシェアシステムに特化した大型コンピューター、そして、事務用ソフトウェアの開発言語としてスタンダードだったCOBOLのアプリケーションが挙げられます。オフコン・ミニコンといった古いハードウェアで構成されたシステムもその部類に入るでしょう。

ディスクイメージ

これらのシステムでは、OSの設計が古いため、インターネットに接続できないケースがあることはもちろん、ハードウェアやデータに互換性がなく、近年の汎用的なサーバーやパソコンと接続が困難なこともしばしばあります。さらに、記憶メディアが、古い仕様のテープやディスクカートリッジであるばかりか、そもそも文字コードさえASCIIやUnicode(ユニコード)でないことも珍しくはありません。またハードウェア、ソフトウェアのいずれも老朽化が進み、稼働を維持するためのメンテナンス費用が高額になるなど、さまざまな問題を引き起こしているケースもあるでしょう。

レガシーシステムは業務には欠かせない存在でありながら、経営の足枷になってしまう一面を持っています。この問題は最近になって顕在化したものではありません。インターネットの発展とワークステーション、IAサーバーの普及にともない、Webをベースとしたオープンアーキテクチャー、オープンシステムが一般的になった10年以上前から指摘されている問題です。

近年、クラウドやモバイルデバイスが企業活動に浸透するなど、ITやネットワークの発展は目覚しく、ビジネスには従来以上にスピードや柔軟性が求められています。そのため、再びレガシーシステムの動向に注目が集まっているのです。

レガシーシステムをあえて使い続ける意味

レガシーシステムは、システムを一からプログラミングして作り上げる、いわゆる「フルスクラッチ」で構築されたものがほとんどです。企業や部門ごとの業務フロー、商材やサービスの特性にあわせて、効率的に業務が進むように構築されるなど、レガシーシステムには企業のさまざまなノウハウが凝縮されています。

そのノウハウが同業他社との競争において有利に働いている限り、レガシーシステムを使い続けたいと考える企業は少なからず存在するでしょう。仮に新しいパッケージやソリューションに乗り換えた場合、競合企業も同じ製品を使っていたらそこに優位性を失い、差別化を図ることが難しくなる可能性があるからです。

つまり、現在もレガシーシステムに依存する企業は、「変えられないから、仕方なく使っている」とは限らず、「あえて使っている」場合があるのです。なかには社内にCOBOLのエンジニアを抱えて、社会状況やビジネスの変化に合わせて、今も改善を加えながら運用している企業も存在します。

その一方で消極的な理由でレガシー資産を残してきた企業もあるでしょう。例えばコストの問題。ある業務に特化した複雑なレガシーシステムを作り直すことは容易ではなく、思った以上に開発コストがかさむ可能性があるということです。たとえ部分的なリプレースを行うとしても、全体に及ぼす影響を予測することは困難であり、システムの数が多ければそれだけ改修コストは膨らむ恐れがあります。

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