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レガシーシステムのリスクを意識し、対策の検討へ

レガシーシステムにこだわり、消極的に使わざるを得ない場合も、システムの老朽化による影響が必ずあります。実際、前世代のIT資産を使い続けることのデメリットやリスクはどこにあるのでしょうか。

優先して検討すべきは「コスト」です。当時としては合理化にひと役買ったシステムかもしれませんが、10年、20年が経過した現在、必ずしも同様の効果を生んでいるとは限りません。むしろ無駄を生んでいる可能性もあります。新しいシステムであれば、業務の効率化が実現可能かもしれません。

古いハードウェア

さらにメンテナンスや運用の要員確保に加え、ハードウェア本体や周辺機器が、メーカーの保証期間を過ぎてしまえば、さらに維持・管理コストが上昇します。当然、メンテナンスコストは割高になるでしょうし、メーカーで製造が終了した補修部品、消耗品を自前で確保、管理する必要が出てくるかもしれません。

関連して、環境基準やコンプライアンス、製品関連の規制によって法的に適合しなくなる(違法状態となる)こともあります。レガシー資産は社会の理解を得られない、といった問題も考えられるのです。

くわえてサイバー攻撃の脅威が年々高まっています。ITシステムの場合、セキュリティーの問題を常に検討しておかなければなりません。レガシーシステムは、脆弱性の存在に気が付いていなかったり、脆弱性を把握していても、メンテナンスそのものが難しく、そのまま放置されてしまう恐れもあります。

メインフレームなどインターネットに直接接続できないものや、フォーマットやOSが特殊である場合、不特定多数を狙ったマルウェアの脅威にさらされるリスクはそれほど大きくないでしょう。

しかしながら、レガシーシステムに有益な情報が保存されており、それを窃取することで大きな利益を得ることができたり、システムの破壊など、脅迫の道具に使えると分かれば、サイバー犯罪者から執拗な攻撃を受けるリスクもあります。そのため脆弱性を放置することはできません。たとえインターネットに直接接続されていないシステムであっても、組織内部の端末が踏み台にされたり、記録メディア経由で攻撃が行われたりすることもあるのです。

脅威が拡大する今日、マイグレーションはレガシーシステムの機能を移行すれば済む問題ではなく、企業の情報資産を守るため、セキュリティーの確保も視野に入れて対策を検討しなくてはなりません。

マイグレーションの選択肢--リライト、リプレース、リホスト、リビルド

レガシーシステムのリスクを意識し、その上で使い続けることを選択した場合、レガシー資産活用の選択肢はいくつかあります。例えば、メインフレームなどのレガシーシステムを、WindowsやUNIX、クラウドなどのオープン環境に移行すること等を指す「マイグレーション」もその一つです。マイグレーションを含む、レガシーシステムの対処方法を整理してみましょう。

ソフトウェアを最近の言語で書き換える(リライト)

COBOLなど開発言語で作成された既存のソフトウェアを、Javaや.NETなどの新しい開発言語で書き直す手法です。新しいOSへの対応、システムの効率アップ、セキュリティーの向上などが期待できます。これは、ユーザビリティーの変化など影響も小さく済むメリットがある一方、新しいビジネスモデルやプラットフォームとの連携などを行うことはできません。改修コストが発生するものの、収益構造に大きな改善をもたらすとはいいにくいでしょう。

既存パッケージ製品への置き換える(リプレース)

リプレースは、独自開発したレガシーシステムを、既存で同様の機能を持つパッケージやソリューションなどに置き換えるものです。パッケージを用いる分、スピード感を持ってシステムを移行できます。一方で同じ製品を利用する競合他社との差別化ができなくなる恐れもあります。

リプレースを円滑に進めるには、自社のビジネスに則したパッケージを選定することがポイントとなります。もし、パッケージに用意されていない機能を利用したければ、カスタマイズが必須です。しかし大幅なカスタマイズが必要となれば、コストが上昇し、導入までの期間が長くなるため注意が必要です。

オープンなプラットフォームでシステムを動かす(リホスト)

メインフレーム上で動いていたソフトウェアを、Windowsサーバー、UNIXサーバー、クラウドなどのオープンなプラットフォーム上で動かす手法です。特に「レガシーシステムが企業の競争力となっているため、乗り換えに躊躇していた」という企業には有効な解決策といえます。

さらにオープンなプラットフォームに移行することで、クラウドサービスなどとの連携も可能になるなどのメリットも少なくはありません。リホストのためのソリューションを使えば、比較的短期間で移行が可能になります。

システム全体の再構築する(リビルド)

レガシー資産のあらゆる問題を解決する手段として、すべて一から作り直すという「リビルド」の選択肢は、コストさえ気にしなければ理想的といえるでしょう。業務システム全体を見直し、新しい市場、ビジネスに適合しやすいようなシステムを作り直すためです。

メインフレームからサーバークライアントシステムへと中途半端に置き換えるのではなく、クラウド、IoT、モバイルを前提とした業務システムを再設計します。

とはいえ、リビルドを選択する場合は、設計や開発の工数は多くなり、初期投資も大きくなります。新たなシステムがもたらす投資効果を見極めなければなりません。

レガシーシステムにおいて企業競争力にプラスとして働いていた点、マイナスとなっていた点をリストアップし、将来に向けた企業ビジョンを踏まえて目的を明確にした上でリビルドを進めます。あいまいに進めると、「レガシーシステムのほうがよかった」ともなりかねません。

このようにマイグレーションと言ってもさまざまな選択肢があります。これから先のビジネス展望や企業ビジョン、新しいビジネスモデルなど経営的な視点を踏まえ、業務システム全体のライフサイクルを検討した上で、戦略的なマイグレーション手法を選択する必要があります。

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