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スタイルを貫くことでブランドを強化

1978年、“世界特写シリーズ”がスタート。第1弾は熱帯アジア編で、その後、中南米編やヒマラヤ・アフリカ編(写真)などに続く

1978年、“世界特写シリーズ”がスタート。第1弾は熱帯アジア編で、その後、中南米編やヒマラヤ・アフリカ編(写真)などに続く

百科事典に収録されたカラー写真が表紙を飾る「ジャポニカ学習帳」が、イラスト表紙が主流だった学習帳の流れを変えた。類似品の登場はヒット商品の宿命だが、多くの学習帳の表紙が写真になった。そこで、さらなる差別化を図るため、1978(昭和53)年“世界特写シリーズ”をスタートさせる。
別の用途で撮影された写真を流用するのではなく、世界各地に取材班を派遣し、「ジャポニカ学習帳」の表紙のためだけにオリジナル写真を撮り下ろす。子どもたちに自然を愛する心を育んでもらいたいという願いから、昆虫植物写真家の山口進氏を起用。以来、38年間、「ジャポニカ学習帳」の表紙を飾る貴重な写真は山口氏によるものだ。

ノートの最初と最後に収録される学習百科。子どもたちの学びのきっかけになるよう、小学館との共同でていねいに編集される

ノートの最初と最後に収録される学習百科。子どもたちの学びのきっかけになるよう、小学館との共同でていねいに編集される

世界に1枚しかないオリジナル写真を表紙に使い、中面には小学館との共同編集による学習百科を収録する。表紙のロゴや色などディテールの改良はあるものの、“世界特写シリーズ”スタート時に確立した「ジャポニカ学習帳」の根幹となるスタイルは、現在に至るまで変わらない。他のメーカーがリニューアルを図るなか、スタイルを変えないことに迷いがなかったわけではない。だが、その度、「学習帳は子どもたちが初めて触れる学びの場になり得る。だからこそ、子どもたちの興味・関心のきっかけをノート1冊に閉じ込める」という原点に立ち返ることを忘れなかった。その1点を大切にしてきた結果が、「ジャポニカ学習帳」というブランドをより強固なものにしたのだった。

裏表紙は学習図鑑になっていて、山口進先生自らによる表紙写真の解説などが収録される

裏表紙は学習図鑑になっていて、山口進先生自らによる表紙写真の解説などが収録される

そんななか、ある転機が訪れる。2012年、「ジャポニカ学習帳」の表紙からカブトムシやチョウなど、昆虫の写真が消えたのだ。昆虫好きな子どもがいる一方で苦手な子もいるということはもともと分かってはいたが、昆虫写真の表紙に対するネガティブな声が聞かれるようになった。さらに2000年に入った頃、「ジャポニカ学習帳」は新たな販売ルートができつつあり、独自の試みを始めていた。新学期が始まるタイミングで学校の先生から注文を受けて、国語、算数、理科、社会といったノートを「◯◯小学校◯年◯組◯◯先生セット」として届けるサービスだ。その際に優先されるのはあくまでマス目や行数といったノートの使用目的だが、昆虫が苦手な生徒の気持ちを考え、先生たちが昆虫表紙の学習帳を避けるのを懸念したのだ。少子化の影響で学用品市場が縮小するなか、新たな販路を逃すわけにはいかず、昆虫の表紙をやめる決断に至った。

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