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賢いはたらき方のススメ
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個性的な“声”とその声からも溢れる“親しみやすい人柄”で多くのリスナーにメッセージを送り届けるラジオDJの秀島史香さん。目に見えないリスナーとの「いい空気」づくりの経験が原点という。その仕事ぶりは天職を感じさせるが、実は失敗を繰り返し工夫を凝らしてきた成果だ。人柄とも重なる秀島さんの誠実なはたらき方と高いプロ意識は、ビジネスパーソンも共通課題であり、ユーザとの「いい空気づくり」の参考としたい。

仕事にも、自分にも、嘘をつかずその場だけきれいにまとめようとしない

―秀島さんは、今やラジオDJに留まらず、テレビ番組やCMのナレーション、絵本の朗読にコラムや書籍の執筆でもご活躍中です。何事にも精力的に取り組まれる秀島さんの、働き方の流儀をお聞かせいただけますか。

ラジオDJは憧れの職業でしたから、好きなことを生業としている幸せを日々かみしめています。仕事をするにあたって大切にしてきたのは、嘘をつかないこと。それさえブレなければ、最終的にはどこかに行き着けるんじゃないかと思いながら、これまでやってきました。
嘘をつかないというのは、発する言葉にも自分自身に対しても、誠実であるという意味です。嘘は、声に出てしまうんです。「とりあえずこの場をまとめてしまえ」とうまく乗り切ったつもりでも、聴く人にはそんな思惑まで伝わってしまう。あるいは、どこかで聞いた借り物の言葉を、さも自分が思いついたようにしゃべったとしても、声のトーンやニュアンスに表れるんです。若い頃は「きれいにまとめよう」という思いが強かったので、言葉が上すべりしたり、何か不純物が混ざったような言葉に聞こえることも多々あったでしょうね。理想のDJ像に自分を近づけようと躍起になって、リスナーではなく自分にばかり意識が向いていた気がしています。

―リスナーからすると、生放送の番組で共演者との会話に臨機応変に対応している様子など「あ、秀島さん、今、踏ん張っている!」と、好感を持つことも多いと思います。声を聴いているだけでスタジオの様子が見えてくるものです。

秀島史香さん

生放送というのは、ただ流れに任せていても時間がくれば必ず終わるものです。だからこそ、やれることは全部やってから帰ろうと思っていました。それは今でも同じです。自分のしたことを喜んでくれる人がいて、その対価をいただくのがプロ。だったら、しゃべることで何かを残したい。声には形がありませんし、言葉も出ては消えていくものですが「聞いた人の耳にひとことでもいいから何かを残そう!」という意気込みで毎日スタジオに入っていました。そこで、どうしたらいいのかと考え抜いて、まじりけのない自分の本当の言葉じゃないとダメなんだと気づいたんです。
本心とかけ離れたことをしゃべったら、結局、一番気分が悪いのは自分です。そういうことを重ねていると、つじつま合わせが目的になって仕事の本質からどんどん離れてしまうのです。

―ご著書では、「リスナーの気持ちが少しでも軽くなるように」とありました。そのために、話し方など、工夫されたことはありますか?

「雨が降っている」という話題一つにしても、単に「憂鬱ですね」ではなく、突然の雨での失敗談を織り交ぜるなど、リスナーが「ある、ある」「わかる」と共感できるように、と考えてきました。ラジオの番組は、リスナーと一緒につくるのですから、自分の気持ちだけが先走ってはダメなのです。過去に担当した番組を、今でも「聴いてました」と言って下さる方がいて、覚えていただいているのは何かを残せたからかなと思うと、すごくうれしいですね。

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