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コミュニケーション上達の秘訣は「幼稚な期待」をしないこと

―メモの習慣は仕事と育児を両立されている現在こそ、有効活用されているのでは?

そうですね。メモを書くことで何をして、何をしなくていいかが見えてきます。子どもが生まれてからは、以前のペースで生活をしようとすると時間が全く足りませんから、優先順位をつけるために「やらなくてもいいことリスト」を作りました。毎日の雑巾がけはもういいや、自動掃除機に任せようとか(笑)。アイロンがけ不要の洋服をそろえたり、美容室は予約せず飛び込みで入れるところを行きつけにしたり。
仕事をするときも、ウォーミングアップに小さな事務作業から始めて…などとやっている時間はないので、最もやっつけるべき大変な仕事から取りかかるようになりました。

―生活ペースの変化によって、ご主人や仕事仲間とすれ違いが生じたことはありませんか?

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自分のものさしを他人に当てはめないように意識しています。自分の価値観だけでは、相手の事情や心情は、測れませんから。特に職場では思わぬ衝突を避けるためにも、事実だけを口にするようにしています。
家庭内の風通しをよくするために心がけているのは、どうしてほしいのか、ちゃんと言葉にして伝えること。特に、育児が始まると夫婦で協力することが不可欠ですが、家事のやり方などは、それぞれ手順や許容範囲が違うので、何がOKで何がNGか、すり合わせが必要ですね。多少のずれはあるにしても、お互いちゃんと口に出して確認しておかないと、そのうちしんどくなります。家族といえども、チームとして目指すゴールをどこにするかという方針は共有しておきたいですよね。

―自分のものさしだけで測らず、言葉を尽くした意思疎通を心がけるというのは、ビジネスの現場でもチームワークを構築するうえで大切ですね。

そう、思います。「察する」ことを相手にも自分にも課してしまうと、余計な誤解もストレスも生まれてしまいます。せっかく言葉という道具があるのだから、サボらずちゃんと使えば分かり合える確率も高くなります。ただ、相手との距離のとり方には敏感でありたいですね。踏み込んでいい距離は人それぞれですから、押し付けになってしまわないよう相手の姿勢も尊重するようにしています。

―コミュニケーションをキャッチボールに例えると、「ボールをこうやって投げたらキャッチしやすいだろう」というふうに、相手も自分と同じスタンスだと考えがちですよね。

そうですね。こちらが愛想よくあいさつしているのに、素っ気ない態度をとられるのはどうしてだろう?と気にしたこともありますが、「愛想よくしていれば相手は心地よいはず」と考えてしまうのも、幼稚な期待ではないでしょうか。大人としてのコミュニケーションのマナーは、「自分の価値観を振りかざさないこと」だと思います。

取材後記

お話を伺っているうちに、秀島さんが、客観的に物事を見て、独りよがりにならないように、相手の受け止め方を想像しようと心がけていることに気付いた。声だけでメッセージを伝えるというラジオDJの仕事は、リスナーの想像力をかき立てるだけでなく、話し手自身も想像力が鍛えられるのかもしれない。と同時に左右されすぎないための踏ん張りも必要だ。想像力と踏ん張り、これを備えて「いい空気」をつくるには、「嘘をつかない」「型にはめない」「幼稚な期待をしない」のである。

プロフィール

秀島史香(ひでしま・ふみか)
神奈川県茅ヶ崎市出身。慶応義塾大学法学部政治学科卒業。現在FMヨコハマ『SHONAN by the Sea』、JFN全国ネット『Pleaseテルミ―!マニアックさん。いらっしゃ~い!』(吉田照美氏と共演)、NHK Eテレ『あしたも晴れ!人生レシピ』などに出演中。TVやCMのナレーション、絵本の読み聞かせ、通訳や字幕翻訳、コラムや音楽レビューといった執筆活動などで活躍中。2016年から1年間ベルギーに滞在後、2017年春に帰国。初著書『いい空気を一瞬でつくる誰とでも会話がはずむ42の法則』(朝日新聞出版)が即重版、Amazonの社会一般関連書籍ランキングでベストセラー1位を記録。

秀島史香のブログ Fumika Hideshima http://hideshima.blog.so-net.ne.jp/
ツイッター @tsubuyakifumika
インスタグラム @hideshimafumika
著書『いい空気を一瞬でつくる誰とでも会話がはずむ42の法則』

2018/1/30

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