2024年6月21日・22日の2日間、Scrum Fest Osaka 2024が開催されました。NTTコムウェアの⽵内初恵、藤⽥瑞希、⼤塚理紗⼦の3名が登壇し、「アジャイル開発が実践できる⼈材」を増やすための育成施策の概要と、育成施策への参加を通して飛躍的な成長を遂げた2名のケースと実績を紹介。自身の経験で得た学びや気づき、そして、アジャイルへの熱い想いを語りました。
- ベテラン社員代表!はっちゃんからアジャイル育成施策紹介
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⽵内初恵(はっちゃん)
NTT IT戦略事業本部 Digital Design & Development Center DevOps担当
スペシャリスト - 中堅社員代表!みーちゃん成長物語
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藤⽥瑞希(みーちゃん)
地域事業本部 東海⽀店BS部門 第⼆開発担当
スペシャリスト - 新入社員代表!りさこちゃん成長物語
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⼤塚理紗⼦(りさこちゃん)
地域事業本部 東海⽀店BS部門 第⼆開発担当
ベテラン社員代表!はっちゃんからアジャイル育成施策紹介
⽵内初恵(はっちゃん) ベテラン社員として「アジャイル育成施策」を推進
NTTコムウェアはドコモグループとして再編され、「ソフトウェア開発力」の貢献が求められる立場となったことを契機に、商用案件で活躍できる「アジャイル開発が実践できる⼈材」を増やす育成施策を立ち上げました。
1期が3か月という育成を、これまでに11期実施しました。施策の重視ポイントは「実案件で活躍可能になるスキルと実践マインドの醸成」です。
施策では、受講生はScrum Teamの開発者(Dev)として参加します。事務局はTech Lead(TL)とコーチ、運営のサポートなどを担当しますが、状況によってProduct Owner(PO)、Scrum Master(SM)を担うこともあります。
本施策の特徴の1つめは、実際に当社の社員が職場で使うプロダクトを開発することで単なる研修ではなく、「実践」に近い場の創出を心がけていることです。より商用に近い環境となるように、プロダクトを職場にリリースし、ユーザーからのフィードバックを受け、仮説検証のプロセスも実施しています。
特徴の2つめは、Scrum TeamのサポートにTLとコーチを配置して柔軟に対応することで、Scrum Teamの立ち上げ・自走を促していることです。例えば受講生が新入社員であれば、最初はSMのように振る舞い、自走できるようになれば距離を置きます。また、受講生が経験のある中堅社員であればイベントでのフィードバックのみを実施するなど、チームが自律的に活動できることを促す役割を果たしています。
そして、育成の節目では、自己評価でスキルチェックシートを作成します。これによってスキルの可視化を行い、コーチと行う目標設定などに役立てています。
特徴の3つめは、事務局そのものの運営がアジャイルになっていることです。育成施策の卒業生を含む、アジャイルの精神を良く理解しているメンバが事務局の運営に携わり、受講生と一緒に毎期の振り返りと改善を積み重ねるという、まさにアジャイルな運営を実践しています。
振り返りのなかで改善してきたことの一例が「オフライン集合」です。育成施策は基本的にオンラインでの取り組みで、受講者は全国各地から参加しています。開発活動開始の初期には、チームビルディングをより早期に、そして効果的に行うため、リアルで一か所に集まり、対面でインセプションデッキなどを実施するようにしています。これはもともと受講生からの発案で始まったことで、いまでは必須となっています。
事務局の関わり方で留意しているのは、単に育成施策の運営をするのではなく、Scrum Teamと一体となって、事務局のメンバも成長できるように取り組むことです。3か月という長期の育成期間を要するため、人を送り出す上長や職場には多大な協力と覚悟が不可欠であり、その気持ちに応えるために、事務局としてできることをやり抜き、1つでも多くの学びを得てほしいという考えです。
これまでの活動では、受講生から「成長の手応えを実感した」、上長からは「見違えるように成長した」という声をもらっています。特に受け身ではなく自律的に動けるようになったということに高い評価を得ています。
黄金パターンが生まれた
いまではNTTコムウェアの全国の支店から多くの参加者が集まる育成施策ですが、そのなかで、メンバが飛躍的に成長するケースが見受けられるようになりました。これを「黄金パターン」と呼んでいます。黄金パターンは2つあります。
1)開発経験のある中堅社員が飛躍
開発経験のある中堅社員がメンバとして事務局に参画し、コーチとしてチームを教えることで、飛躍的に成長したケースです。 1期目でSMとしてアジャイルをゼロから学び、チームを牽引した人材が、2期目以降にPOやコーチとしてメンバを指導しながら自身もステップアップするケースで、それは事務局運営の変革にもつながりました。
2)まったく未経験の新入社員が急激に大きな成長を遂げる
1期目は開発も実践経験もない新人として参加し、2期目でアジャイル開発のリーダーとしてチームを牽引しながら、自身もステップアップし、自律的な人材となったケースです。
ここからは2名の成長した人材が実感したことを中心に紹介します。
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