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もはや単なるゲームではない!eスポーツが切り開くテクノロジーの新境地
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ICTは、産業を発展させ、人々の「働き方」や「暮らし方」を大きく変えてきました。そして、今、ICTが生み出した「新しいスポーツ=エレクトロニック・スポーツ(以下、eスポーツ)」が注目されています。スポーツ、ゲーム、そしてテクノロジーの世界に大きな変革をもたらすと見られているのがeスポーツです。

国際的なスポーツ競技大会で「正式種目」に採用されたeスポーツ

「eスポーツ」とは、個人戦またはチーム戦で争われるコンピューターゲームをスポーツ競技として扱うときの呼称です。「コンピューターゲームがスポーツになるのか?」と、疑問を感じるかもしれません。特に「スポーツ」という言葉に体育のイメージが強い日本では、座ってプレーするコンピューターゲームをスポーツと呼ぶのには違和感を覚える人もいるでしょう。ただ、本来のスポーツという言葉には「楽しみ、競技、娯楽」という意味があります。

走ったり、ジャンプしたりといった身体の運動量は多くはない、例えばモータースポーツ、ビリヤードやダーツ、射撃などもスポーツとして認識されてきましたし、テーブルゲームのチェスもマインドスポーツといわれています。スポーツとして必要な要素は、身体的な運動のみならず、集中力や戦略性によって勝ち負けを競い、それを楽しむ精神にあるともいえるでしょう。

2018年8月にインドネシア・ジャカルタで開催されるアジア競技大会(アジア大会)で、eスポーツは公開競技として実施されます。さらに4年後に中国・杭州で開かれるアジア大会では、正式なメダル競技となることが決まっています。つまり、陸上や水泳、サッカーなどと同じように「スポーツ競技」として扱われるのが世界的な潮流なのです。

賞金総額20億円以上! 世界で開催されるeスポーツ大会

世界規模で見たeスポーツの成長スピードは急激で、市場規模も拡大し続けています。世界的なeスポーツの競技大会では、「優勝賞金1億円・賞金総額3億円」といった大会も珍しくなく、中には「優勝賞金10億円以上・賞金総額20億円以上」という大会があるほどです。

eスポーツのタイトルにはインターネットゲームが多いこともあり、インターネットメディアが中心となって情報発信を行っています。ゲームのストリーミング配信を行っている「Twitch」は、すでに2015年の時点で1カ月あたり1億人の視聴者がいると発表しています。つまり、「毎月1億人以上を動員するスポーツ」ともいえるのです。

競技人口も億の単位をはるかに超え、さらに急成長を遂げています。そうなるとマーケットも黙っていません。周辺の産業への投資が急拡大しています。大会にはもちろん、選手個人にも、ゲームメーカー、PCメーカー、IT企業、飲料会社といったスポンサー企業がついています。

既存の「リアル」スポーツ業界も、このマーケットを新しい収益源の1つとして着目しています。全米プロバスケットボールのNBAは、eスポーツリーグの運営に乗り出しました。これは人気ゲームタイトル「NBA 2Kシリーズ」を使って、NBA同様のリーグ戦とプレーオフを行うというもの。今後はNBA以外の他のスポーツビジネスも、eスポーツに参入することが予想されます。

アメリカの大学では、優れたeスポーツの選手を学費免除の条件で勧誘するスカウト合戦が激化しています。また中国では中国国家体育総局が正式スポーツ種目として採用し、国を挙げての強化に乗り出しました。韓国・釜山には世界46の国と地域が加盟する国際eスポーツ連盟の本拠が置かれ、「eスポーツ大国」といわれています。早くからパソコンとインターネットを気軽に使える環境が整っていたため、パソコンで動作するゲームのプレーヤーが非常に多いのがその理由です。ヨーロッパ諸国でも同様の現象が見られています。

図1:eスポーツをめぐるプレーヤー

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日本でも始まったeスポーツへの取り組み

他国に比べると日本国内での注目度はやや低いようです。それでも、国際的な大会に備えていく必要性から、2018年には日本eスポーツ連合、日本eスポーツリーグ協会といった団体が設立されました。しかし、日本でのeスポーツを「eスポーツ先進国」と同様に成長させるためには、法律面の整備や、行政によるバックアップが必要となるため、今後はこうした団体の活動が重要になるでしょう。

2018年春、Jリーグもeスポーツの大会を主催しました。優勝者には世界大会への出場をスポンサードするというもので、実際に優勝者は世界大会の決勝トーナメントまで勝ち上がりました。この結果からも、日本国内のトッププレーヤーが世界でも活躍することが、今後、期待されるでしょう。

一方、大手芸能プロダクションの吉本興業も、eスポーツ事業「よしもとゲーミング」を発足させました。こちらは、現在世界大会で高額賞金のかかっているゲームを対象として、プロゲーマーとプロチームをマネジメントしようというもの。世界一をめざして賞金を狙おうという「本流」での勝負だけに、その先行きが注目されます。

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