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自治体も民間企業も取り組む「子育て支援×ICT」
自治体も民間企業も取り組む「子育て支援×ICT」

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少子高齢化が叫ばれ、政府も子育て支援に力を入れています。しかし、実際には仕事と子育ての両立を難しく感じる人たちは、まだまだ多いのではないでしょうか。一方では、保育者の業務過多など、保育の現場における課題もクローズアップされています。そんな中で、子育てと仕事の両立に取り組む世代、そして保育者や保育所の仕事を、ICTの力で支援するサービスが続々と登場しています。子育ての負担を軽減するためにICTができることを紹介します。

子育てしやすい環境整備のために活用され始めたICT

日本は、果たして「子育てのしやすい国」と言えるでしょうか。様々な意見や考え方があると思いますが、育児休暇制度の充実や、男性も育児休暇を取りやすくしようという取り組みが進んでいるのは事実です。また、出産・育児休暇から復帰しやすい職場作りも目指されています。

その一方で、仕事と子育ての両立が難しいと感じている人が多いのも事実ではないでしょうか。最近では「イクメン」という言葉があるように、子育てに積極的に父親が関わるようにもなってきました。ただし、働きながら子どもを育てるには、例えば保育所などの施設や環境の充実も大切です。そうした環境や社会の実現のために、ICTが活用され始めています。

ICTを活用した国や自治体の子育て支援

まずは、ICTを活用した取り組みの事例を紹介していきます。

例えば,埼玉県さいたま市では、市の職員が保育所に入れるかどうかを審査する業務にICTを活用しています。もちろん、市の職員の業務負荷軽減も目的ですが、本当の狙いは、審査をスムーズにして、入れなかった家族が民間の保育所を検討するなど、次の選択を素早くできるようにすることです。それによって、待機児童問題を少しでも解消できる可能性があるからです。

ユニークなのは、保育所に入れるかどうかの審査にAI(人工知能)を活用していること。具体的に紹介します。

さいたま市では、保育所の利用を許可する家庭と許可しない家庭の審査(保育所利用調整業務)に膨大な時間と労力がかかっていました。申請者の様々な希望を考慮した上で約300施設に対する、約8000人もの入所希望を調整していたために、職員30人総出でも50時間、1人でまかなうと実に約1500時間、1日8時間業務とすると「200日」もの時間が必要だったのです。

市の職員の負担が大きいだけではなく、選考が遅れることで通知も遅れ、保育所利用希望者が、他の施設を探したり、子どもを預けられたら復職しよう、あるいは再就職しようと考えていた人たちも,次の進路を決めるタイミングを逸してしまったりするかもしれません。

この保育所利用調整業務にかかる膨大な時間を解消することも、子育てしやすい環境を整備する上で重要なテーマでした。

さいたま市では、この利用調整業務へのAI活用が進められています。これまでは、延べ1500時間ほどもかかっていた利用調整ですが、保育所と入所希望とを割り当てる多種多様な市のルールを、ゲーム理論を元に学習したAIに任せると、わずか数秒で完了させることが可能となりました。これらの取り組みは東京都港区でも導入が決まり、2018年11月時点で約30の自治体で実証実験も行われています。

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述べ1500時間もかかっていた保育園への割り振りをわずか数秒で完了させられるようになった

しかも、市の職員の調整結果とAIの調整結果がほぼ一致し、申請者の優先順位や兄弟姉妹の同時申請などの様々な条件をAIが判断することで、実用可能なレベルの精度で大幅な時間短縮を実現しました。

このAIのおかげで、市の職員の負担が軽減され、さいたま市では、より根本的で効果的な子育て支援策に注力していく考えのようです。また、素早い調整のおかげで入所の可否を迅速に判断して決定通知を出せるため、「散々待った揚げ句に保育所に落ちる」といった問題も防げます。保護者は入所できなかった場合にも次の手を打つ時間が得られます。

母子のデータを活用して子育てを支援する取り組み

また、前橋市では、母子のデータを活用して妊娠や出産、子育てを支援する取り組みを行っています。データを収集し、関係各所での分析や母子への支援に活用します。

自治体が保有する乳幼児健診や予防接種に関するデータ、産科医院が保有する妊婦健診に関するデータ、お薬手帳のデータ、ウエアラブルデバイスから取得する妊婦のバイタルデータなどを収集。これらのデータは、母子支援関係者や研究機関、救急車といった関係者間で共有し、母子の状況に応じた支援や非常時における迅速かつ効果的な対処、疾病予防研究に活用され、母子の妊娠・出産から子育てまでをサポートします。

他にも、保育園の施設情報や空き情報を利用しやすい形でオープンデータ化する取り組みもあります。オープンデータが、活用されやすい形で公開されれば、子育て世帯が使いやすいサービスが、民間事業者等から生まれる可能性が高まるでしょう。例えば、札幌市では地図上に認可保育園、認可外保育園、幼稚園それぞれが別のアイコンで表示され、それぞれのアイコンをクリックすると各施設の詳細情報を確認できる、といったWebサービスが提供されています。

これらはほんの一例ですが、子育て支援のためのICT活用は盛んに実施されています。国やその他の自治体も子育てをICTで支援する取り組みを進めています。

次ページ 民間企業もICTを活用したユニークなアイデアで子育てを支援

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