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ICTが支える介護現場とバリアフリー社会
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内閣府の統計によると、総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は2017年10月時点で27.7%に達します。今や4人に1人以上は65歳以上なのですが、中でも75歳以上人口が急増し、65~74歳人口に追いつき、2018年には逆転したとみられています。高齢者の増加にともない、介護の問題も深刻の度合いが高まります。要介護の人が増える一方で、介護する世代は減少傾向に。高齢化がもたらす「老々介護」も大きな社会問題です。こうした社会的課題に対し、ICTはどのような解決策を提示できるのでしょうか。

カメラやセンサーが離れて暮らす親を見守るウエアラブルデバイスを介護現場に活用

介護の現場では、すでにICTの活用が進展しています。代表的なものには、見守りシステムやウエアラブルデバイス、パワードスーツなどがあります。
例えば、見守りシステムはもともと、外部からの侵入を検知する防犯システムとして開発されたものが、高齢者の急病や屋内での事故、徘徊などを早期発見して対処する「見守りビジネス」に応用されるようになってきました。

防犯システムはカメラやセンサーが侵入者の動きや音を検知して警報を出しますが、見守りシステムは逆に、一定時間動きがなかった場合に異変発生と判断して家族のスマートフォンや携帯電話に警告メールを送ります。近年はIoTの進展が高性能化と低コスト化をもたらし、玄関、居間、キッチンなどに複数のカメラやセンサーを設置しネットワークで一元管理できるシステムが一般住宅向けにも登場しており、専門業者によるネットワーク回線や機器の設置工事を必要としないものが多くなっています。

ただし、高齢者が倒れる確率が高い風呂やトイレは、カメラの設置に抵抗を持つ人が少なくありません。このようなプライバシーへの配慮が必要な場所では、動作を検知する人感センサーや、心拍数や脈拍を計測するバイタルセンサーの活用や、高齢者の転倒に関する膨大なデータをAI(人工知能)で分析し、転倒の予知や検知に応用するシステムなどの利用が進められています。

一方、徘徊者の捜索にもICTが活用されています。徘徊者は、認知症の高齢者数の増加とあわせて、残念ながら、増えていく可能性が高いと考えられます。徘徊は、深刻な問題です。交通事故や暴行事件に巻き込まれるリスクもさることながら、道路への急な飛び出しなど、第三者を巻き込む事故を引き起こしてしまう可能性もあります。保護責任者が、管理責任を問われることもあるのです。

徘徊する認知症患者には、自宅や介護施設から一定の距離を離れると家族や介護者のスマートフォンや携帯電話にメールが届くGPS端末を持っていてもらうのが有効です。腕時計型やリストバンド型などのウエアラブルタイプには、脈拍や体温などバイタルの計測機能や転倒を検知できるジャイロ/加速度センサー機能を備えたものもあります。

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見守りシステムでは、ウエアラブルデバイスにより、
心拍数などいつもと違う状況を検知し、スマートフォンなどに通知する仕組みもある

しかし、認知症患者の中には目に入る機器を取り外そうとする人もいますので、介護現場ではベルトの後ろ側など患者から見えないところに機器を装着するように工夫しています。最近、ウエアラブルデバイスとして注目されているのが「GPS内蔵シューズ」です。ウエアラブルや首下げタイプのGPS端末だと身につけるのを忘れたり、取り外して外出してしまう人も、靴を履き忘れることは少ないのではないでしょうか。

ただ、GPS内蔵シューズにも他のGPS端末同様、一週間程度でバッテリーの充電が必要になるという弱点があります。最近は、GPSを内蔵する代わりに消費電力の少ないBluetoothを搭載して、専用アプリを内蔵したスマートフォンや街中に設置されたセンサーを経由して位置を発信するシステムがあります。自ら位置を発信することはできませんがバッテリーは年単位で保つので、認知症対策に力を入れる自治体などで実証実験が進められています。

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