
- 在宅ワークで会議を行う時に従業員が注意すべき点は何だろう
- 在宅ワークで会議を行う時に従業員はどのような準備が必要になるのだろう
- 在宅ワークで用いるWeb会議システムの選定ポイントを知りたい
新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、在宅ワークが普及しています。在宅ワークでコミュニケーションを取る方法の1つがWeb会議です。
Web会議には、対面の会議とは異なる注意点が存在します。
本記事では、企業向けに在宅ワークで会議を行う上での注意点、従業員側に必要な準備、Web会議システム選定のポイントを紹介します。
在宅ワークで会議を行う上での注意点
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ここでは、在宅ワークで会議を行う上での注意点を以下の順に紹介します。
- Web会議システムの利用方法を周知
- 会議の運用ルール作成
- セキュリティ上のリスクについて社内教育が必要
Web会議システムの利用方法を周知
在宅ワークで会議を行う上での注意点の1つ目は、Web会議システムの利用方法を周知することです。
周知が不足していると、Web会議システムの使い方がわからず、会議に参加できない従業員が出てしまうかもしれません。
また、Web会議システムには資料共有などの機能もあります。これらの機能を使いこなせないと、従業員のストレスになる上に会議の進行に支障が出る恐れもあります。
また、どの従業員もWeb会議を主催できるようになると一層便利です。
そのため、Web会議システムの利用方法を周知して、どの従業員でも会議に参加して必要な機能を使いこなせるようにしましょう。
場合によっては、接続テストするなど丁寧な周知が必要になります。
会議の運用ルール作成
在宅ワークで会議を行う上での注意点の2つ目は、会議の運用ルール作成です。
会議の運用ルールを作っておくことで、円滑に会議を運営することが可能となります。例えば、以下のようなルールを制定しておくと良いでしょう。
・発言しない時にはマイクをオフ
他の参加者が話している時に、雑音が入ることを防ぎます。また、聞かれたくない内容を聞かれてしまいトラブルが発生することを避けるためにも、発言しない時にはマイクをオフにしましょう。・会議の開始時間までに入って設定を確認
端末の状態によって、会議の進行に影響が出る可能性があります。会議の開始時間までに入って設定を確認しておくことで、端末に問題ないか事前に確認できます。
また、資料を事前に共有することや、会議の流れを事前にシミュレーションすることも大切なことです。・相手の発言は最後まで聞く
相手の発言が終わったと思いこちらが発言した時に、実はまだ相手は発言の途中で両者の声が重なってしまうことがあります。繰り返し起こると会議の妨げになるため、相手の発言は最後まで聞き発言が重ならないようにしましょう。セキュリティ上のリスクについて社内教育が必要
在宅ワークで会議を行う上での注意点の3つ目は、セキュリティ上のリスクについて社内教育が必要であることです。
セキュリティ面で信頼のおけるWeb会議システムを導入して、会議の運用ルールを作り込んでも、セキュリティ対策に完璧はありません。
なぜなら、最終的にWeb会議システムを使用して会議を行う従業員本人の人為的なリスクがあるからです。
従業員本人のセキュリティへの意識が低ければ、セキュリティ対策は効果を発揮しません。
特に在宅ワークでは、リモート環境から接続することもあり、従業員の操作全てを管理することが難しいという企業が多いのが実態です。
従業員に対して適時、セキュリティ上のリスクについて社内教育を行い、セキュリティへの意識を高めてもらう必要があります。
在宅ワークでの会議において従業員側に必要な整備
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在宅ワークでは、従業員側の環境整備も重要となります。ここでは、在宅ワークでの会議において従業員側に必要な準備を以下の順に紹介します。
- インターネット環境
- カメラ
- イヤホンマイク・スピーカー
- バーチャル背景
ただし、これらのものを従業員負担で準備をさせるのか、企業が補助・負担をするのかは十分に考えて制度化することが必要です。
インターネット環境
従業員側で必要な準備の1つ目は、インターネット環境です。
Web会議を快適にするには、インターネット環境にも注意する必要があります。インターネット環境が不十分で、通信速度が遅ければ参加者にとってストレスになるからです。
Web会議前には、インターネットの通信速度を確認しましょう。
また、インターネット環境を向上させるために試すべき方法を、以下に2つ紹介します。
・有線LANの使用
一般に、有線LANの方が無線LANよりも、高速かつ安定したインターネット環境を実現できるとされています。そのため、有線LANがベターです。・使用している端末の負荷軽減
使用している端末で不要なアプリケーションが起動していることで、CPUやメモリを圧迫して通信状態に影響を与えることがあります。
その場合は不要なアプリケーションを停止させましょう。また、端末の再起動も有効です。カメラ
従業員側で必要な準備の2つ目は、カメラです。
高品質な映像で会議を行いたい場合、外付けのカメラを用いるのがベターです。PCなどの端末にもカメラはありますが、外付けのものと比べて性能が劣ることが少なくありません。
外付けのWeb会議用カメラを選定するポイントを、以下に3つ紹介します。
・解像度
解像度とは、映像の細かさのことです。この解像度が大きいほど、クリアな映像となります。
ただし、解像度が高いほど通信時に大きなデータ量を必要とすることにも注意が必要です。一般的なビジネス会議であれば、カメラの解像度の高さが重要になるケースは少ないですが、用途によっては必要な解像度を確保できるカメラを使用しましょう。・FPS
FPSとは、1秒の映像が何枚の画像で構成されているか示す単位です。このFPSが大きいほど、映像の動きが滑らかになります。
ただし、FPSが高いほど通信時に大きなデータ量を必要とすることにも注意が必要です。・規格
使用している端末の規格と合っているか確認しましょう。規格と合っていないと、映像割れなどの原因になることがあります。イヤホンマイク・スピーカー
従業員側で必要な準備の3つ目は、イヤホンマイク・スピーカーです。
高品質な音声で会議を行いたい場合は、外付けのWeb会議用イヤホンマイク・スピーカーを用いるのがベターです。
PCなどの端末にもイヤホンマイク・スピーカーはありますが、外付けのものと比べて集音の性能が劣っていることが少なくありません。
外付けのWeb会議用イヤホンマイク・スピーカーを選定するポイントを、以下に3つ紹介します。
・ノイズキャンセル機能の有無
紙をめくる音やエアコンの空調音などのノイズを除去してくれます。・エコーキャンセル機能の有無
エコーとは、スピーカーから出力された音が、壁などに反射して再びマイクで集音されてしまう現象のことです。そのエコーを除去してくれます。・接続方式
Web会議用イヤホンマイク・スピーカーの接続方式は、Bluetooth接続かUSB接続の2つに分かれます。それぞれのメリットとデメリットを、以下の表にまとめます。接続方式 メリット デメリット Bluetooth接続 ・端末とマイクスピーカーを離して使える
・ケーブルがないので、コンパクトに配置・収納が可能・USB接続よりラグが発生しやすい
・電波状況により、接続が不安定になることがあるUSB接続 ・ラグが発生しにくい
・端末接続中に充電できるタイプであれば、長時間使用できる・端末から離して使用できない
・ケーブルが必要バーチャル背景
従業員側で必要な準備の4つ目は、バーチャル背景です。
背景の映り込みに対して隠す機能やアプリを活用することも有効です。
従業員のプライベート空間・生活感を隠すことで相手に洗練された印象を与えると同時に、映り込んでしまう可能性のある個人情報流出を防ぐことにも繋がります。
Web会議システムには背景を消したりバーチャル背景の設定ができたりする機能があり、アプリを使えば背景をリアルタイムで加工することも可能です。これらをうまく活用し背景の映り込みを防ぐことをお勧めします。
円滑な在宅ワーク実施に向けたWeb会議システム選定のポイント
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ここでは、円滑な在宅ワーク実施に向けたWeb会議システム選定のポイントを以下の順に紹介します。
- 機能面の充実
- 提供方式
- セキュリティ対策の充実度合い
- 導入後のサポート体制
機能面の充実
Web会議システムを選定するための1つ目のポイントは機能面の充実です。
Web会議システムの機能面で注目すべきことには、接続可能人数や資料共有機能などがあります。
Web会議システムの導入目的や利用シーンから、必要となる機能やスペックを推測して、それらを満たすWeb会議システムを選定しましょう。
ただし、無目的に多機能なWeb会議システムを導入しても意味がありません。利用シーンにそぐわない、もしくは従業員が使いこなせなければ無駄になります。
Web会議システムの使い勝手の良さを調べるためにも、無料トライアルが利用できるのであれば、試してみることをおすすめします。
実際に使ってみて、必要に応じて上位プランに変更するのが良いでしょう。
提供方式
Web会議システムを選定するための2つ目のポイントは提供方式です。
Web会議システムの提供方式は、サーバーの違いにより大きく2種類に分けられます。一つはクラウド型、もう一つはオンプレミス型です。
クラウド型では、ベンダーのサーバーにアクセスして情報通信を行います。社内にサーバーを用意しなくて良いため、運用が簡単で導入コストも削減できることがメリットです。
一方オンプレミス型では、社内にサーバーを用意して運用します。
クラウド型より導入コストはかかりますが、社内にサーバーがあるためカスタマイズしやすく、社内のセキュリティ要件に沿って運用しやすいことがメリットです。
自社の状況に応じて、クラウド型かオンプレミス型かを検討し、選びましょう。
セキュリティ対策の充実度合い
Web会議システムを選定するための3つ目のポイントはセキュリティ対策の充実度合いです。
Web会議システムには、情報漏えいやアカウント流出などのセキュリティリスクが存在します。
セキュリティリスクを低下させるには、従業員の教育やWeb会議システム運用ルールの制定に加え、セキュリティ対策が充実しているWeb会議システムを選ぶことも大切です。
Web会議システムのセキュリティ対策において特に注目すべきポイントを、以下に3つ紹介します。
- 情報が暗号化されているか
- 会議室にパスワードを設置しているか
- IPアドレス制限されているか
また、導入実績が多く、セキュリティ面でも信頼できる企業が提供しているシステムを導入すると安心です。
導入後のサポート体制
Web会議システムを選定するための4つ目のポイントは導入後のサポート体制です。
Web会議システムを導入した後に、何かトラブルが発生することもあるかもしれません。また、Web会議システムの運用を開始して初めて気付くこともあるかもしれません。
そのため、Web会議システムを導入する時には、導入後のサポート体制が用意されているか確認しましょう。
サポート体制が充実していれば、接続が途切れてしまった、操作方法がわからなくなったなどのトラブルが発生しても相談できます。
サポート体制について確認すべき事項を、以下に3つ紹介します。また、有料版のWeb会議システムより無料版の方がサポートが充実していないことが多いことに注意しましょう。
- サポートが日本語対応しているか
- サポート対応時間、曜日
- 問合せ手段(メール、チャット、電話)
まとめ
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本記事では、企業向けに在宅ワークで会議を行う上での注意点、従業員側に必要な準備、Web会議システム選定のポイントを紹介しました。
在宅ワークには移動時間の削減などメリットが多数存在します。そのため、新型コロナウイルス感染症が収束しても、在宅ワークを行う企業は多いと予想されます。
在宅ワークであっても従業員が円滑に会議を実施できるように環境整備することをおすすめします。
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