ウォークイベントやスポーツイベントでの活用から街への意識を
― どのような利用を想定していますか?
※アプリケーションの画面は開発中のものであり、実際の画面は変更になる可能性があります。
菊島:ユニバーサルデザインマップは、NTTグループで提供している「ジャパンウォーク・ガイド」で使われています。これは、東京の街を歩くイベント「ジャパンウォーク」用に作られた地図です。
実際にジャパンウォーク・ガイドを手にして街の中を歩いてみる、あるいは自分で情報や写真を地図に登録してみると、どこにどのような設備があるのか、そして何が不足しているのかを自然に意識するようになるはずです。その意識が、街への関心、新しい街づくり、社会づくりにつながると考えています。
山下:スポーツイベントで活用すれば、駅などの交通機関、スタジアムの周辺の情報をファンの人に通知したり、地域で盛り上げる計画など、さまざまな展開が可能です。
菊島:災害に強い街づくりには何が必要かという視点も重要です。地図を通して自分の街の災害対策について考えていただけたらと思っています。
鳴戸:技術的な話になりますが、ユニバーサルデザインマップは自由度の高い設計をしており、他のシステムとのデータ連携機能も搭載しています。ユニバーサルデザインマップのサーバーに登録された情報を、APIを介して別のシステムから利用できます。
菊島:NTTコムウェアでも、防災対策ソリューションとしてタンジブル災害対策支援システムを提供しています。これと連携させれば、被災現場で不足している物資情報などを、本部と共有することにも利用できるのではないかと検討しています。
地図を通した障がい者同士の情報共有、コミュニケーション
― ユニバーサルデザインマップにはどのような工夫が盛り込まれているのですか?
山下:障がいを持つ方々からのヒヤリングをして気づいたのが、「自分たちで情報を登録して、同じ障がいを持つ仲間の役に立ちたい」という強い思いでした。そこで、障がいがあっても情報を登録しやすい操作性を重視しています。少ないアクションで登録できる、文章を丁寧に打ち込まなくても選択式で投稿できる、その場で取った写真を簡単に登録できるなどの機能も搭載しています。登録は、その場での登録だけでなく、写真を撮影した場所を地図上で選択することで、後から登録することも可能です。
菊島:自分で登録した情報がすぐに共有される仕組みは、障がい者同士のつながりの面でも重要と感じています。その情報を見た人が「役立った」と評価した場合は、「いいね」を押せるようにしています。仲間に評価されたと思えばやりがいも感じるのではないでしょうか。歩きながらでも「いいね」ができるように、スマートフォンを振るだけで「いいね」ができる機能も搭載しています。