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五反田バレーは自治体と企業とのコミュニケーションのハブになる

写真:黒佐英司さん

―黒佐さんが発起人の一人として設立した「五反田バレー」とはどういうものですか。

黒佐:2018年に五反田に拠点を構えるfreee、ココナラ、セーフィー、トレタ、よりそう、そしてマツリカの6社が発起人となって設立したのが「一般社団法人五反田バレー」です。シリコンバレーのような環境づくりをめざしています。

 五反田にはスタートアップの会社がたくさんありますが、個人同士のつながりはあっても、会社同士、同じ職種同士のつながりはあまりありませんでした。そんな中、会社同士のつながりを作れば、デメリットをメリットに変えることもでき、さらに大きなメリットが生まれるのではないか、と話をしていたのがきっかけで立ち上げることになりました。会員組織を設けて、勉強会や交流会などを開催しています。

―スタートアップの会社が五反田に集結したメリットはなんでしょうか。

黒佐:五反田は、JR山手線沿線のなかで、渋谷や恵比寿、品川などと比べて家賃が比較的安価なのに、利便性が良いこともあり、資金が少ないベンチャーやスタートアップの企業が多く集まりました。同じようなスタートアップが集まることで、情報交換ができて、経営者にとってはメリットが大きいのです。

 マツリカも2016年に恵比寿から移動してきたのですが、その当時から数社あり、徐々に増えてきて現在400社以上は五反田に拠点を置いていると思います。自治体とのやり取りも活発になりました。

―五反田バレーを設立したことで自治体ともコミュニケーションがスムーズになったということでしょうか。

黒佐:そうですね。以前から国や自治体、大企業などもスタートアップに対して支援をしていたと思うのですが、五反田バレーができたことで、自治体と会社とのコミュニケーションのハブになれたのではないかと思っています。

 今までは、国や自治体、大企業が何か支援をしたい、一緒に開発したいと考えていても、個社に当たるしかなかった。五反田バレーというハブができたことで、「こういう開発がしたい」と相談があれば、「それならA社がこういうことを行っています」というマッチングができます。コミュニケーションのロスがなくなるのです。その土台作りができたのではないかと思っています。

―自治体との連携は、スタートアップにとってどのようなメリットがありますか。

黒佐:行政が動くと地域住民も動きます。興味を持ってくれるんですね。それがとても重要です。何か新しいことを実証・実験する時、地域住民の理解を得ることが大前提になります。
 シリコンバレーが成功したのはその部分が大きい。新しいサービスを作ると、すぐにそれを実証実験する環境がある、地域住民がそれに興味を持ってくれることで、成長していくことができるんです。日本では福岡県なども良い例となっていますが、そういう環境が今後増えていくことを期待します。

人も制度も自由度を高めて、個人の色を主張できる働き方へ

写真:黒佐英司さん

―これからのベンチャー企業、スタートアップ企業に求められていることはどのようなことだと思いますか。

黒佐:国や予算の規模に比べて、日本のベンチャー企業への資金の投入がまだまだ少ない現状があります。もうひとつ、スタートアップやベンチャーの企業を選ぶ優秀な人材も限られています。例えば、新卒の就職ランキングにスタートアップの会社が入ることがないんですよね。どちらも、まだまだ世間での認知度と理解が足りないのだなと思います。

 だからこそ、五反田バレーに限らず、ハブが確立して、仕事が回るようにならないとダメです。スタートアップは、何かの課題を解決する、それを一点突破で行くことを使命としています。今まで想像できなかったものが新しくできる、イノベーションを起こせる可能性があるので、どんどん作っていくべきだと思います。どんどん送り出していければいいですね。

―新たなライフスタイルが求められている中で、働き方はどのように変わっていくと思われますか。

黒佐:信念を持つことが大前提にありますが、信念があれば、基本に立ち返った時に、自分は何ができるのか、何をやりたいのかがわかってくると思います。それを実行していくためには、環境も整っていなければいけないですよね。企業として、フルフレックスやリモートワークなど働く環境を問わない、自由度を広げることが必要となっていきます。そうすると、それぞれ個人の色の働き方が生まれてきます。

 例えば、新卒採用も一斉に行う必要はないと思います。今は、就活する学生にとって、内定をもらうことがゴールのようになっている気がします。卒業から半年後、1年後に働きだしてもいいんですよね。そういう自由度があり、選択しやすくなれば、個人の色の働き方が生まれてくるのではないでしょうか。

 私自身、普段はほぼリモートワークをしています。会社に来るのは週に1度くらい。時には、旅行先で仕事をすることもあります。いわゆる、ワーケーションです。日頃からそういう働き方をしていたので、コロナ禍でもあわてることなく、会社全体としても通常通りの業務ができました。
 もちろん職種にもよりますが、働き方が自由であればあるだけ、いざというときの対応能力もあるのかもしれません。

―今回のような外出自粛のなかではチャンスが生まれると思いますか。

黒佐:業種によってということはありますが、現在のテクノロジーで解決できることはたくさんあります。この機会にチャンスを作れる、新たな展開を考える大きなきっかけになると思います。働き方は制限するものではなくて、個人がやりたいように進めていく、自分がやりたいことを使命感を持ってやっていけば、社会貢献につながると思います。
 それを浸透させるためにも、行政も含めて社会全体でバックアップできる環境体制を作れるようにしたいですね。

黒佐英司さん

取材後記

黒佐さんは、高校生の頃、早く起業をしたいから大学で4年間も過ごすのはもったいないと、大学には行かないと両親に告げたのだそうだ。その時に、人生で初めて両親に反対されたのだという。反対されたことが面白くて、大学に行くことにしたのだそうだ。しかし、日本国内の大学ではつまらないからと、アメリカに留学した。考え方はどこかひねくれていそうで、シンプル。黒佐さん自身もすべてシンプルな考えなのだと話す。やりたいことが別にできたら、今の状況をスパッと切って次に進むとも話していた。迷わずに自分を信じて進んでいくパワーがまぶしくも感じた。未来は、スタートアップ企業のコミュニケーションがますます盛んになり、面白い開発が次々と出てきそうでとても楽しそうだ。

プロフィール

黒佐 英司(くろさ・えいじ)
株式会社マツリカ 代表取締役Co-CEO
ニューヨーク州立大学バッファロー校卒業。大手ハウスメーカーにて個人向けの企画提案、法人・資産家向けの資産活用提案、海外事業開発において企画営業に携わったのち、株式会社ユーザベースの創業期に入社、営業開発チームの立ち上げを担当。営業部門、マーケティング部門および顧客サポート部門の統括責任者を歴任。2015年に株式会社 マツリカ(mazrica,inc.)を共同設立。代表取締役Co-CEOに就任。

株式会社マツリカ
https://mazrica.com/

2020/08/28

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