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賢いはたらき方のススメ
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ステイホームが広く叫ばれ、人々が外出を自粛するようになった2020年4月。大きな打撃を受けたエンターテイメント界のなかで、いち早く4月4日に、ユニーク視聴者数が10万人を超える大規模なオンラインストリーミングフェス「Music Unity 2020」(MU2020)を開催した、秋葉原のクラブ・DJバー「MOGRA」の代表取締役、山田将行さん。

自身がDJのD-YAMA(ダーヤマ)として国内外で活躍する山田さんがMU2020の開催を決めたのは3月27日。そこからわずか数日で開催し、大成功を収めた行動力の源、クラブカルチャーをけん引する経営者としての展望、そしてクラブカルチャーの魅力についてお話を伺った。「石橋をたたいて、さらに誰かに先に渡らせてから渡るタイプ」と語る自身のビジネスの進め方は新しい時代を勝ち抜くヒントがたくさんあった。

変化するSNSを駆使し面白いことを発信、小さなことでも徹底してエンタメに見せる

写真:山田将行さん

―秋葉原のクラブ・DJバー「MOGRA(モグラ)」の代表取締役となった経緯をお聞かせください。

山田:DJになったのが2008年、20歳の時です。当時渋谷で開催され、800人も動員した人気のイベント「DENPA!!」に出演していました。ここで、当時、株式会社モエ・ジャパンの代表取締役の福嶋麻衣子さんに、「秋葉原でアニメソングをかけるイベントスペースを作りたいのだけど、手伝ってくれないか」と声をかけられたのがきっかけです。

 2009年に、アニメソングやVOCALOIDなどの音楽を中心に様々なイベントを開催する「MOGRA」がオープンし、最初はアドバイザーとして参加していたのですが、結果的に店長として携わることになりました。

 2019年に10周年を迎えた段階で、運営会社(株式会社ディアステージ)の組織変更などのタイミングが重なり、2019年5月に「MOGRA」を法人化して独立し、同時に「MOGRA」の代表取締役に就任しました。

―2020年で「MOGRA」は11周年になったのですね。クラブの経営を引き継ぐことになり、こだわってきたことはありますか。

山田:独立して自由度が増したことで将来に向けての構想はいろいろありました。
 オープン当時から変わらないコンセプトが、遊園地と同じような楽しみ方を提供していくこと。基本的なことですが、サービスは黙ったまま行わず、笑顔で接客することを徹底しています。

―11年間、クラブカルチャーをけん引してきた中で、人を集める、人を動かしていくコツはどのようなことだと思われますか。

山田:確信があるのは、クラブカルチャーを引っ張っていく側が面白いと思って進めていかないと、人々はついてこないということです。何かを提供する側が面白いと思っていないものは、受け取る側にもわかってしまいます。商品を開発する場合でも、SNSやアーティストと絡めて、「MOGRAはこういうことをしています」と、ツリー状にプロモーションを広げていく。それをエンターテインメントに昇華するということにこだわっています。人を動かすために大事なポイントだと思います。

写真:山田将行さん

―SNSの活用の仕方が大切だということですね。

山田:今の時代は、自分たちだけで何かを広めようとするのでは足りない。自分たちとつながっている誰かからさらに拡散していくほうが影響力も増します。ひとつ情報を発信して満足するのではなく、それをエンターテイメントとして見せていくことで、いろいろな人の興味を引くように仕掛けていくことが大切だと思います。SNSがなかったら、そこまではできなかったと思います。

 DJを始めた当初は、mixiの全盛時代でした。DJとしてレギュラーでクラブに出演するようになったのも、mixiの大人数のコミュニティを抱えていたのが大きな理由だと思います。イベントへの参加も、最初からファンを抱えている状態での参加。イベント運営側から見ると、観客を引っ張ってくるわけです。そんなSNSのメリットを経験していたので、事業を進めるうえで有効なツールだと考えていました。

 独立してすぐにコロナ禍の影響があり、2020年3月末には休業を決めました。営業できない状況になったのですが、閉店せずに続けてこられたのも、インターネットでの情報発信を続けてきたからだと思います。また、独立して自由度が高かったからこそ、この状況下で何かできないかと方向転換して行動に移すことができたのだと思います。

時流に応じる柔軟な即断即決、プランを実現できる人の輪がイベント成功のポイント

写真:山田将行さん

Music Unity 2020 第1回のフライヤー画像
DJ WILDPARTYやDJ ずっ(from i☆Ris)、kz(livetune)などの名前が並ぶ

―すぐに行動に移したのが、4月4日に開催された、オンラインストリーミングフェス「Music Unity 2020」ですね。

山田:コロナ禍で何もできない状況にいらだちがあり、この状況をどうにかしたい、こういう状況だからこそ、何かできるのではないかと考えていたのが原動力です。 冷静に考えたとき、「MOGRA」ではオープン当初からずっとインターネットで情報をアウトプットしてきました。そこで何かできるのではないかと考え始めたのが休業を判断した3月末です。そして、まだ他が大きく取り組んでいない間に行わないと意味がないと考えていました。また、企画当初からMusic Unity 2020自体は営業再開の見通しが立った時点で終わらせることを決めていました。

―「MU2020」が開催されたのは、4月4日ですね。わずか数日で開催できたポイントはなんでしょうか。

山田:古くからの知人である輸入総代理店の株式会社コトワリの佐藤学さんから、何か一緒にできないだろうかと相談があり、3月27日には配信イベントの詳細を決めていました。コトワリでは海外産のAURO Chocolateというブランドを取り扱っていて、バレンタインデーやホワイトデーなどのイベントもコロナ禍で大変厳しい結果だったと聞き、チョコレートの特別販売ページを設けることになりました。

 ただ心配もありました。アーティストが家から出られない場合や、ロックダウンになる可能性もあるということ。どうすればスムーズに配信できるかをクリアにする必要がありました。その問題をクリアにしてくれたのが、配信技術研究所株式会社。

 MU2020の発信基地は自宅だったのですが、自宅にはWindows PCとMacBook Proの1台ずつしかありません。そこからサーバーを経由して各会場からの配信をスムーズに行うという技術を、3日間で仕上げてきてくれたんです。技術力の高さがあったから、開催できたのだと思います。

―4月4日に第1回「MU2020」が開催され、その後、6月20日まで4回にわたって配信されましたね。どのような内容だったのでしょうか。

写真:山田将行さん

山田:日本全国のクラブやライブハウスが参加してノンストップで15時から深夜1時まで無料配信したライブストリーミングフェスです。MOGRAのTwitchチャンネルを利用して配信しました。AURO Chocolate、日本酒やワイン、都内に実店舗を構える店舗に作っていただいたちらし寿司などとセット販売を行い、決済はBASEを使いました。配信でとても多くの人からいただいたドネーションの一部は参加したクラブやアーティストに還元、先ほど紹介した物販販売の売り上げからも各クラブへ均等に分配し、同じく、分配先として医療機関へ91万8455円を寄付しました。

―コロナ禍でクラブカルチャーと他業種とのコラボレーションが成功した秘訣はなんでしょうか。

山田:イベントを開催するにあたって、MOGRAだけで行ってはいけないと当初から考えていました。この状況下で業界全体が苦しんでいました。自分がDJとしていろいろな地域のクラブに出演していたこともあり、これまで関わってきた各地域の人たちと一緒に協力してなにかを実現したいと考えていました。他業種とのコラボについては、以前からお世話になっているところが多いですね。知り合いだから理解してくれますし、即決してくれたのです。

―初回の総視聴者数は19万7000人という大きな結果を残しています。周りの反応はいかがでしたか。

山田:もともと、コロナ禍でライブハウスが休業を余儀なくされた状況で、残念ながらクラスターも発生していました。その中で、風評被害に近い状態が早くから全国のライブハウスで起きていたんです。営業を再開してから信頼回復の行動を始めたのではとても遅い。みんな危機感がありました。イベントで配信することで、各クラブがどのようなコンテンツをもっているかを示してブランドを確立していければ、営業再開後に足を運んでもらえます。ライブハウスからの反響は早かったですね。次は参加したいという連絡を多数いただきました。

 ただし、配信する以上、エンターテイメントとしてアウトプットしなければ信頼回復につなげることも難しい。即効性、対応力も必要で、リテラシーと配信機器が整っているところでないと難しい。クオリティを担保できることを判断基準として設けさせていただきました。その辺は申し訳ない部分もあります。

 反応といえば、自宅からの配信に映り込んだ犬のピートにたくさんの反響をいただいたことに驚きました。生で起きることをそのまま配信で伝える強さと面白さをあらためて知りましたね。

山田将行さん

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