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人がスムーズに流入し、知識が増えることで文化は確立される

写真:山田将行さん

豊洲PITで開催予定だったがコロナ禍で残念ながら日程変更となった秋葉原MOGRA主催の音楽祭、「あきねっと2020」のフライヤー画像

―ビジネスとしてのクラブカルチャーで今後目指したいことはなんでしょうか。

山田:クラブのイメージを改善していきたいですね。参入してから10年経ちますが、いまだに、クラブは治安が悪いところというイメージを払拭できていません。文化として根底にあるのは否定できませんが、ビジネスとして考えると、きちんと切り分けないといけない。過去を受けとめて、現在はクリーンに営業しているところが多いということをほかのクラブと協力して広めていかないといけないと思っています。

―具体的な施策はありますか。

山田:クラブは、もともと店内の雰囲気をアウトプットするものではありませんでした。なぜかというと、風営法の関係やブラックボックス的な要素もあったからです。しかし、MOGRAでは、2013年から率先して、Ustreamなどを行ってアウトプットすることで、クリーンな場所だと広めてきました。
 MOGRAとしては、アニメソングを使ったDJ文化をビジネスとしてきちんと成立するものに育てていきたいと思っています。

―クラブカルチャーは今後どのように変わっていくと思われますか。

山田:自分は「石橋をたたいて誰かを渡らせてから渡るタイプ」なのですが、現在のような状況がすぐに改善されるとは思っていませんので、対策をしっかりとりながら、規模縮小で営業を続けていくのが当面の施策ですね。

 ただし、クラブハウス、ライブハウスは人と人が近づいてオフラインの状況を楽しめるのが魅力です。これから新しいライフスタイルになっていくうえで、どのような形で安心して楽しんでもらえるかはずっと考えていかないといけないと思います。

―MOGRAとして新しいレーベルを作るなどの試みは今後ありますか。

山田:アーティストが自由に活動できるMOGRAは文化のハブになっているから面白いのだと思うので、アーティストたちをMOGRAで制限するつもりはありません。人の流入がひんぱんにあるからこそ、文化が成熟していくと思っています。コンサルティング的なことはしながらも、MOGRAをブランドとして固めていくのが、これからやるべきことですね。

 プロデューサーとして育てていきたいという気持ちもあるので、自分が海外などで招かれた際も、なるべく誰かを一緒に連れていくようにしています。

 クラブはある程度若い人が生み出すカルチャーです。ずっと古い者が一線にいて年齢をひきあげていくよりも、あるタイミングで若い人が参入してきて、その人がスターになる環境が健全だと思います。そういう場を作っていきたいと思います。

山田将行さん

取材後記

プライべートタイムはしっかり取るという山田さん。現在は家族でキャンプにはまっているという。といっても森の中でまったり過ごすのではなく、きっちりとテントの設営から撤収までのスケジュールを組み、絶えず動いているのだという。「それが楽しいんです」という山田さん。仕事もプライベートも手を抜かず、楽しみつくすからこそ、柔軟な考えが生まれてくるのだろう。ゲームをしていても、プロデューサー的な発想が生まれてくるそうだ。若者を牽引するカリスマ的な要素を秘めた山田さんがこれから展開していく意外性のあるクラブカルチャーを早く見てみたい。

プロフィール

山田 将行(やまだ・まさゆき)
株式会社MOGRA(モグラ)代表取締役 / DJ D-YAMA(ダーヤマ)
21歳の時に秋葉原MOGRAの店長に抜擢される。2019年に独立し、5月に法人化。 現在に至るまで、クラブミュージックからアニメソング、ゲームミュージック、J-POPまで多ジャンルの音楽をミックスし、秋葉原のクラブカルチャーを牽引してきた。2012年にリリースツアーとしてDJ WILDPARTYらと共に全国10カ所の大規模ツアーを敢行。2013年には新木場ageHaで「あきねっと -秋葉原インターネット音楽祭-」を主催し2000人以上を動員。2014年に行われた”でんぱ組.inc”の日本武道館ライブではオープニングDJを務め、大きな評価を受けた。2020年4~6月まで4回にわたり、オンラインストリーミングフェス「MUSIC UNITY2020」を主催。総視聴者数10万超、総PV数24万超(第2回)の成功を収めた。DJ機器においても造詣が深く、PioneerDJのデモンストレーターや講師を務める。

MOGRA
https://club-mogra.jp/

2020/10/27

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