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サーバールーム全体の空調の見直しで、年間数千万円の電力コスト削減も

空調電力という観点では何か取組みを行っているのでしょうか。

温度測定器を自作し、サーバールーム全体の温度分布の見える化

久保田:2009年ごろに私たちは、温度測定器を自作し、サーバールーム全体の温度分布の見える化を行った結果、コールドアイル(吸気側の通路)も、ホットアイル(排気側の通路)も、温度にムラがあることがわかりました。

見える化してみると、一部のコールドアイルは、無駄に冷えすぎているところもあり、逆に、ホットアイルも場所によって冷えているところがあることがわかりました。そこで「この温度のムラを解消すれば、より空調効率がよくなる」と考え、風量調整のために床パネルを変更したり、冷気の漏れを塞ぐためコールドアイルをビニールカーテンで囲うなどの対策を行い、必要なエリアにだけ冷気を供給できる環境を整えています。

永倉:対策後に、改めて温度測定器で調べてみると、効率よく空気を循環させられるようになり、サーバールーム全体の設定温度を最大で3度上げての運用が可能であることを確認しています。実際に、この取り組みを社内用のサーバールームで実施し、年間で数千万円の電力コスト削減を達成しました。

データセンターでは、電力消費の指標としてPUE(Power Usage Effectiveness)、もしくはpPUE(partial PUE)を用いています。これはデータセンター全体で消費する電力のうち、IT機器で消費する分の効率を示したものです。理想の値は1.0で、そこに近づくほど電力効率が優れていることになります。それまでNTTコムウェアの「SmartCloud データセンター」のpPUEは1.5程度でしたが、これらの取り組みの結果、1.3までに改善できました。

現場の課題意識から生まれた新たな付加価値

他にはどのような運用上の問題があり、どのように解決してきたのですか?

永倉:データセンターを利用されるお客さまの課題の1つに、お客さまご自身が、自社の財務諸表に係る内部統制の有効性評価をするために、データセンターを含めた委託先の監査対応があります。しかし、データセンター事業者との長期的な監査対応には、時間とコストがかかるという課題がありました。また、現場で運用する私たちも資料を用意したり、会議に立ち会うことも必須になります。

久保田:当時、米国の先進的なデータセンターを視察している中でSAS70と呼ばれる監査基準があることを知りました。SAS70報告書は、SOX法に基づく委託先の内部統制の評価過程に関し、整備・運用状況を報告するもので、データセンターを利用するお客さまは、SOX法が要求している委託先の監査対応に関し、監査作業の軽減を図ることが可能となっています。

私たちは、この仕組みは日本の内部統制でも有効と考え、約1年かけて、データセンターサービスの内部統制を構築・運用し、第三者機関から監査報告書を受け取りました。これにより、お客さまはこの報告書を監査法人に提出することで、データセンターにおける内部統制の監査が簡略化されるようになったのです。これはお客さまにとって大きな負担軽減となりました。その後、2011年には国際会計士連盟が定めたISAE3402、2015年には米国公認会計士協会のSOC2にも対応しています。

永倉:この取り組みは、私たちにとって、さらによい結果につながりました。第三者機関から内部統制の整備、運用における保証を得たことによって、特に内部統制、リスク対応が厳しい金融系のお客さまにも、安心してデータセンターが利用できるとたいへん喜んでいただいております。

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