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統合ヘルプデスクシステムにAIを組み込むチャレンジ

― 三つめのPである「Product(プロダクト)」では、どのような取り組みがなされているのでしょうか。

岡崎 正幸
NTTコムウェア株式会社
サービス事業本部
サービスプロバイダ部 MSP-BU
カスタマサービス

岡崎:「統合ヘルプデスクシステム」を中心にお話します。「SmartCloud データセンター」のヘルプデスクシステムは独自に開発したものを使っています。このシステムは、ITサービスのシステム構成を一元的に記録する構成管理データベース(コンフィグレーション・マネージメント・データベース:CMDB)を参照しています。

以前は、お客さまが故障申告や作業依頼をするときには、NTTコムウェアの各担当部署の担当者に個別に問い合わせをしていました。同じお客さまであっても、問い合わせや依頼内容が異なると、違う担当者に連絡していたのです。

統合ヘルプデスクシステムでは、お客さまからの電話、Web、メールなどによる問い合わせをすべて受け入れます。そして問い合わせを受けたヘルプデスクオペレーターが回答します。しかし内容によってはオペレーターでは回答できないこともあります。その場合は、各システムの運用者へ、さらに技術的な問い合わせはシステム開発者に確認して回答します。このように、ヘルプデスクが一元的にお客さまからの問い合わせを受け付け、内容に応じた対応ができる仕組みを構築しています。

そして今、新たに検討しているのが、統合ヘルプデスクシステムへのAIの導入です。現在、統合ヘルプデスクシステムへの問い合わせのうち、オペレーターだけですぐに解決できるものが全体の約45%です。ここをAIに置き換えられるのではないかと考えています。

例えば、1ヵ月あたり約1,000件の問い合わせがあり、オペレーターが1件につき約15分で対応していたとします。これをAIに置き換えれば、単純計算すると1ヵ月で112.5時間ものオペレーターの仕事をAIに任せることができます。 そうなれば、オペレーターはより高度な問合せに専念し、スキルアップに取り組むことにより、最終的にはCS向上につながると考えております。これはぜひ取り組みたいと考えています。

特に、蓄積したノウハウの活用にAIを活用したいと考えています。問い合わせ時の通話音声を解析してテキスト化し、質疑応答のデータとマッチしているかを判別します。適切な回答が見つかれば、より迅速なお客さま対応が可能です。

運用によってデータが蓄積されていけばAIも学習し、人間の曖昧な表現もより正確に理解し、的確な回答を提示できるようになるでしょう。お客さまが「人間と話しているのか機械と話しているのか分からない」くらい自然な、ストレスフリーなAIを作ることが目標です。現在、ヘルプデスクAIを実現するために特別チームを作り、日々研究開発を進めています。

システム監視の自動化への取り組み

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橋本 直樹
NTTコムウェア株式会社
サービス事業本部
サービスプロバイダ部 MSP-BU
サービスSE

― 「Product(プロダクト)」の取り組みの中には、システムの「監視」も含まれています。

橋本:監視は、データセンターのオペレーションにおける重要な仕事です。以前は、お客さまのシステムごとに監視をする環境、ツールを個別に構築し活用していました。そのため、監視の運用ポリシーは対象システムごとに異なり、またそれぞれの監視ツールごとに専門のオペレーターを配置しなければなりませんでした。

そこで、監視ツールの標準化に取り組んでいます。それが共用監視ツールの活用です。監視ツールを同じポリシーで運用することで、故障が発生した際にどの担当者でもスムーズに対応できるようになります。

将来は、オペレーションの自動化の幅を広げ、故障検知から措置までを自動化したいと考えています。原因箇所が判明したら回復措置、次いで正常動作の確認など、一連の作業の自動化を実現すべく取り組んでいます。

監視ツールの標準化を進めているものの、現状ではまだお客さまごとに監視ツールが異なるケースもあります。監視ツールから上がるアラームも個別画面に表示されるため、担当者はシステムの数だけ画面を常に確認していなくてなりません。
そこで、異なる監視ツールのアラームを統合化し1つの画面で集約して表示させる統合監視システムも独自に開発しました。監視ツールや統合ヘルプデスクシステム(CMDB)と連携させることにより、アラームを一元的に確認でき、トラブルチケットの起票を自動で行うなど、自動化による運用監視業務の効率化を積極的に進め、標準化を図っています。

稼働提供型から「サービサー」への転換を

― ここまでデータセンターにおけるオペレーションについてお聞きしてきました。最後にデータセンターのオペレーションに求められることは、今後、どのように変化していくのでしょうか。

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小林:今、ソフトウェア・ディファインド・インフラストラクチャ(Software Defined Infrastructure:SDI)が注目されています。分かりやすく説明すると「インフラを仮想化する」という概念です。ネットワークやサーバーなどインフラがそのまま仮想化されるようになれば、データセンターの役割もオペレーションも変わってきます。

インフラが仮想化されていく中で、どのように付加価値を高め、高効率なトータルオペレーションを目指していくのか。そのノウハウを蓄積することが今後大切になると考えています。システムをしっかり監視して正常な稼動を提供する従来の「稼働提供型」から、セキュリティー管理や資産管理、さらに運用で蓄積されたデータの分析と活用などを踏まえた付加価値の高いサービスを提供する「サービサー」へと変わっていくことが求められています。

それら実現に向け、サービスマネジメント領域の拡大に向けた付加価値の高い管理サービスの提供、統合的なCMDBの構築、監視保守業務における自動化やAI化に取り組みながら、トータルオペレーションとしていかに効率化を進めていくのかが重要となります。

オペレーションでは効率化を進め、例えば、マルチクラウド環境にも対応できるオペレーションサービスなど、「付加価値の高いソリューション」としての提供にも注力していきます。NTTコムウェアは、確実な「オペレーション」はもちろん、お客さまのご要望に柔軟に対応する保守運用ソリューションや新しい技術を取り入れた高付加価値ソリューションを駆使して今後もオペレーションサービスを進化させていきます。

  • 「SmartCloud(スマートクラウド)」、「SmartCloud」ロゴ、「FSC24(エフエスシー24)」は、NTTコムウェア株式会社の登録商標です。
  • ITIL®はAXELOS Limitedの登録商標です。
  • その他、記載されている会社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。
  • 所属部署、役割等については、取材当時のものです。

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