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プロジェクト事例

  • モバイル・テレメディシン・システム

モバイル・テレメディシン・システム

救急医療への問題意識からモバイル・テレメディシン研究会が発足

「モバイル・テレメディシン・システム」の開発の発端となったのは、国立循環器病センター(大阪府吹田市)の3人の医師(野々木宏氏、佐瀬一洋氏、角地祐幸氏)が抱いていた救急医療への問題意識でした。
「これまで、最初に搬送された病院に専門医がいない、あるいは設備がない場合には、対応可能な病院を探して電話で一つひとつ交渉をするというのが一般的でした。これでは時間がかかりすぎます。患者が運ばれてくるのを待つのではなく、病院側にも何かできないのかという思いがありました」と野々木宏氏は語ります。

国立循環器病センターでは、すでにITを活用して画像を他の病院に送るなどのことはしていましたが、「より高度にITを活用すれば、搬送前に患者の状態やデータを病院側がリアルタイムで把握することが可能ではないか」と考えた野々木氏は、日本が誇る携帯電話の通信技術に着目。さっそく各方面に打診を始める中で、NTTコムウェアも加わりシステムの検討が始まりました。2002年7月には、機器メーカーも参画して産官学からなる循環器救急におけるモバイル・テレメディシン研究会が本格的に立ち上がったのです。

野々木 宏氏 国立循環器病センター 内科心臓血管部門部長/緊急部長 医学博士
野々木 宏氏
国立循環器病センター
内科心臓血管部門部長/緊急部長
医学博士
佐瀬 一洋氏 国立循環器病センター 内科心臓血管部門医長 医学博士
佐瀬 一洋氏
国立循環器病センター
内科心臓血管部門医長
医学博士
角地 祐幸氏 国立循環器病センター 内科心臓血管部門部長/緊急部 医学博士
角地 祐幸氏
国立循環器病センター
内科心臓血管部門部長/緊急部
医学博士

吹田市の協力を得て実証実験を実施

本システムの実現には、専用機器を搭載した救急車の配備が大前提となるため、自治体の協力が欠かせません。そこで、まず同センターの北村惣一郎総長と野々木氏は、吹田市長を訪ねて協力を要請しました。「健康づくり都市」を宣言する吹田市は「モバイル・テレメディシン・システムの導入で、吹田市を世界ナンバーワンの救命都市にしましょう」と協力を約束。実証実験へと駒を進めることになりました。

実証実験では、稼働する吹田市所有の救急車に、心筋梗塞や不整脈などの診断に役立つ12誘導心電計、心電図・血圧・血液酸素飽和度などを表示するベッドサイド・モニタ、病院側で操作し患者の状態をモニタリングするネットワーク・カメラ、これらの機器を接続しデータを伝送するための超小型サーバを搭載。データは簡単な操作で、超小型サーバを介し、移動体通信(FOMA)により国立循環器病センターへ送ります。同センターでは、市販のパソコンでリアルタイムに伝送されたデータを閲覧します。音声に加え、患者の生体情報や画像をリアルタイムで伝えられるため、救急救命士と医師とのコミュニケーションが充実し、「救急救命士への的確な指示」「専門病院への適切な搬送」「病院到着前診断による早期治療体制の確立」などが可能になります。

「モバイル・テレメディシン・システム」実験構成概要図
  • ※MFER(Medical waveform Format Encoding Rules)

    :医用波形標準化記述規約で、心電図、脳波、呼吸波形など医用波形を相互利用するための標準規約である。
    日本の学会やメーカーが中心となってISOなどに国際規格としての採用を働きかけている。

データの伝送には医療用波形データ伝送の標準規格であるMFERを採用し、利用機器や伝送方式に依存しない汎用性を実現しています。“世界レベルの標準化”を視野に入れ、これからの新しい技術にも対応可能な同システムへの取り組みは、国内だけでなく、世界的にも高い評価を受けています。 「今回の実証実験の結果を踏まえ、救急救命士および病院の医師が的確にシステムを活用できるよう、さらに改良を重ねていきたい」と語る佐瀬氏。2005年度には、救急患者に常時対応できるよう、救急車へ関連機器を常備した試行運用を開始する予定です。 さらに、関係各機関に救急医療現場への導入、救急救命士に対する常時指示体制や事後検証体制の充実といったメディカル・コントロールへの活用を働きかけ、医療の質の向上に貢献していきます。

2004/12/15

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