無料とAIという強みで先行するGoogleニュース
Appleのサブスクリプション型ニュース配信サービスは、同社のアクティブデバイス数というハードメーカーとしての強みに依存しているビジネスという見方と、逆にサブスクリプションサービスがハードの売り上げを伸ばすかもしれない、という見方もあり注目されています。
また、先行している「Google ニュース」というアプリとの差別化も注目されています。それは、Google ニュースが無料であり、AndroidにもiOSにも対応しているためです。
Google ニュースは旧「Google Play ニューススタンド」をリニューアルしたアプリで、2018年5月にリリースされました。
最も大きな特徴は、AIの自動学習機能を使い、ユーザー一人ひとりの利用内容に合わせて、よりユーザーのニーズに適したニュースを表示するようにしていることです。
そのため、Google ニュースアプリを起動すると、現在世の中で関心を集めているニュースと、ユーザーが関心を持っている(とAIが判断した)ニュースがピックアップされて表示されます。
また、興味を持った記事の「すべての記事を表示」をタップすることで、そのニュースを報じている各メディアの記事が時系列で表示されます。
これは、Googleによるフェイクニュース対策の一つとされており、同じニュースを複数のメディアで読み比べることで、内容の信憑性を確認できることが期待されているのです。
しかもGoogle ニュースは1,000を超える新聞・雑誌にアクセスできることに加えて、Googleアカウントにクレジットカードを登録しておけば、有料コンテンツも閲覧対象にできるという特徴があります。
そしてGoogleの圧倒的な強みは、iOSを含めた世界中の膨大な数のデバイスから利用できるということです。前述のゲームサービスでも、Googleから発表された「STADIA」はパソコン・TV・スマートフォンでもプレイできるため、利用できるデバイスの種類や数は競争の観点の1つになるでしょう。

既に競合が多いサブスクリプションで勝てるかどうか
このように、Apple News+をはじめとするAppleのサブスクリプションサービスは、ニュース配信だけでなく動画配信やゲーム配信においても後発となります。
そのことから、Appleのサブスクリプション参入は、Googleなどの無料配信サービスとのシェア争いという面と、Huluなどの先行サブスクリプションとのシェア争いという二つの面から注目されると同時に、ハードメーカーとしての強みをどのように活かせるのかも注目されているのです。
【 制作/ブレイン 】
2019/5/27
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