2019.11.05

VDIとは?シンクライアント各方式の仕組みを解説

シンクライアントは最小限の要素で構成されたクライアント端末から、ネットワーク経由でサーバー側のOS・アプリケーション・データにアクセスして処理する方式です。VDIもシンクライアントの実装方式のひとつです。ここでは、画面転送方式のうち、「VDI(デスクトップ仮想化)」「SBC型」「ブレード型」とネットワークブート方式というシンクライアントを実現する方式についてご紹介します。

VDI(デスクトップ仮想化)とは?

VDIとはサーバー上に仮想化されたデスクトップ環境を構築し、ローカルの接続元端末からネットワーク経由でアクセスする方式です。接続元端末では操作と画面表示のみを行う仕組みです。

OS・アプリケーション・データはサーバ上に集約され、接続元端末にはデータが残らないため、端末からの情報漏えいを抑止することができます。

SBC型(Server Based Computing)の仕組み

サーバーベースコンピューティング型シンクライアントも「画面転送型」に分類されるシンクライアントのひとつです。アプリケーションの起動・処理はサーバー側で行い、手元の接続元端末では、操作と画面表示のみを行う仕組みです。

特長は、サーバー上のアプリケーションを、アクセスするユーザー全員で共有すること。同一のアプリケーションを使用するため比較的低コストかつ管理がしやすいといったメリットがあります。その一方で、接続元端末それぞれが違うアプリケーションを利用することはできません。

また、サーバーへのアクセスが集中すると性能を確保しづらくなったり、アプリケーションの不具合発生が接続しているすべてのユーザーに影響を与えるといったリスクもあります

ブレード型の仕組み

ブレード型シンクライアントも「画面転送型」に分類されます。手元の接続元端末側で操作、画面表示だけを行う点はSBC型と同じです。

特長は、データセンターなどにクライアントごとの「ブレードPC」と呼ばれるハードウェアを用意する点です。ブレードPCは接続元端末ごとに用意されているため、ネットワーク経由で専用PCを使用しているようなもので、通常のPCと変わらない使用感。例えば、CADなどの負荷の高い業務でも性能を確保しやすく、アプリケーションを個別にインストールすることも可能です。

ただし、クライアントごとの先方のブレードPCが必要となるため初期コストが多大になりがちで、クライアント数が増えるとその管理も煩雑になってしまいます。

ネットワークブート方式の仕組み

前述の3方式と比べ、<ネットワークブート方式>のシンクライアントは、手元の接続元端末でサーバー上のイメージファイルを読み込み、OSやアプリケーションを起動する仕組みです。ネットワーク経由でOS・アプリケーションを起動するために、十分なネットワーク・サーバー性能が必要となり、また最初の起動にも時間がかかりますが、一度起動してしまえば、その後は通常通りサクサクとしたPC作業が行えます。

ただし、ユーザーの使用アプリケーションなどが異なる場合、その使用環境ごとにイメージファイルを用意しなければならず、イメージファイルが増えれば増えるほど、管理が煩雑になってしまいます。また、作成したデータはクライアント端末からサーバーへ転送される仕組みのため、ネットワークでの情報漏えいリスクがあります。

まとめ

シンクライアントの種類についてご紹介しました。想定されている用途やご予算、性能レベルに応じてぜひ最適な方式をご検討ください