2021.09.21

おすすめのリモートデスクトップアプリを紹介!導入時の注意点も解説

リモートデスクトップ方式とは、「リモートアクセス(リモート接続)」を実現するための技術の総称です。

まず、リモートアクセスとは、遠隔地にあるコンピュータやネットワークに接続することをいいます。リモートアクセスすることで遠隔地にいても、ネットワークを通じて組織内のコンピュータ内のファイルなどにアクセスして、普段どおり作業できます。しかし、リモートアクセスには一般的にインターネット回線を利用するため、通信の暗号化(VPN構築やSSL)などのセキュリティ対策が必須になります。

ほとんどのリモートデスクトップ方式の製品は、通信の暗号化はもちろん、ユーザーの制限などセキュリティに関する機能が備えられているので、うまく利用すれば比較的安全に遠隔地にあるコンピュータを操作することができます。

リモートデスクトップ方式の注意点

接続環境(回線のスピード)

接続環境においてインターネット回線のスピードが遅い場合は、安定して接続することができない場合もあります。一概にどのくらいの速度が必要かは製品によって異なりますが、Youtubeなどの動画鑑賞にストレスのない程度の速度は必要だと考えてください。

セキュリティへの対策

通信のセキュリティはほとんどのリモートデスクトップの製品で対応されていますが、使う側のセキュリティ意識が甘いと結局セキュリティ事故に繋がりかねません。リモートデスクトップ製品でリモートアクセスする場合は公共の場からのアクセスや、公共のインターネット回線を利用することは避けましょう。

リモートデスクトップ製品(アプリ)の選び方

対応OSの確認

OSとはアプリやデバイスを動かすための基本ソフトウェアです。リモートデスクトップを利用する場合、そのアプリが使っているデバイスのOSに対応していないと、そもそも利用できません。モバイルデバイスであればiOS(iPhone, iPad)/Android、パソコン(ノート、デスクトップ)であれば、Windows/macOSなど、組織で利用しているOSに対応しているか必ず確認しましょう。

セキュリティ

パソコンと接続するデバイスは、インターネット回線を経由して通信を行います。通信が暗号化されていることが大事ですが、もはや当たり前の機能であり、ある程度の知名度をもつ製品で通信の暗号化が行われていないものは無いといえます。それよりも、ログインするときの認証方式が2要素認証を備えていたり、ワンパスワード、PINコードなどが利用できるなど、利用する環境によって、万が一紛失や盗難にあったとしても対策が取れる仕組みを持っているかどうかで検討する方がよいでしょう。

価格

製品によっては無料のものもあります。しかし、制限がついているものが多く、サブスクリプションによって制限を解除するものが多いようです。有料のほうが良いというわけでは必ずしもありません。利用形態によっては無料のままで問題ない場合もあります。まず、組織のニーズに合っているかどうかを考え、価格はその次に検討すべき問題でしょう。

リモートデスクトップ製品(アプリ)5選

リモートデスクトップ製品として、おすすめの製品を5つ紹介します。以下の製品は、iOS(iPhone, iPad)/Android/Windows/macOSの4つのOSに対応しています。(※2021年8月時点)

TeamViewer

ドイツのTeamViewer社が提供しているリモートデスクトップ製品です。世界的に利用者が多く40万以上の企業や個人に利用されています。
日本においても知名度の高いリモートデスクトップ製品の一つです。
個人が非営利目的で利用する場合は無料で利用できます。商用の場合でも月5000円から利用できます。
有料版ではグループチャットやビデオミーティングが可能となり、チームでコミュニケーションを取りながら利用することができます。
テレワークを利用してチームで協力しながら働くのであれば、TeamViewerが適しているでしょう。

splashtop

splashtopはアメリカで最も高い評価を受けている製品です。
シンプルで使いやすいリモートデスクトップアプリとして知られています。
組織内のパソコンと操作するデバイスにそれぞれ、ソフトウェアとアプリをインストールするだけで利用できます。
個人が非営利目的で利用する場合は、同一ネットワーク内アクセスであれば無料で利用できます。
さらに、月額800円で外部のインターネットからアクセスできるようになります。
高度な暗号化通信、2段階認証、デバイス認証機能を備えており、セキュリティも万全の態勢です。

RealVNC

1999年にVNCというリモートデスクトップ製品が開発されたのち、正当な後継として開発されたのがRealVNCです。
VNCと同じチームで開発され、すでに20年以上もの歴史がある成熟したソフトウェアとして知られています。
インターネット回線の遅い時代から開発されていることもあり、比較的遅い回線でも動作するように設計されています。
日本語に対応していないのが残念ですが、個人の非営利目的の利用であれば無償で利用できます。
さらに、商用の場合でも月3.39ドルから利用でき、比較的コストを抑えつつリモートアクセス環境を実現できます。

Chromeリモートデスクトップ

Googleが開発しているリモートデスクトップアプリです。
Googleアカウントとブラウザ(Google Chrome)だけでリモートアクセス環境を無料で実現できます。
他の製品にも言えることですが、インターネット回線が安定していないと操作が不安定になることがあります。
しかし、日々改修がおこなわれており問題点があれば今後も改善されていくことでしょう。
なんといってもコストがかからないため、候補として検討することをおすすめします。

Microsoft リモートデスクトップ

Windows10 pro/Enterpriseに標準で搭載されているリモートアクセス機能です。
もちろん無料で利用できます。
Windwos10 pro以上のエディションであれば、設定からリモートアクセス機能をONにするだけで簡単に利用できるのが特徴です。
またリモートアクセス環境からは、Windowsのユーザーアカウントでログインできます。
組織でWindows10 pro以上の環境を利用しているのであれば、ぜひ検討するべきです。

まとめ

リモートアクセスを実現する製品として、比較的知名度の高い製品を5つ挙げさせていただきました。しかし、ここで勘違いしてはいけないことがあります。それは、無料より有料の製品が安心、安全なのではないかという考え方です。繰り返しになりますが、有料のほうが必ずしも良いというわけではありません。

リモートデスクトップ製品を検討する上で一番気になるのはセキュリティではないかと思いますが、少なくとも上記5つに関してはその点でいずれも甲乙つけがたいものです。さらに有料機能を使うかどうかについては、その機能が組織のニーズとコストに見合っているかを考えた上で、導入を検討することをおすすめします。