2021.11.16

ペーパーレスでテレワークを実施する利点と課題、役立つツールなどをまとめて解説

  • ペーパーレス化がテレワークに必要な理由を知りたい
  • ペーパーレスでテレワークを実施するメリットと問題を整理したい
  • ペーパーレスでテレワークを実施する時にはどのようなツールが役立つのだろう

昨今の新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、テレワークが急速に普及してきました。 テレワークの実施には、業務のペーパーレス化が欠かせません。ペーパーレス化することで、より作業の効率化やスペースの有効活用ができるようになります。
本記事では、ペーパーレス化がテレワークに必要な理由、メリットと問題、役立つツールとそれを選ぶポイントを紹介します。

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ペーパーレス化がテレワークに必要な理由

ペーパーレス化がテレワークに必要な理由は、テレワークを実施する時に紙資料は不便だからです。
紙資料は大きく分けて3つの不便な要素があります。

1つ目は、紙資料の持ち運びが不便であることです。重い紙資料を、テレワークのために持ち出すことは現実的ではなく、電子化にすることで、持ち運びの重さに苦労することはありません。

2つ目は、紙資料を持ち出すことによる破損紛失のリスクがあることです。資料の破損紛失が発生すると、業務に支障が出ます。資料を電子化することで、テレワークでも問題なく資料を閲覧できるようになり、紛失や劣化のリスクも軽減できます。

3つ目は、紙資料の承認をするための押印制度あることです。テレワークで書類を作成しても、ハンコを押すためだけにオフィスに出社することは不合理です。しかし、ペーパーレスにしてオンラインでのワークフローで承認や、電子印を活用できるようにすれば、ハンコを押すためだけにオフィスに出社する必要はなくなります。

ペーパーレスでテレワークを実施するメリット

ここでは、ペーパーレスでテレワークを実施する3つのメリットを以下の順に紹介します。

  • 業務効率向上
  • セキュリティ管理
  • BCP対策

業務効率向上

ペーパーレスでテレワークを実施するメリットの1つ目は、業務効率向上です。ペーパーレス化によって、書類はサーバー上で管理することになります。これにより、資料の共有が効率的になる上に、検索が容易になります。
また、システムへの投資は必要なものの、紙の印刷費処分費などのコストは不要になります。さらに、紙資料やプリンターなどを置くために必要だったスペースが必要なくなる上に、テレワークにより出社する従業員も減少すればさらに省スペース化できます。書類の保管場所としていたスペースを活用できるだけでなく、オフィス移転でコストを削減できた事例も存在します。

セキュリティ管理

ペーパーレスでテレワークを実施するメリットの2つ目は、セキュリティ管理です。ペーパーレスでテレワークを実施する時には、資料へのアクセス制限が可能です。これにより、サーバー上でセキュリティを管理することが容易になります。
また、資料へのアクセスについてログの管理、トレースができますので、紙の資料よりも管理がしやすいと言えます。

BCP対策

ペーパーレスでテレワークを実施するメリットの3つ目は、BCP対策です。
BCPとは、自然災害や緊急事態が生じた時にどのように事業を継続させるかまとめた計画のことです。ペーパーレスでテレワークを実施することは、BCP対策にもなります。

例えば、オフィスに火災などが発生すると、オフィスに保管してある紙資料が破損するリスクがあります。しかし、書類を電子化して管理することで、テータ損失リスクを軽減し、事業継続計画に貢献できます。
また、交通機関の停止や疫病の流行で出社できない状況になっても、ペーパーレス化していることでテレワークができ、出社できない状況になっても業務継続が可能になります。

ペーパーレスでテレワークを実施する時の問題

ここでは、ペーパーレスでテレワークを実施する時の問題を以下の順に紹介します。

  • サーバーやネットワークのトラブル対応
  • ITリテラシー向上が必要
  • システム導入コスト

サーバーやネットワークのトラブル対応

ペーパーレスでテレワークを実施する時の問題の1つ目は、サーバーやネットワークのトラブル対応です。
ペーパーレスでテレワークを実施するには、ネットワークに接続することが前提になります。そのため、サーバーやネットワークのトラブルが発生すると、資料の閲覧や共有に支障が出るリスクがあります。資料の閲覧や共有に支障が出ると、業務に大きく影響を与えることから、サーバーやネットワークのトラブル対応が重要になります。

ITリテラシー向上が必要

ペーパーレスでテレワークを実施する時の問題の2つ目は、ITリテラシー向上が必要であることです。ペーパーレスでテレワークを実施するには、ITツールを使いこなすことが必須です。ペーパーレスでテレワークを実施するためにこれまでの業務フローを見直すことになります。
これにより慣れていた仕事のやり方を変える必要があるので、慣れるまでは従業員への負担が大きくなりがちです。
また、従業員のセキュリティ対策の知識がないと情報漏えいのリスクも高まります。

システム導入コスト

ペーパーレスでテレワークを実施する時の問題の3つ目は、システム導入コストです。
ペーパーレス化には、オンライン化するためのクラウドサービスへの投資などが必要になります。
また、導入したシステムを従業員が使いこなせるようになるには経費や時間がかかるので、導入コストに見合う効果が将来得られるか考える必要があります。

ペーパーレスでテレワークを実施する時に役立つツール

ここでは、ペーパーレスでテレワークを実施する時に役立つツールを以下の順に紹介します。

  • オンラインストレージサービス
  • 電子印
  • Web会議システム
  • 勤怠管理システム
  • 社内SNS・ビジネスチャット
  • グループウェア

オンラインストレージサービス

ペーパーレスでテレワークを実施する時に役立つツールの1つ目は、オンラインストレージサービスです。
オンラインストレージサービスによって、文書、画像をクラウド上に保存でき、ファイルの共有に有効です。
また、アクセス権を設定することで細かい情報管理が可能なツールや、ファイル名やドキュメントから検索することが容易なツールも多数存在します。セキュリティにおいては、オンラインストレージサービス提供側に依存するため、安全性の高いサービスを選択することがおすすめです。

電子印

ペーパーレスでテレワークを実施する時に役立つツールの2つ目は、電子印です。

2001年に施行された「電子署名法」により、一定の条件を満たせば電子印も署名や印鑑と同じように適用されると認められました。
電子印を活用すれば、押印のためだけに出社する必要がなくなります。ただ、実印用としては有料の電子契約サービスを活用することがベターです。

参考:電子署名法の概要と認定制度について 法務省

Web会議システム

ペーパーレスでテレワークを実施する時に役立つツールの3つ目は、Web会議システムです。

Web会議システムを用いることで、テレワークでも自分の画面を相手に見せながら会議ができます。
お互いの表情が見える上に、必要であれば画面に資料を表示して説明でき、さらに参加者が見たいページを自由に見ることができる機能を備えている場合もあるので、よりスムーズな情報提供ができることでしょう。

関連サービス:日本の会議を考え抜いたWEB会議システム letaria

勤怠管理システム

テレワークを実施する時に役立つツールの4つ目は、勤怠管理システムです。
テレワークでは、従業員が働く場所はバラバラになります。そのため、就労状況把握が課題の1つになります。

就労状況の把握に活用したいのが、勤怠管理システムです。
勤怠管理システムを使えば、就労状況をリアルタイムに把握でき、有給などの各種申請も勤怠管理システム上で行えます。

社内SNS・ビジネスチャット

テレワークを実施する時に役立つツールの5つ目は、社内SNS・ビジネスチャットです。
社内SNS・ビジネスチャットを活用することで、デジタルでの情報のやりとりを安全かつ効率的に行うことができます。
ただし、私用と仕事の境界を明確にしながら使う必要があることに注意しましょう。
また、退職した従業員の扱いに関して、情報管理やセキュリティ面でのリスクが生じないよう対策を講じることも必要です。

グループウェア

テレワークを実施する時に役立つツールの6つ目は、グループウェアです。
グループウェアとは、資料や情報の共有、スケジュール管理、進捗管理を行えるツールのことです。グループウェアを活用することで、デジタル上で業務を見える化できます。これにより、業務の全体像の把握やワークフロー改善に活用できます。

ペーパーレスでテレワークを実施する時にツールを選ぶポイント

ここでは、ペーパーレスでテレワークを実施する時にツールを選ぶポイントを以下の順に紹介します。

  • 費用対効果
  • 操作のしやすさ
  • セキュリティ対策

費用対効果

ペーパーレスでテレワークを実施する時にツールを選ぶポイントの1つ目は、費用対効果です。
ツールを選ぶ時には、初期費用やランニングコストはもちろん、ツールの基本的機能と、社内業務とのマッチングも確認しましょう。
これらを検討するうちに、自社にとって必須な機能と必要のない機能を絞っていくことができることでしょう。
これにより、社内で効果をあまり発揮しないツールや、高機能すぎて使いこなせないツールを導入してしまう事態を回避できるはずです。

また、ツールのサポート体制も確認しましょう。サポート内容やサポート日時などがチェックポイントです。
ツールによっては、利用中の不明点を解決するだけでなく、ツールの導入や定着をサポートしてくれるサービスを提供しているサービスもあります。社内のリテラシーに不安を感じている時には、サポート体制が充実しているツールを選ぶとより安心です。

操作のしやすさ

ペーパーレスでテレワークを実施する時にツールを選ぶポイントの2つ目は、操作のしやすさです。
高機能でも、ツールの操作が困難だと業務効率の低下を招きます。
特に、ツールの扱い方に慣れていない従業員には、ツールの操作が困難であることはストレスとなり、ペーパーレス化の支障にもなりかねません。
また、テレワークだと近くに操作方法を聞くことができる相手もいないため、操作方法がわからくても解決できず、業務に支障が出る可能性があります。
そのため、ツールの扱い方に慣れていない従業員でも直感的に操作できるツールがベターです。

セキュリティ対策

ペーパーレスでテレワークを実施する時にツールを選ぶポイントの3つ目は、セキュリティ対策です。
昨今、テレワークは急速に普及しました。しかし、それに伴いサイバー攻撃も急増しています。テレワークでは、オフィスワークと比べてセキュリティ対策を個人で行わなければならない時が多く発生します。
また、テレワークにおいても機密性の高い情報を取り扱う機会もあることでしょう。企業や従業員がセキュリティ対策を徹底することも必要ですが、ツールもセキュリティ対策が充実しているものを選ぶことが大切です。
そのため、導入を検討しているツールで、どのようなセキュリティ対策が行われているか確認するよう心がけましょう。

まとめ

本記事では、ペーパーレス化がテレワークに必要な理由、メリットと問題、役立つツールとそれを選ぶポイントを紹介しました。

テレワークの実施には、業務のペーパーレス化が欠かせません。
ただ、テレワークとペーパーレス化を成功させるには、単にツールを導入するだけではなく、業務内容全体を見直して仕事のやり方を変えていく必要があります。
最初は、慣れない仕事のやり方に従業員がとまどうかもしれません。
ただ、新しい仕事のやり方に少しずつ慣れてもらい、効果を実感してもらうことで、あなたの会社でもペーパーレスのテレワークの実施を成功させられることでしょう。

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