2021.12.07

テレワークのツールを見直しコミュニケーションを活性化させるには

コロナ禍の新しい働き方のひとつとして定着し始めているテレワーク。オフィスにいなくてもオフィスにいる環境と変わらないレベルで仕事ができるメリットがある一方、リアルなコミュニケーションに比べて意思疎通が図りづらいというデメリットがあります。ここでは、壁となっているコミュニケーションをいかに円滑に図るか、そのためにツールをどのように使いこなすのかを中心に提案します。そして今まで見落としがちだったコミュニケーションの落とし穴などを探り、職場のメンバーに合わせた改善のヒントになりそうなポイントをまとめました。

STC診断

テレワーク導入下でのデメリットの最たる例はコミュニケーション不足

厚生労働省の参考資料「テレワークを巡る現状について」によると、緊急事態宣言の発令に伴い、例年以上にテレワーク人口が増加していることが報告されています。(※1)
厚生労働省では「テレワーク総合ポータルサイト」が設立され、国をあげてさらなるテレワークの推進に力を入れていく方針だということです。(※2)

※1 厚生労働省 「令和2年度(2020年度)テレワークを巡る現状について」
https://www.mhlw.go.jp/content/11911500/000662173.pdf

※2 厚生労働省 「テレワーク総合ポータルサイト」
https://telework.mhlw.go.jp/info/doc/

オフィスから離れた場所でオフィスにいるかのように仕事をこなすことができるテレワークにはデメリットもあります。昨今の様々なデータでは必ず上位にあげられるデメリットに「コミュニケーション不足」があります。(※3)

今までならば気軽に雑談ができたり、わからないことがあればすぐに質問できたりした環境がテレワークだと失われがちです。加えて、同僚との息抜きのランチタイムやティータイム、向き合って話しあえるミーティングの機会など、普段当たり前に行っていたコミュニケーションがテレワークだと不足してしまうことになります。

※3 総務省 「テレワークの動向と課題について」
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02tsushin02_04000048.html

文章中心だとニュアンスが伝わりにくい

文章でのやり取りは話し言葉とは違い、どうしても固いものになりがちです。さらに対面でのコミュニケーションだと察知しやすい空気感がまるで伝わってきません。上司や年齢の離れた相手とのやり取りに不安を抱える場合もあります。

業務の進行状況が確認しにくい

テレワークでは業務の進行状況を確認するためのハードルがあります。何度もチャットやメールでやり取りをするのは気が引けるものです。オフィス内であれば声をかければ済むことが、テレワークだと容易ではなくなってしまうという傾向があります。

業務以外に関する話題がなく、コミュニケーションの機会が減る

テレワーク中、コミュニケーションの円滑化を狙ってチャットツールなどで会話をする機会はよくあると思いますが、得てして内容は業務に関するものになりがちです。ちょっとした雑談や近況報告をしたいと思っても、旗振り役が不在だと会話が弾まないものです。これはリアルなやり取りでも同様かもしれません。結果として、「わざわざ個人の連絡先を使ってまで会話することでもない」と感じ、社員間でのコミュニケーションの機会はさらに減ってしまうことになりかねません。

ビジネスツールの各特性

現在は企業向けの様々なコミュニケーションツールが開発されています。連絡に特化したチャットツールやデータの共有までできるツールなど、用途に合わせて選べるようになりました。新しいコミュニケーションツールの導入にあたっては、セキュリティなどの面から社員全体が使いこなせるよう準備したいところです。

Slack

アメリカのSlack Technologies社が開発・運営するSaaS型のビジネスチャットツールです。多彩な検索機能が搭載されているので、これを使って過去のメッセージから必要なものを探し出すことが可能ですし、時間差で参加してもコミュニケーションの流れが追うことができるというメリットもあります。

検索のフェーズもチャンネルごとに、発言者で、期間を絞って……とあり、特にチャンネルごとの場合には発言のトピックを絞り込みやすく、メーラーなどに備わる検索にはない機能といえます。メーラーの検索機能は過去のメールから検索するだけなので、徒労感を感じた方も少なくないでしょう。見つけるのも一苦労で、その意味では、検索もスマートにできるSlackのほうが扱いやすいといえるでしょう。

Slackを使い始めると、参加するチャンネルが増えてきて、通知も頻繁に来るようになります。その場合、チャンネルごとに通知の設定を変えることができます。そういった柔軟さも、Slackを利用する上で重要な機能といえるでしょう。

Slackは外部のWebサービス群と連携する機能があり、Googleカレンダー、Googleドライブ、Confluence、JIRA、Trelloなど、様々なサービスと連携させることができます。例えば、Googleドライブのドキュメントに共有リクエストがあった場合、Slackと連携させていれば、各種WebサービスをSlackに集約することで様々な通知をひとまとめにして管理することが可能になります。

Slack
https://slack.com/intl/ja-jp/

Chatwork

ChatworkはChatwork株式会社が提供するクラウド型のビジネスチャットツールで、社内コミュニケーションの活性化や迅速な情報共有を可能にします。また、メールの課題であった「送信まで時間がかかる」「誤送信してしまった内容が変更できない」などといった問題を解消してくれます。

Chatworkはテキストメッセージだけでなく、ビジネスシーンで利用するデータファイルも共有可能です。また、音声・ビデオ通話にも対応しているのでオンライン会議が簡単に実施できます。既読・未読を仕分ける機能がないので自分のペースで仕事がしやすく、社員の意見を簡単に吸い上げられるアンケート機能などの細かな機能も充実しているのが特徴です。

Chatwork
https://go.chatwork.com/ja/

Microsoft Teams

Microsoft Teamsでは、「Word、Excel、PowerPoint、OneNote等のアプリをTeams の中で使用」できます。主要なOfficeアプリで作成したファイルを、チームメンバーが共同で編集できる機能はMicrosoft Teamsの最大の特徴といえるでしょう。

ExcelやWordといった普段使い慣れているツールを利用しながら、今まで以上に効率的に業務を進行できます。コミュニケーションをスムーズにするためのツールについても、たとえあなたが不慣れでも安心して利用できます。

コミュニケーションを取る手段として、テキストチャットと、ビデオ通話があります。チーム間のグループチャットはコミュニケーションを円滑にする優れたツールとなっています。メンション機能が使え「@ユーザー名」と相手を指定して、メッセージを送ることができます。何より離れた場所にいるユーザーをつなぐため、Microsoftの強固なセキュリティが最大限に機能し、ユーザーはこれを安心して利用することができます。

Microsoft Teams
https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-teams/group-chat-software

letaria(レタリア)

ドコモグループの公式Web会議『letaria(レタリア)』は、Chromeブラウザだけで利用できるシンプルなオンラインコミュニケーションツールです。従来の資料・音声中心のWeb会議に「ビデオミーティング」の機能が追加されています。

テレワーク時に不足しがちなカジュアルなコミュニケーションには、簡単操作でシンプルにビデオコミュニケーション可能な「グリッドビュー」モードで、1on1やチームミーティング活用に最適です。また、資料中心で事務局が必要な定例会議等には、セキュアにペーパーレス会議運用が可能な「プレゼンテーションビュー」モードを搭載しています。

「letaria(レタリア)」は、従来のドコモWeb会議「sMeeting(エスミーティング)」の良さを引き継ぎ、カジュアルな会議からフォーマルな会議まで必要な機能を搭載しています。シンプル&ペーパーレスの2つのモードで、ビジネスシーンの幅広いオンラインコミュニケーションのニーズに応え、その地平を拓いていくことでしょう。

letaria(レタリア)
https://www.nttcom.co.jp/dscb/letaria/

STC診断とその有効性について

STCとは、S:セキュリティ、T:テレワーク、C:コミュニケーションを指します。STC診断は、会社のテレワークレベルを多角的にセルフチェックできるWeb上の診断ツールです。

STC診断では今まで気づかなかった会社の問題点をいくつかの質問に答えるだけでS:セキュリティ、T:テレワーク、C:コミュニケーションの3つの診断軸にわけて分析し、課題を可視化します。

具体的には、《セキュリティ=B、「テレワークでの情報漏えいリスクが存在しています」》という指摘に加え、《テレワーク環境ではありますが、安全といえるレベルで整備されていません。社外とのやり取りに会社メール以外の利用や、ファイルの持ち出しができてしまい、意図せず情報漏えいにつながるリスクがあります》のように見落とされがちなリスクを顕在化させます。

また、コミュニケーションの診断軸では《コミュニケーション=B、「コミュニケーションが不十分なため不安を持つ社員も出てきているのでは」との指摘に加え、《テレワークでのコミュニケーションツールを活用し切れていないため、社員同士の意思疎通がオフィスでの業務に比べて不十分になりがちです》という問題点も表示されます。

ほかにも、テレワークの診断軸による問題的を指摘します。ぜひ試してみてください。

ショッキングな診断結果が表示される場合もあるかもしれません。しかし、会社の現状を客観的な視点でセルフチェックする機会として、無料のSTC診断を利用してみてはいかがでしょうか。

※STC診断レポートの一部です。

STC診断
https://www.nttcom.co.jp/dscb/stc/index.html

まとめ

テレワーク環境を整備するのはリアルの場合に比べて何倍も慎重さ、丁寧さが必要です。コロナ禍でテレワークの採用が幾何級数的に増加する中で、総体的かつ幅広い対応が喫緊の課題となっています。テレワークではある程度、自分のペースで仕事を進められるため、人との繋がりの意識が希薄になることがままありますが、そこを疎かにすると、大きな問題が後に発生しかねません。テレワークにはコミュニケーションの不足がつきものだという意識をみなが常に持つことが必要でしょう。そのためのツールはしっかりラインナップされています。

なお、NTTコムウェアでは自社のセキュリティ状況やテレワーク環境、コミュニケーション環境を簡単に把握できる「STC診断」をオンラインで無料公開しています。よろしければ、以下よりお試しください。

よくある質問

顕在化したテレワークのデメリットとは?

テレワークが普及するなか、様々な調査で課題として浮かび上がったのが社内のコミュニケーション不足です。雑談やランチ、退社後の会食などが減ることで、不明な点があればすぐに相談できる関係性が希薄となりました。普段当たり前に行っていたコミュニケーションがテレワークだと不足してしまうことになります。

テレワークのデメリットを解消するには

ビジネスチャットやWeb会議などのITツールの導入はもちろん、コミュニケーションを活性化させるための意識づくり、取組みも重要です。ミーティングの冒頭にはアイスブレイクの時間を設ける。また業務以外の雑談も、旗振り役が率先して行うことで気軽に話しかけづらい雰囲気を消していく働きかけが必要です。

コミュニケーションの弱点を見つけ出すには

会議の場で発言できない参加者はいなかったか、新入社員や異動してきたメンバーが進行についていけているかなど、コミュニケーションへの意識を持つことで解決できる課題があります。社内のコミュニケーション活性度を客観的に診断するためのWebツールも存在しているので、賢く使いこなしましょう。

STC診断