昨今の新型コロナウイルスの流行に伴い、急激にBCP対策の必要性が叫ばれています。NTTドコモグループでは、有事の際でも安心して業務継続できるよういち早くその取り組みを進めてきました。官民が連携した在宅勤務などの取り組みにより、働き方改革を推進する「テレワーク・デイズ」にも2017年から参加しており、NTTドコモの在宅勤務の実施率はすでに全社員の80%に達しています。ドコモグループのテレワーク普及がどのように進んだのか、今回はその取り組み事例についてご紹介します。
- テレワーク導入企業は1/4、その半数が利用者5%未満……
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自宅やサテライトオフィスなど遠隔地でも仕事ができるテレワーク。政府や自治体の呼びかけもあって、広く耳にするようになりましたが、一般の企業ではどの程度利用されているのでしょうか。
総務省2018年版の調査結果によると、「導入している、または、導入予定がある」という企業は全体の26.3%となっており、まだまだ多い数値とはいえません。
総務省 平成30年通信利用動向調査ポイント
(https://www.soumu.go.jp/main_content/000622147.pdf)さらに、テレワーク導入済みの企業においては、実際にどの程度利用されているのでしょうか。
導入企業のテレワーク利用者「5%未満」の割合が 47.0%ともっとも高い数値を示しており、まだまだ利用者が少ないのが実態です。経営層がテレワークの導入効果を理解し導入していたとしても、それほど利用されていないのです。
総務省 平成30年通信利用動向調査報告書(企業編)
(https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/pdf/HR201800_002.pdf)
- NTTドコモの取り組み 安定して在宅勤務80%以上を達成
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こうした状況の中、株式会社NTTドコモではテレワークにおける在宅勤務実施率が全社員の80%となっています。2016年度から急増しており、3年後の2018年度には80%を達成しているのです。
- テレワーク・デイズ等を通して実施率向上に向けた施策を推進
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NTTドコモでは在宅勤務の実施率の向上を実現するために、繰り返し訓練を実施してきました。2017年の第1回テレワーク・デイズに参加し、2018年の第2回には特別協力団体として参加、約5,000名規模でテレワーク・時差通勤などを組み合わせた多様な働き方を推奨しています。
2019年度の第3回テレワーク・デイズでは、全国のドコモおよびグループ会社社員の約20,000名を対象に、在宅勤務や時差通勤などを組み合わせた生産性・効率性を高める柔軟な働き方を実践しました。
また、ドコモグループ独自の取り組みとして、2019年は、7月1日(月)~9月30日(月)までを「docomoサマーテレワーク」期間とし、全国的にテレワーク推進に向けた取り組みを進めました。さらなる意識改革のため、管理者への周知の徹底、社員向けには掲示板による周知や、eラーニングを通した在宅勤務制度のさらなる認知向上も施策として実施しました。
さらに、2019年7月22日は、「仕事と休暇を両立する新しい ライフスタイル」を推進する「リゾートテレワーク in 軽井沢」(主催: 軽井沢リゾートテレワーク協会主催、後援:総務省)に、企画および運営で協力しました。3Dアバターを活用したヴァーチャル会議(XRテレプレゼンスミーティング)の実施や、森の中でオフィスワークの実演を展開しています。
- 台風15号の際も平常時と同様に柔軟に業務を継続
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このようなテレワーク普及に対する取り組みが功を奏したのは、2019年9月9日の台風15号に伴う交通機関の計画運休の際でした。
ドコモグループの1社であるNTTコムウェアでは、当日、いち早くマネージャーから社員へチャットを通して「安全第一で、無理に出社することなく自宅や近隣のシェアオフィスでの業務を推奨する」という指示が入りました。それにより、交通機関が麻痺しても、各社員と上長が連絡を取りながら自宅あるいはシェアオフィスで勤務スタートすることができたのです。
これらは、当たり前のようにテレワークができる風土と、日常から業務をテレワークで実施していたため、有事の際にも、通常通りに柔軟な対応が可能となったのです。
昨今も新型コロナウイルスの流行により、急激にBCP対策の必要性が叫ばれています。有事の際でも安心して業務継続できる環境づくりに向けて第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。