2021.11.02

気軽に会えない時代こそリモートワークにおける雑談で、コミュニケーション力を磨こう!

新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの企業においてリモートワークが導入されました。働き方改革の観点からも「新しい働き方」として定着し始めています。

リモートワークの普及は、感染リスクの減少だけでなく、業務の効率化や従業員の負担を減らし、ひいてはワークライフバランスが取りやすいといったメリットあります。その一方で、導入したことにより、日々のコミュニケーションが取りづらく、環境によっては誰とも会話が無いまま一日の業務が終了してしまい孤立感がある、といったデメリットも浮き彫りになっています。

会話やもっと気軽な雑談が減ったことが、リモートワークにおけるコミュニケーションの課題のひとつとして考えられるでしょう。雑談は仕事上でのヒントや気付き、さらには学びにもつながるチャンスでもあります。

リモートワークにおける雑談の重要性(雑談が全く無いと息苦しくなる)

雑談が一切無い状態というのは、自分のペースで業務が行えるため、目先の効率化にはつながります。

しかし一人で業務を行うとなると、業務で行き詰まる場面や、困難に直面したときなど、気軽に誰かに相談できないという一面もあります。特に成績の達成を目標とする業種では、達成できていない結果のみがクローズアップされがちです。

一般的に雑談とは、リラックスした状態で会話を行うため、形式ばった会議とは異なり、資料や準備も不要で、緊張せずに発言ができます。雑談はアイデアを気軽に発言しやすい環境なので、会話が自然と構築され、雑談から意外なアイデアやヒントが飛び出す場面も多くあります。

また、チームでプロジェクトを進めるためには、コミュニケーションはできるだけ単調にならず、また一方通行にならないために、雑談的会話を交えて、相手の考えなどを聞き取っていく事が重要になります。上司からの単なる指示伝達のみでは、一方的なコミュニケーションになりがちです。役職の上下に問わずに行われる雑談は、その欠けた部分を補うものになります。

チームワークの形成には、いずれも日常的なコミュニケーションによって培われる部分があり、そのためには雑談が大きな効果を発揮します。雑談を行うことで、より心理的な距離が近くなるのです。そのため困ったときにはお互いにサポートしあう環境というのが自然と整いやすくなり、仕事に関わるコミュニケーションが活性化され、チームワークの形成が可能となります。

リモートワークでの孤立を防ぐために、雑談を有効活用する(環境の変化に伴って起こるメンタルの変調に優しく取り組み、それを全体で考える)

リモートワークが浸透し、ワクチン接種率が6割を超える現在でも、コロナウイルス感染症による社会的、心理的な負荷の影響は継続しており、リモートワークによる孤立がメンタルヘルスに及ぼす影響も見過ごせません。厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症に係るメンタルヘルスに関する調査(令和2年)」では、2020年2月から7月にかけて「何らかの不安を感じていた」人の割合は6割前後となっています。(※1)

※1 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に係るメンタルヘルスに関する調査の結果概要(令和2年)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/gaiyou.pdf

これまでの勤務形態であれば、困難な局面に対してのアドバイスがその場で貰え、仕事の配分を変えて分業することが比較的スムーズに行えました。何気ない日常での会話のなかに精神的なストレス緩和の効果や、行動的に分業を促すきっかけが見つけやすいなどの利点があり、さらには業務で追い詰められにくいといった不安感の軽減などもあり、コミュニケーションで解決できる場面も多かったでしょう。

感染症対策とはいえ、長期間にわたり、極端に他者との接触を制減され、対面での会話が困難な状況が続いている状況が想定されます。このようにリモートワークを導入することによって生まれる孤立は、容易にひきこもりの状態に陥ってしまう危険性も孕んでいます。

孤立や孤独は世界的にも問題になっており、イギリスをはじめとして孤独専門対策の省庁が設置されていて、日本でも2021年2月に内閣官房内に孤独・孤立対策室が設立されました。ソーシャルメディアとの関わりがクローズアップされがちですが、仕事を通じたコミュニケーションで社会とのつながりを持ち、かつ会社への帰属性も失われにくいといった取り組みも重要となります。

リラックスした状態での雑談は、日常の安心を感じられる有効な手段になります。

具体的なリモート雑談の方法(リモートでの雑談はルールを決め、雑談時間を設ける)

いわゆる雑談部屋を設置することでコミュニケーションの円滑化を模索する動きがありますが、それだけでは、なかなか雑談への参加率が上がらないことがあります。そのため、雑談時間を設けるというのは有効な手段でしょう。たとえば、オンライン会議システムなどを活用し、あらかじめ雑談の時間を決めておく方法があります。

チャットツールでは、雑談部屋にいつ誰がいるのかを毎回確認がする必要があるため、タイミングが合わず、リアルタイムでの雑談が難しい場合もあります。しかし、オンライン会議システムで時間を決めておけば、所定の時間にメンバーが集まるため、リアルタイムで雑談が可能になります。さらに、口頭の雑談が可能なため、より活発なコミュニケーションを期待できます。

たとえば、ランチタイムやコーヒーブレイクタイムを活用すると、より親近感のある雑談が可能になり、アイデアや意見、リモートワークの悩みを出しやすくなるかもしれません。しかし、育児中や介護中のメンバーが多い場合、食事の時間調整が難しいので、少しピークタイムから外す等の柔軟な時間設定が重要になります。加えて雑談の強要になる場合があるので、それぞれの環境においての調整が必須です。

あらかじめ雑談の制限時間を設定し、ルールを決めておくことも大切です。切り上げるタイミングを気にする必要がなくなるため、より雑談を楽しむことができます。頻繁に雑談の機会があることで、参加者が発言しやすい雰囲気を作ることができます。

おすすめの雑談ツール(オンとオフの区別をつけやすくするツールがおすすめ)

リモートワークでの雑談は、なんらかのコミュニケーションツールの利用が必須です。日常業務で使用しているコミュニケーションツールを使用するのも1つの手段です。

あるいは、カジュアルな雑談を目的にしたツールを活用するのも有効でしょう。雑談に活用できるサービスについて、代表的な2つを紹介します。

NeWork

  • 会議をセッティングしてURLを送らなくても、時間を指定してバーチャルオフィス上の会議室にアバターが集まれば会議スタート。
  • ミーティングや会議の場はオープンだから飛び入り参加もOK。
  • 同僚のアバターに近寄って立ち話感覚でライトに話しかけて雑談スタート。
  • 直観的に操作できるバーチャルオフィスで、テレワークでも実際のオフィスの距離感で会議やチャットが行えるツールです。
  • 国内サーバだからセキュリティも安心。

Remmoty

  • バーチャルオフィスツールで、リアルタイムのオープンコミュニケーションをとれることが最大の特徴です。仮想のオフィスの中に各メンバーの座席スペースが用意されており、ライブカメラ映像によってお互いの顔や様子を確かめることができます。実際にオフィスで机を並べているのに近い感覚で利用できるツールです。
  • 入退室のログ管理やスケジュール管理も同時に行える仕様になっており、チーム全体の労働状況をメンバーで共有することができます。ボタンひとつでオンライン会議を始めることも可能で、雑談だけでなく日常業務をサポートする機能も充実したツールと言えます。

リモートで雑談を行う際のポイント(話し上手は聞き上手)

リモートでの雑談は、その場の空気を感じながらの会話が難しいため、沈黙が続いたり、反対に切り上げるタイミングがわかりづらかったりという点が課題の1つです。

この課題を解決しながらリモート雑談を円滑にするためには、視覚的な情報を使い、会話を盛り上げることが有効です。直接対面する雑談では、目についたものから会話を広げる場面が多く見られます。リモートワークの場合は、画面を共有することで、相手との会話のきっかけを増やすことができます。また、画面を共有することで、メンバーがライブ映像で参加するかどうかの意思決定も容易になるため、参加率も上がりやすくなります。

ところで、冒頭にアイスブレイクを入れて、場の空気が和んだところで、本題に入る場面は多々見られると思います。しかし会話がそれほど得意ではないメンバーがいる場合は、何気ない会話をするということ自体、ハードルが高くなりがちです。円滑なコミュニケーションを図るという目的の雑談が、それを無理強いすることにつながり、逆にコミュニケーションの足かせとなってしまいかねません。参加メンバーに合わせた話題で各々が負担になりすぎない工夫があると、より安心感が高まり、チーム内の環境も整うのではないでしょうか。

まとめ

雑談は自由なアイデアやヒントの宝庫であり、仕事をする上でも重要なコミュニケーション手段といえます。リモートワークでは実際に対面での雑談の機会が少なくなってしまいますが、工夫次第ではオフィスの中にいるような感覚で雑談をすることも可能です。

雑談ツールや雑談部屋を活用すれば、オフィスではあまり顔を見かけることもなかった同僚ともつながりやすくなるというメリットもあります。関係各所と積極的なコミュニケーションを図ることは、仕事の内容全体の見通しをつけやすく、現在の自分自身のポジションや進捗状況、新たな課題も見つかるかもしれません。

雑談は、チームワーク形成や孤立化を防止し、社会性の維持や会社への帰属意識を高める点でも役に立ちます。リモートワークだからといって雑談をあきらめず、工夫を行い、それでいて雑談を強要することのない環境づくりを全員で考えながら、活発なコミュニケーションを促すことが重要です。