エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:栗島 聡、以下 NTTコムウェア)は、4月21日より、社会インフラ分野における設備のデジタルツイン化と設備関連業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)により、設備の新規計画から維持、更改・廃棄までの一連の管理業務を総合的に支援し、社会インフラのサステナビリティ(持続可能性)とレジリエンス(回復力)の向上をめざす新事業ブランド「SmartMainTech®(スマートメインテック)」の提供を開始します。

 NTTコムウェアでは、これまでNTTグループの膨大な通信設備管理に関するシステム開発運用を担ってきたことに加えて、画像認識AI「Deeptector®」をはじめとしたAIやデータサイエンス技術のインフラ業界への社会実装により、通信設備や電力設備、道路等さまざまな社会インフラのメンテナンス業務を支えてきました。NTTコムウェアが提供する「SmartMainTech」は、こうしたインフラ分野での技術活用の実績とノウハウを体系化し、通信事業に加え、エネルギー事業や都市開発事業といった社会インフラ事業者向けにデジタル技術を活用した新しいインフラメンテナンスを推進するトータルソリューションブランドです。

 本ソリューションブランドは、社会インフラ設備のデジタルツイン化により、設備稼働率の向上や、設備投資の最適化を実現するとともに、設備関連業務のDXにより、現場作業の効率化と作業安全向上の両立に貢献します。また、これらを通じて、設備メンテナンス&オペレーションのサイクルをトータルに支援します。

SmartMainTech


 本ソリューションブランドは、設備のライフサイクルプロセスを総合的に支援するため、今後、ソリューションブランドを構成するプロダクト(製品・サービス)ラインナップの拡充を加速します。第一弾としてAI施工検査サービス「Infratector® typeC」、現場とオフィスのコラボレーションで生産性向上を実現する「フィールドコラボ」の提供を本日より開始します。

 「Infratector typeC」は、日本初の通信設備工事における※1施工検査特化型のAIサービスです。さまざまな検査基準・撮影ルールに対応した撮影ガイド機能をもとに、工事作業員が施工結果の写真を撮影し、NTTコムウェアの画像認識AI「Deeptector」を用いて、適切に施工が完了しているかを自動で判定します。NTTコムウェアのAI技術を建設現場の施工検査業務に適用することで、生産性向上やスキルレス化によるDXを実現します。(別紙1参照)
※1:電柱の施工工事(設置位置・角度など)のマーケットにおいて類似商品がないことを確認 (2020年2月時点における、当社調べ)

 「フィールドコラボ」は、インフラメンテナンス工事の作業現場とオフィス(事務所)をつなぎ、リモートでの工事支援と工事進捗のリアルタイム共有・可視化を実現するサービスです。映像を用いた遠隔での業務支援や、ビジネスチャットと業務管理を融合させることにより、新たなデジタルツール等の現場への導入を支援するとともに、現場管理者を煩雑な工事管理業務から解放します。(別紙2参照)

 NTTコムウェアでは、AI・データサイエンス技術の高度化とビジネスパートナーとの協創により、ソリューション開発とターゲット市場展開を推進し、社会インフラ事業者が取り組むべき課題解決を支援し、スマートワールドの実現に貢献します。「SmartMainTech」においては、5年後の売り上げ目標(累積)100億円をめざします。


<別紙1>


AI施工検査サービス「Infratector® typeC」


1.「Infratector typeC」サービス概要

 「Infratector typeC」は、日本初の通信設備工事における※1施工検査業務に特化したAIサービスです。さまざまな検査基準・撮影ルールに対応した撮影ガイド機能をもとに、工事作業員が施工結果の写真を撮影し、NTTコムウェアの画像認識AI「Deeptector®」を用いて、適切に施工が完了しているかを自動で判定します。(判定プログラムについて特許出願中)
 「Infratector typeC」をトライアル利用した通信建設企業において、検査の品質向上や使い勝手といった点で好評を得ることができ、施工検査業務の効率化に効果を発揮することを確認しました。
(「3.「Infratector typeC」導入効果」参照)
 「Infratector typeC」は、AIの学習済みモデルをSaaS型サービスとして提供するため、利用企業側での教師データの準備やチューニング作業は不要※2であり、業界基準に沿ったAIサービスを低コストで迅速に導入することが可能です。また、利用者である工事作業員は、アプリをスマートフォン等の端末にインストールするだけですぐに利用を開始できます。
 社会インフラ領域における生産性の向上が課題視される中、特に通信分野のインフラでは、昨今5Gへの大きなトレンドシフトが顕著になり、無線設備の工事に対応するための人材不足が深刻化しています。そのため、工事量が急増する5G工事へ従来の光ファイバー設備工事からの人的リソースシフトや技術者支援を実現することが急務となっています。
 「Infratector typeC」は、このような業界全体が共通的に抱える課題に対して、AI技術を用いて施工業務の自動化を図ることでDXを推進し、生産性向上やスキルレス化に貢献します。
※1:電柱の施工工事(設置位置・角度など)のマーケットにおいて類似商品がないことを確認 (2020年2月時点における、当社調べ)
※2:学習済みモデルを使用する場合
   2021年4月21日時点では通信建設現場の施工検査に対応しています。順次対応範囲を拡大していきます。


図1. 「Infratector typeC」導入前後のイメージ
図1. 「Infratector typeC」導入前後のイメージ


2.「Infratector typeC」特長

 「Infratector typeC」は、撮影ガイド機能とAI機能で構成されています。通信インフラの安定運用を支えるための重要かつ人手による手間のかかる品質検査(施工検査)において、技術者不足やノウハウ継承、検査品質の均一化等の課題を解決する3つの特長を備えています。

(1)ガイドで誰でも簡単撮影

 撮影ガイド機能・AI機能を簡単に使えるスマートフォンアプリで提供。撮影ガイド機能は、施工写真の撮影に最適化された撮影用フレームをスマートフォン画面上に表示することで、誰でも簡単に正しい写真を撮影可能。

(2)高精度AIが施工良否を自動判定

 AIが、施工結果の写真をもとに、施工の基準に適合しているか否かを自動で判定。NTTコムウェアの画像認識AI「Deeptector」を用いた技術により、写真からの物体検出に留まらず、物体の色や長さ、取り付け順序など、複雑な判断条件を処理できるため、人間が行っている複雑な検査を正確に代替可能。

(3)施工結果の良否をリアルタイムに判定

 撮影ガイド機能で撮影した施工写真をもとに、その場でAIが施工結果の良否をリアルタイムに判定することが可能。即座に検査結果を確認できるため、撮影・施工ミスがあった場合もその場で対処が可能。

図2. 「Infratector typeC」の機能
図2. 「Infratector typeC」の機能


3.「Infratector typeC」導入効果

 通信建設企業でのトライアル利用を通じて、「Infratector typeC」の3つの導入効果を確認しています。

(1)写真撮影のスキルレス化

 施工完成基準の追加や変更に伴うマニュアル作成・配布や研修・習熟のためのコスト削減など、幅広い範囲での省力化に寄与。5G工事の拡大に伴う工事完成基準の変化にも対応し、技術者支援を推進。

(2)検査の効率化

 撮影ガイド機能による写真撮影時間の短縮や撮影ミスの抑止、またAI機能による検査効率・精度向上で検査の効率化を実現。5G工事の拡大に伴う検査件数の増加にも対応可能。

(3)手戻りゼロ化推進

 施工現場で検査結果がリアルタイムにわかることにより、手戻りのゼロ化を推進。※3施工検査業務が効率化されるため、より多くの件数の工事が可能となり、5G工事の急増に対する人的リソースシフトを促進。
※3:通信建設業界の複数社で実施したトライアル利用時において、手戻り回数ゼロ回を確認

4.提供開始日

2021年4月21日

5.料金

利用企業の導入規模・施工検査件数により個別見積り

6.商品ホームページ

https://www.nttcom.co.jp/smtech/infratectortypec/


<別紙2>


現場とオフィスのコラボレーションで生産性向上を実現する「フィールドコラボ」


1.「フィールドコラボ」サービス概要

 「フィールドコラボ」は、NTTの通信基盤を支える中で培ってきたコミュニケーション基盤の技術を活かし、インフラメンテナンス工事に関わる作業現場とオフィス(事務所)をつなぎ、リモートでの工事支援と工事進捗のリアルタイム共有・可視化を実現するクラウドサービスです。
 オフィスにおいて作業現場の管理を行う「現場管理者」が、現地の「現場作業者」を映像と音声で支援する「遠隔支援機能」、現場から工事進捗を手軽にチャットで報告できる「チャット報告機能」、これらのやり取りした内容を自動で工事案件ごとに保存し工事の進捗を可視化する「工事進捗管理機能」を提供します。「フィールドコラボ」を活用することで、新たなデジタルツール等の現場への導入を支援するとともに、管理者を煩雑な工事管理業務から解放します。

 昨今、社会インフラの老朽化が進み、インフラメンテナンス関連工事が増加している一方で、現場では新たな技術への対応が求められています。加えて建設業においても時間外労働の上限規制適用が予定されるなど、デジタル技術の活用による現場業務の効率化が課題となっています。また、一般的に工事を行う場合、現場作業者の安全確保のため安全管理を行う現場管理者を配置する必要がありますが、工事の増加や報告・管理事項の増加(工事進捗、証跡写真、各種チェックリストなど)により、一人の現場管理者が管理する工事現場の数や管理事項は増大傾向にあります。「フィールドコラボ」は、現場(フィールド)で働く現場作業者と現場管理者のオフィス業務をシームレスにつなぎ、ひとつのチームとなって働く(コラボ)環境を提供することで、現場と管理部門、双方の効率化を実現します。

図1. 「フィールドコラボ」サービスイメージ
図1. 「フィールドコラボ」サービスイメージ


 今後「フィールドコラボ」は、「ドコモAIエージェントAPI®」との連携を予定しており、実用化に向けた検証を進めています。「ドコモAIエージェントAPI」との連携により、音声入力による報告書作成や、音声読み上げによる対話式でのチェックリスト確認実施等が可能となり、現場作業員の報告のハンズフリー化等、さらなる生産性向上・安全性向上につなげます。NTTコムウェアは「フィールドコラボ」を提供することで、メンテナンス業務におけるコミュニケーションを促進し、スマートシティの実現をめざします。

2.「フィールドコラボ」特長

(1)映像・音声による遠隔作業支援

 現場作業者が「遠隔支援機能」により、現場の映像をスマートフォン等で撮影し、遠隔にいる現場管理者に視点共有することで、現場管理者は現場の状況に応じたアドバイス・指示や結果のチェック、安全確認等を行うことが可能となります。さらに、「遠隔支援機能」によるやり取りは自動で業務管理データベースに蓄積され、案件に紐づけて保存されるため、工事証跡としての活用も可能です。

(2)ビジネスチャットからの報告

 工事案件を登録することで、現場作業者と現場管理者のコミュニケーション用チャットルームが、利用中のビジネスチャットにおいて自動的に作成されます。普段利用しているビジネスチャットと同じツールで報告が可能となるため、作業員は別のアプリを利用することなく、気軽に簡単に、報告を行うことができます。

(3)工事進捗管理

 映像・音声による遠隔作業支援ログと、チャットによる報告内容は、業務管理データベースに自動で蓄積され、工事進捗に反映されます。現場管理者は、同時並行で実施されている工事の進捗や課題を一元的にリアルタイムに把握できるようになるため、現場作業者へのタイムリーかつ適切な工事指示が可能となります。また、工事証跡としても活用が可能です。

3.「フィールドコラボ」サービス構成

 現場作業者は、モバイル端末からビジネスチャットアプリを用いてサービスを利用します。また「フィールドコラボ」はAPI連携によりさまざまな現場支援ツールとの連携が可能です。

4.「フィールドコラボ」利用イメージ・導入効果

 現場作業者が現地に到着すると、チャットで開始報告を行います。作業中に不明点や確認点が生じた場合、「遠隔支援機能」を用いて、現場管理者に映像と音声を共有しながら確認・相談を行います。作業完了後は、チャット経由で写真を添付します。これらのやり取りは逐次工事進捗データベースに反映されます。

図2. 「フィールドコラボ」利用シーン
図2. 「フィールドコラボ」利用シーン


 「フィールドコラボ」は、通信建設企業におけるトライアル利用により、現場管理者については、円滑な工事進捗管理の実現による効率化や作業漏れ防止などの工事品質の向上、現場作業者については、チャットからの報告による効率化に加えて、現場管理者との手軽なコミュニケーションによる報告・連絡・相談の頻度と品質の向上を確認しています。現場管理者については約20%〜30%の工数削減、現場作業者については約10〜20%の工数削減につながることが期待できます。

5.提供開始日

2021年4月21日

6.料金

利用企業の導入規模・使用条件により個別見積り

7.商品ホームページ

https://www.nttcom.co.jp/smtech/fieldcollabo/

※「SmartMainTech」はNTTコムウェア株式会社の登録商標です。
※「Deeptector」はNTTコムウェア株式会社の登録商標です。
※「Infratector」はNTTコムウェア株式会社の登録商標です。
※「フィールドコラボ」はNTTコムウェア株式会社の出願中商標です。
※「ドコモAIエージェントAPI」は株式会社NTTドコモの登録商標です。
※その他、記載されている会社名、製品名、サービス名は、各社の商標または登録商標です。







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