エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社
株式会社HBA


 エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:黒岩 真人、以下NTTコムウェア)と、株式会社HBA(本社:北海道札幌市、代表取締役社長:伊藤 尚樹、以下HBA)は、IOWN構想を見据えて、ロボット運用に適したデータセンター(以下、DC)の検討を目的とした共同実証実験を3月から開始します。本実証実験では、HBAの自動巡回ロボット「HSR(HBA SMART ROBOT)」を活用しDCの運用状況把握や障害検知時の回復措置を行い、収集されたデータや稼働状況をNTTコムウェアのデータ分析・活用基盤「Smart Data Fusion」等のデジタルツイン上にて蓄積・分析し、DC運用業務省人化のライフサイクルについて検証を行います。

 デジタル化の進展、クラウドサービスの発展等により、DCの需要は高まっています。DCの運用にあたっては、サービス品質維持のため24時間365日、監視や巡回などが必要です。しかし、労働人口減少で人材確保が困難になり、運用品質の低下やコストの増加が懸念されています。また、機器の状況確認や問題発生時の回復措置については、現場での作業が必要な場面も多く、コロナ禍におけるエッセンシャルワーカーの感染予防対策も新たな課題となっています。
 ロボットや人工知能(AI)の進化により、DCにおけるロボット活用の取組みは増えていますが、完全無人化に向けてはまだ技術的課題があります。NTTコムウェアとHBAは、IOWN構想におけるディスアグリゲーテッドコンピューティング*1のコンセプトに基づくDCの実現をめざして協業し、完全無人化に向けた1ステップとして、DC運用業務省人化のライフサイクルを確立するための実証実験に取り組みます。
*1 ディスアグリゲーテッドコンピューティング: 光の持つ高速性、低消費電力性、低損失性を最大限引き出すハードウェアやソフトウェア構成、制御方式の組み合わせにより、これまでのコンピュータと異なる圧倒的な高性能を実現するもので、個々のサーバを管理しサーバ間でデータをやりとりするという概念からCPUやメモリ等のリソースを直接光で接続しラックスケールやデータセンタースケールのひとつのコンピュータとして扱う考え方

データセンター運用業務の省人化ライフサイクル
データセンター運用業務の省人化ライフサイクル

 実験開始にあたり、HBAが発電所における設備点検で蓄積したノウハウをもとに開発した自動巡回ロボット「HSR」により設備現況情報を収集、デジタルツインを構築しています。本実証実験では、このデジタルツイン上で、DC運用に関するデータを収集し、NTTコムウェアのデータ分析・活用基盤「Smart Data Fusion」やAI等を用いて障害予測や異常検知、その状況に応じたロボットによる回復措置等のアクションについて検証します。ロボットや機器などの「リアル空間」と、映像・センサー・位置情報等によりサイバー空間上にモデル化された「デジタルツイン」との間では大容量データ送受信が必要となり、ロボットによるアクションのタイムラグ解消等も実用化への課題となります。そのため、実用化にあたってはオールフォトニクス・ネットワーク(以下、APN)*2による超高速・大容量通信を前提とし、本実証実験においてはNTTコムウェアのAPNテストベッド環境を用いて検証を行います。
*2 APN(オールフォトニクス・ネットワーク):フォトニクス(光)をベースとした技術で低消費電力・高品質・大容量・低遅延の伝送を実現するネットワーク

 両社は、ロボットを活用したDC運用業務の省人化ライフサイクルの確立に向けて、2022年度早期に基本的な技術検証を完了し、ユースケースを検討、実運用に向けた実装を行い、2024年度商用化をめざします。さらに、IOWN構想におけるDCの新しい姿を見据え、ロボット利用を前提としたDCの設計や完全無人化による運用高度化(ゼロタッチ・オペレーション)の実現に向け、連携していきます。
※本実証実験内容の一部については、3月9日より開催される2022国際ロボット展で展示予定です。
【2022国際ロボット展(主催者HP)】https://biz.nikkan.co.jp/eve/irex/
※IOWNは日本電信電話株式会社の商標又は登録商標です。




【別紙】

実証事業概要

1.目的

データセンター無人化にむけた運用業務の省人化ライフサイクルに関する検証

2.実施期間、場所

    実験期間 2022年3月〜2023年3月
    実施場所 NTTコムウェア幕張拠点および加須ビル

    3.本実証実験内容

    ・DC内において、自動巡回ロボットおよび各種センサーを用いて情報を収集し、データレイクによる設備情報の一元管理および可視化(デジタルツイン化)を実現。
    ・時系列に沿ったデータ分析やAI活用により、異常検知や障害予測を行い、その結果に基づき、ロボットにてアクション可能な措置を実験、省力化可能な運用業務を検証
    ・IOWN構想における超高速・大容量通信を前提としたデータ転送等を実現・検証するためのAPNテストベッド環境の構築

    4.各社の役割

      ・NTTコムウェア デジタルツインおよびAPNテストベッド環境構築、
      データ分析基盤および4D可視化ソリューション提供、データ分析およびAI活用ノウハウの提供、データセンターの運用保守業務ノウハウ提供
      ・HBA 自動巡回ロボットおよび各種センサー、データ収集および点検ノウハウの提供、データセンターの運用保守業務ノウハウ提供

      図1デジタルツイン化(イメージ)
      図1デジタルツイン化(イメージ)  

      図2 自動巡回ロボット HSR(HBA SMART ROBOT)
      図2 自動巡回ロボット HSR(HBA SMART ROBOT)





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