
- VDIのメリットは
- VDIのデメリットは
- VDI導入前に確認しておきたい点を知っておきたい
コロナ禍において、多くの企業が緊急的にリモートワークを導入しました。
そしてニューノーマルの時代に突入してもなお、リモートワークの利用は拡大する傾向にあります。
今回の記事では、VDIの基礎について復習をした後、メリットとデメリットについて具体的にご紹介し、メリットデメリットを踏まえた上で、VDIを導入する前に確認しておきたいポイントについても合わせてご紹介します。
VDIのメリットを理解するために基礎知識をおさらい
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VDIのメリットについてご紹介する前に、ここでは、VDIとはどのようなものなのか、基礎知識についておさらいをしていきましょう。
VDIとは、デスクトップ環境を仮想化させサーバー上に集約し稼働させたもののことを指し、社外にいながら社内コンピュータにアクセスすることができるシステムです。
なお、VDIには大きく分けて2つの意味があります。
広義としては仮想デスクトップ全体を指し、狭義としては、シンクライアント実現のための方式を指します。
※シンクライアント:データの記憶や処理は別途用意されたサーバー側で行い、クライアント側ではノートパソコンやスマートフォンタブレットなどを用いて操作を行う構成のこと。
VDIの提供方式としてはVDI方式、SBC方式、HDI方式、DaaS方式の4種類に大別されます。
それぞれの方式の詳細について知りたい方は、以下の記事でご紹介しているので是非ご覧ください。
VDIを導入することのメリット
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VDIの導入にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、VDIを導入することによるメリットについて、大きく3つの観点からご紹介します。
- リモートワークの実現
- 一元管理が可能
- 事業継続の対策として有効
それでは、一つずつ解説します。
リモートワークの実現
VDIを導入することのメリットの1つ目は、リモートワークの実現です。
リモートワークに必要なインターネット環境さえ用意することができれば、時間や場所を選ばずに社内PCにアクセスすることができます。
リモートワークが実現されることで、社内業務をより効率的に行えるようになるだけでなく、働き方の幅を大きく広げることが出来ます。
一元管理が可能
VDIを導入することのメリットの2つ目は、一元管理が可能なことです。
VDIを導入していれば、1台の端末にデータを集約することができるため、より高いセキュリティのもと業務を行うことができるようになります。
VDIを導入していない場合は従業員それぞれの端末にデータを用意する必要があります。
そのため、セキュリティや情報漏えいのリスクが高くなることが懸念されます。
事業継続の対策として有効
VDIを導入することのメリットの3つ目は、事業継続の対策として有効なことです。
VDIを導入することで、事業継続の対策につなげることができます。
昨今は新型コロナウイルスの流行・緊急事態宣言の発令などにより、出社してオフィスでの業務が難しくなり、その結果、事業継続に関する議論が注目されるようになりました。
VDIを導入していれば、出社せずに自宅にいながら業務を進めることができるので、結果として事業の継続性を担保することができます。
日本は自然災害大国であるため、今後も台風や地震などによって出社できなくなるリスクがありますが、VDIを導入していればそのようなリスクの中でも、事業を継続させることができます。
VDIを導入することのデメリット
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VDIの導入には様々なメリットがありますが、一方でデメリットを知っておくことも大切です。
ここでは、VDIを導入することによる代表的な3つのデメリットについてご紹介します。
- インターネット障害に対して脆弱
- サーバーのパフォーマンスが影響する
- 導入費用が必要
それでは、一つずつ解説します。
インターネット障害に対して脆弱
VDIを導入することのデメリットの1つ目は、インターネット障害に対して脆弱なことです。
VDIはインターネット環境に大きく依存する仕組みです。
例えばインターネットの障害が発生した場合、VDIに接続できなくなってしまうため通常業務を行えなくなってしまう懸念があります。
またインターネット回線速度が遅い場合にはスムーズに動作することができなくなるため、社内業務に支障が出たり、大きなストレスを感じたりする場合もあります。
社内データのVDIへの集約率が高ければ高いほど、そのような障害が発生した際に大きな影響を受けてしまうことが懸念されます。
サーバーのパフォーマンスが影響する
VDIを導入することのデメリットの2つ目は、サーバーのパフォーマンスが影響することです。
VDIサーバーのパフォーマンスは、処理速度や処理能力に大きな影響を与えます。
サーバーのパフォーマンスが低い場合、正常に業務を行うことができないことや業務のストレスを感じることがあります。
サーバーの処理能力を超える処理はできない為、導入をする際には業務に必要十分なスペックを持つサーバーを用意する必要があります。
導入費用が必要
VDIを導入することのデメリットの3つ目は、導入費用が必要なことです。
VDIの導入には少なくない導入費用が必要になります。
ハードウェアとソフトウェアの導入費用を合わせると、最低でも20万円から30万円程度の費用がかかることが一般的です。
また導入をした後もハードウェアリソースの追加や想定以上の運用負荷が発生する可能性があり、その際には追加費用を負担して設備を拡張する必要があります。
VDIのメリットとデメリットを理解して導入しよう
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ここでは、VDIの導入にあたり考慮しておくべき2つのポイントについてご紹介します。
- 現状を把握した上での適切なサイジング
- 導入後のメンテナンス・運用体制も事前設計
それでは、一つずつ解説します。
現状を把握した上での適切なサイジング
VDIの導入にあたり考慮しておくべき2つのポイントの1つ目は、現状を把握した上での適切なサイジングです。
VDIを導入する際には、現場の業務内容を十分に把握し、その上で業務に必要なスペックのVDI環境を整えることが大切です。
VDIサーバーのサイジングを適切に行うことで、コストに見合った作業環境を手に入れることができます。
導入にあたっては事前にテストを行うなどして、必要となるCPU性能、メモリ容量、ストレージなどのリソースを把握しておくと良いでしょう。
導入後のメンテナンス・運用体制も事前設計
VDIの導入にあたり考慮しておくべき2つのポイントの2つ目は、導入後のメンテナンス・運用体制も事前設計することです。
VDIを導入した後には、定期的にメンテナンスを行うようにしましょう。
また、VDI導入時には運用フローも事前に整えておくことが大切です。
運用を続けている中で、VDIに障害が出たり、業務に合わせたVDI環境変更の必要性やユーザー数の増加によるスケーリングの必要性が生じたりする可能性があります。
迅速な対応でスムーズに運用するためにも、社内でVDI運用に関するマニュアルを作成するなどして、スムーズな運用ができるようにしましょう。
まとめ
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VDIのメリットやデメリット、またVDIを導入する際に考慮するべきポイントなどについてご紹介しました。
VDIを導入することで、セキュリティを強化して業務の幅を大きく広げられることなどのメリットがあります。
VDIを導入する前には、社内業務における必要性やVDIの特徴について十分に考慮して慎重に導入を進めることが大切です。
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