2021.10.18

ペーパーレス会議を成功させるポイントをメリット・デメリットとともに解説

  • ペーパーレス会議のメリットとデメリットを整理したい
  • ペーパーレス会議を成功させたい
  • ペーパーレス会議システムを選定する時にどのようなポイントに気をつければいいのか

近年、多くの企業や自治体でペーパーレス会議の導入が進められています。


ペーパーレス会議を正しく実施すれば、業務効率化やコスト削減効果が期待できます。しかし、気をつけるべきポイントも少なくありません。


本記事では、ペーパーレス会議のメリットとデメリットや成功させるポイント、システム選定のポイントを紹介します。

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ペーパーレス会議とは

ペーパーレス会議とは、「紙を使わずに会議をおこなうこと」です。紙資料の代わりに、エクセルや既存の紙資料をスキャンしたデジタル資料を使用します。

これらを、PCやタブレットの端末で共有したり、プロジェクターに投影したりすることで、参加者全員が閲覧できるようにして会議を進行します。

対面の会議でペーパーレス会議を行うこともありますが、Web会議システムを使ったペーパーレス会議、ペーパーレス会議システムを使って行うことが最近では増えてきています。

会議資料を紙からデジタル化することで、様々なメリットが存在します。

ペーパーレス会議のメリット

ここでは、ペーパーレス会議のメリットを以下の順に紹介します。

  • 会議の準備に必要な手間が減少
  • セキュリティの向上
  • 会議のリモート化が容易
  • コスト削減

会議の準備に必要な手間が減少

ペーパーレス会議のメリットの1つ目は、会議の準備に必要な手間が減少することです。

紙資料の作成には、プリントアウトや配付などに時間と労力がかかります。特に、直前で差し替えがあった場合には余計に時間と労力がかかります。

これらの手間は想像以上に手間がかかるもので、従業員のストレスの原因になります。

その点、ペーパーレス会議であればプリントアウトや配付などの手間はかかりません。また、直前に差し替えがあっても、端末上で手軽に行えます。

会議の準備に必要な手間が減少した分、業務全体の生産性も向上することができます。

セキュリティの向上

ペーパーレス会議のメリットの2つ目は、セキュリティの向上です。

紙資料には、置き忘れや盗難により情報漏えいを引き起こすリスクがあります。しかも、大量に印刷した場合にはそもそも紛失に気づかないことも珍しくありません。

その点、ペーパーレス会議で用いるデジタル資料であれば、アクセス制限や閲覧期間の管理、ログによる追跡ができます。

そのため、紙資料を用いた会議と比べてセキュリティを向上できます。

会議のリモート化が容易

ペーパーレス会議のメリットの3つ目は、会議のリモート化が容易であることです。

紙資料を使う会議では、資料はその場で配布するのが普通です。しかし、デジタル資料であれば閲覧用の端末とインターネット回線があればどこでも共有できます。

そのため、ペーパーレス会議であれば会議のリモート化が容易です。昨今の新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、テレワークが推進されています。

テレワーク推進の観点からも、会議のリモート化が容易であることのメリットは大きいです。

コスト削減

ペーパーレス会議のメリットの4つ目は、コスト削減です。

ペーパーレス会議では紙資料を用いません。その分、今までの会議では紙資料の作成に必要だった、紙や印刷のコストを削減できます。

また、ペーパーレス会議にすることで紙資料を保管する場所も不要になり、オフィスを効率的に活用できるようになります。

ただし、企業によってはペーパーレス会議を導入するための業務システムやクラウドサービスに対する費用が新たにかかる場合もあります。

ペーパーレス会議のデメリット

ここでは、ペーパーレス会議のデメリットを以下の順に紹介します。

  • 遡って資料を確認することが困難
  • 複数の資料を同時に確認することが困難
  • 端末の操作に慣れていないと不便
  • メモを取りたい時に不便

遡って資料を確認することが困難

ペーパーレス会議のデメリットの1つ目は、遡って資料を確認することが困難な場合があることです。

手元に紙資料があれば、遡って資料を確認したい時にすぐに確認できます。しかし、ペーパーレス資料では過去資料に閲覧制限をかける場合もあり、遡って資料を確認することができないこともあります。

ただし、過去の資料への閲覧制限をかけない状態で、紙資料と同じように資料を確認できるペーパーレス会議ツールを利用していれば、資料の中身のテキストまで検索することも可能です。

複数の資料を同時に確認することが困難

ペーパーレス会議のデメリットの2つ目は、複数の資料を同時に確認することが困難であることです。

紙資料であれば、複数の資料を並べて俯瞰的に確認することは簡単でした。

しかし、ペーパーレス会議ではPCやタブレットの端末により資料を閲覧するため、複数の資料を並べて俯瞰的に確認しにくい場合があります。

複数のウインドウを開いて資料を並べることは可能ですが、モニターの大きさに制限されて、見やすさは紙資料と比べて劣ります。

端末の操作に慣れていないと不便

ペーパーレス会議のデメリットの3つ目は、端末の操作に慣れていないと不便であることです。

ペーパーレス会議は、PCやタブレットなどの端末を使用して資料を閲覧することが前提となります。

その分、端末の操作に慣れていない参加者は、紙の資料と比べて閲覧に不便と感じがちです。

その点で、ペーパーレス会議のメリットを十分に享受するには、一定のITリテラシーが必要と言えます。

メモを取りたい時に不便

ペーパーレス会議のデメリットの4つ目は、メモを取りたい時に不便であることです。

紙資料であれば、ペンや付箋を使えば資料にメモを書き込むことは簡単でした。しかし、ペーパーレス会議では資料にメモを書き込むことができないことが多く、できても入力方法に制限がある場合があります。

また、資料が会議中に限り共有された場合、メモした資料を持ち帰れないこともデメリットです。

ペーパーレス会議を成功させるポイント

ここでは、ペーパーレス会議を成功させるポイントを以下の順に紹介します。

  • 試験導入
  • 会議進行を事前シミュレーション
  • 事前準備を確実に実施
  • 端末に合わせた資料を作成

試験導入

ペーパーレス会議を成功させるポイントの1つ目は、最初は試験導入することです。

それを防ぐには、まずは定例会議や部署単位など、狭い範囲から試験導入することが有効です。そこで課題や効果を洗い出し、徐々に範囲を拡大させて行くことが賢明です。

また、ペーパーレス会議と言っても、必ずしも全ての資料をペーパーレスにする必要はありません。デジタル資料と紙資料を併用することも検討しましょう。

会議進行を事前シミュレーション

ペーパーレス会議を成功させるポイントの2つ目は、会議進行を事前シミュレーションすることです。

ペーパーレス会議に慣れていないと、参加者は手間取ってしまうものです。それにより間延びすると、参加者は会議に集中できなくなります。

会議進行を事前シミュレーションすることで、間延びせずスムーズに会議進行できるよう心がけましょう。

併せて、会議のルールも細かく設定しておくと、よりスムーズに会議進行できます。

事前準備を確実に実施

ペーパーレス会議を成功させるポイントの3つ目は、事前準備を確実に実施することです。

特に注意すべきポイントとして、会議資料の事前共有とツールを活用する場合の事前テストがあります。

参加者に会議資料を事前に配布し確認してもらうことで、会議の議題を把握した状態で参加することができ活発な意見交換が期待できます。

また、ツールを活用する場合、特に初めて使うツールは使い方に手間取り、会議の進行に支障をきたすことのないよう事前準備する必要があります

端末に合わせた資料を作成

ペーパーレス会議を成功させるポイントの4つ目は、端末に合わせた資料を作成することです。

参加者がどのような端末を使うか(PCやタブレットなど)、なるべく把握しましょう。

そして、その端末におけるディスプレイの大きさから、一番見やすい資料の大きさやフォントを選定できます。

また、資料の向きにも注意が必要です。ペーパーレス会議では、PCやタブレットなどから閲覧されることを前提に、横向きの資料を作成することがベターです。

ペーパーレス会議システム選定のポイント

ペーバーレス会議システムとは、従来の紙での会議資料をデジタル化して資料を共有したり、資料を暗号化することでセキュリティを高めるといったペーパーレス会議に必用な機能を提供するシステムのことです。

Web会議システムの中には、上記のペーパーレス会議システムの機能を有したものもあります。

ここでは、ペーパーレス会議システム選定のポイントを以下の順に紹介します。

  • 導入目的から必要な機能を選定
  • 自社の現状に即したシステムか確認
  • 運用面に問題はないか確認
  • 導入前後のサポート体制の充実度

導入目的から必要な機能を選定

ペーパーレス会議システム選定のポイントの1つ目は、導入目的から必要な機能を選定することです。

ペーパーレス会議システムを導入する前に、どのような課題を解決するためにペーパーレス会議システムを導入するか明確にしましょう。

その過程を疎かにして、無目的に多機能なシステムを導入しても、運用ルールを整備できず十分に使いこなせません。

また、いきなり全社的にペーパーレス会議を導入しようとしても、社内に混乱をもたらします。

まずはペーパーレス会議の導入目的を明確にして、必要最低限の機能を選定しましょう。次に、最初は小さく導入して社内にペーパーレス会議システムを浸透させていきましょう。

そして、徐々にペーパーレス会議システムを使用する規模を拡大、もしくはペーパーレス会議システムの機能を追加していくことが賢明です。

自社の現状に即したシステムか確認

ペーパーレス会議システム選定のポイントの2つ目は、自社の現状に即したシステムか確認することです。

特に確認すべきポイントとして、以下の4つを紹介します。

  • オンプレミス型かクラウド型か:オンプレミス型は、クラウド型と比較して自社の要件に合わせたカスタマイズがしやすい、導入コストや時間はかかる
  • 対象規模・拡張性:最初は小さく導入して徐々に利用範囲を拡大したい場合、拡張性が重要になる
  • 端末への対応:普段利用している端末のOSに対応しているシステムを使用する。
  • リモート会議に活用できるか:リモート会議にてペーパーレス会議システムを活用したい場合は、既存のWeb会議システムへの連携可否なども確認

運用面に問題はないか確認

ペーパーレス会議システム選定のポイントの3つ目は、運用面に問題はないか確認することです。

特に注意すべきポイントは2つあります。

1つ目は、セキュリティ面です。データの保管方法や暗号化などの機能を確認しておきましょう。特に、機密性が高い重要な会議に用いたい時に注意すべきポイントです。

2つ目は、使い勝手です。セキュリティ面が万全でも、起動が遅い、余計な機能が多すぎるなどの問題があっては採用すべきではありません。

無料トライアルなども有効活用して、実際にそのペーパーレス会議システムを使用する予定の従業員に使ってもらいましょう。

そして、彼らの意見を基に自社に適したペーパーレス会議システムを選定しましょう。

導入前後のサポート体制の充実度

ペーパーレス会議システム選定のポイントの4つ目は、導入前後のサポート体制の充実度です。

導入前後のサポート体制は、リテラシーに不安がある場合には、特に重要なポイントです。

初期設定などの導入サポートが受けられる製品だと安心です。

また、問い合わせ窓口や問い合わせ時間も確認しておきましょう。問い合わせ窓口があっても、トラブルが発生した時につながらなくては意味がありません。

まとめ

本記事では、ペーパーレス会議のメリットとデメリット、ペーパーレス会議を成功させるポイント、ペーパーレス会議システム選定のポイントを紹介しました。

ペーパーレス会議ではデジタル資料を用いるため、紙資料にはないメリットもデメリットも存在します。

それを踏まえてペーパーレス会議を導入することで、ペーパーレス会議を成功させられる確率は上がって行くことでしょう。

また、ペーパーレス会議システム選定のポイントを把握して、適切なペーパーレス会議システムを活用しましょう。そうすれば、さらにペーパーレス会議の効果が高まるはずです。

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