2022.01.18

ニューノーマル時代のビジネスコミュニケーションにおける対面と非対面の違いと使い分け方などを解説

  • 対面コミュニケーションと非対面コミュニケーションの違いは何か
  • それぞれのメリット・デメリットを整理したい
  • それぞれの使い分け方を知りたい

新型コロナウイルス感染症拡大で生活様式が大きく変わり、ニューノーマル時代が訪れました。働き方も大きく変わり、それに伴いビジネスコミュニケーションでは非対面コミュニケーションの割合が増加し、相対的に対面コミュニケーションの割合が減少しています。


参照:令和2年版情報通信白書 第2章・第3節 総務省


ただ、ビジネスコミュニケーションの全てが非対面コミュニケーションに置き換わったわけではありません。また、対面コミュニケーションと非対面コミュニケーションにはそれぞれメリット・デメリットが存在し、それらを理解して使い分けていくことが重要になってきました。


本記事では、ビジネスコミュニケーションにおける対面・非対面の違い、メリット・デメリット、使い分けを紹介します。

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ビジネスコミュニケーションにおける対面・非対面の変化

ビジネスの場では、非対面コミュニケーションの割合が増加し、相対的に対面コミュニケーションの割合が減少しています。

非対面コミュニケーションの割合が増加している背景には、ツールの発展と新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点により、働き方が変わってきたことがあります。

昨今では、IT技術の発展により、ビジネスの場でもメールやチャット、Web会議システムなどを用いることが一般的になってきました。これらを用いることで、離れた距離にいても連絡や指示を行うことが容易になりました。また、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため不要不急の外出を控えるよう要請され、外出せずとも業務を実施できるテレワークも普及しました。

これらの理由により、非対面コミュニケーションの割合が増加し、反対に対面コミュニケーションの割合が減少しています。

ビジネスコミュニケーションにおける対面と非対面の違い

ビジネスコミュニケーションにおける対面と非対面の違いは、非対面の方が対面よりも伝えられる情報が限られることです。具体的には、対面よりも非対面の方が非言語コミュニケーションで伝えられる情報が限られます。

非言語コミュニケーションとは、表情や声のトーン、ジェスチャーなど言葉以外を用いたコミュニケーションのことです。一方、言語コミュニケーションは話の内容や言葉そのものの意味など、言語を用いたコミュニケーションのことです。

関連記事:非言語コミュニケーションをビジネスでどう活かす?効果や種類、活用例を解説

1971年に、アルバート・メラビアンという心理学者が提唱したメラビアンの法則によると、人と人とのコミュニケーションにおいて、言語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%のウェイトで影響を与えるとされています。それに当てはめると、言語コミュニケーションが7%、非言語コミュニケーションが38%+55%=93%の影響を与えることになります。

非対面コミュニケーションにおいても、電話やWeb会議システムであれば、非言語コミュニケーションを用いることができます。ただし、対面コミュニケーションの方が非対面コミュニケーションよりも非言語コミュニケーションを用いることが容易なのは確かです。

関連記事:メラビアンの法則とは?5つのビジネスシーンにおける活用法も解説

ビジネスコミュニケーションでの対面と非対面のメリット・デメリット

ここでは、ビジネスコミュニケーションでの対面と非対面のメリットとデメリットを、順に紹介します。

対面コミュニケーションのメリット・デメリット

まずは、対面コミュニケーションのメリットとデメリットを、それぞれ表にまとめて紹介します。

メリット より五感に訴えて情報を伝えられる:対面であれば視覚や聴覚以外の情報も伝えやすい。例えば、食品の営業を行う時には、対面であれば試食してもらって嗅覚や味覚の情報を伝えることが容易。
より信頼感を得られやすい:非対面よりも非言語コミュニケーションで多くの情報を伝えられるため、信頼感をより早く得やすい。
より相手の情報を得られる:非対面よりも五感を使ってより多く相手の情報を得られる。次回以降のコミュニケーションに活用できる。
デメリット 時間的・金銭的コストがかかる:特に遠方にいる人と対面コミュニケーションを行う時には、相手の元に出向く必要があるため、コストがかかる。近場であっても、長期的に考えるとコストは無視できない。
新型コロナウイルス感染症対策を考えると、より気を使わなければならない:移動中や対面コミュニケーションを行う時に、非対面コミュニケーションよりも気を使う必要がある。

非対面コミュニケーションのメリット・デメリット

次に、非対面コミュニケーションのメリットとデメリットを、それぞれ表にまとめて紹介します。

メリット 時間的・金銭的コストがかからない:相手の元に出向く必要がないため、交通費などのコストを削減できる。
より効率的なコミュニケーション:相手の元に出向く必要がないため、移動時間が必要なくなる。また、対面よりもコミュニケーションの時間自体が短くなる傾向がある。さらに、会場設営などの手間が省けることもメリット。
デメリット 視覚や聴覚による情報以外はほぼ伝えられない:寝具など、五感のうち視覚や聴覚以外の感覚が印象に影響を及ぼすような商品を取り扱う時には、商品の特徴を十分に伝えられない可能性がある。
相手からの信頼感を得にくい:対面よりも非言語コミュニケーションを使えないため、一度に伝えられる情報が限られる。そのため、対面よりも相手からの信頼感を得にくい。大型の長期契約など、信頼感が重要になる時には、少なくとも序盤は非対面よりも対面の方が向いていると考えられている。

ビジネスコミュニケーションにおける対面・非対面の使い分け

ここでは、ビジネスコミュニケーションにおける対面と非対面の使い分け方を、順に紹介します。非言語情報は、対面>Web会議>電話>チャット>メールの順に少なくなります。それを踏まえて、ビジネスコミュニケーションでどの手段を用いるか考えましょう。

対面のコミュニケーションが向いていること

対面のコミュニケーションは、感情や誠実さを伝えたい時に向いています。

対面のコミュニケーションでは、非対面よりも多く非言語情報を伝えられます。特に、非対面では聴覚や視覚以外の情報はほぼ伝えられません。そのため、コミュニケーションのうち非言語情報が重要になる時には対面のコミュニケーションが向いています。それが、感情や誠実さを伝えたい時です。

例えば、人が他の人に誠実さや信頼感があるかどうか判断する時には、細かな表情や仕草を重要な判断材料にします。その細かな表情や仕草は、オンラインよりも対面の方が伝えやすいものです。そのため、例えば営業の初顔合わせでは、信頼関係を早く構築するために、対面のコミュニケーションがベターと考えられます。

また、アイデアを自由に出したい会議にも対面のコミュニケーションが向いています。五感をフル活用してコミュニケーションを取るため、五感が刺激されて様々なアイデアが出てくることが期待されます。

非対面のコミュニケーションが向いていること

非対面のコミュニケーションは、客観的な事実の伝達や論理的な説明を行いたい時に向いています。

対面のコミュニケーションは、非対面よりも多くの非言語情報を伝えられます。しかし、ビジネスの場ではこのことがかえってデメリットになることがあります。なぜなら、非言語情報の処理が相手の脳には負担になるからです。特に、客観的な事実の伝達や論理的な説明を行いたい時には、相手の感情を動かす必要はなく、あくまでも間違いなく情報を伝えることが大切です。

特に、手順の説明などは、メールやチャットなど非対面でも特に非言語情報が少ない手段を使うと、間違いを少なくできます。

まとめ

本記事では、ビジネスコミュニケーションにおける対面・非対面の違い、メリット・デメリット、使い分けを紹介しました。

対面コミュニケーションの方が、非対面コミュニケーションよりも非言語情報を伝えやすいことが、対面と非対面の最大の違いです。また、非対面コミュニケーションにおいても、Web会議システムやチャット、メールと言った手段によって、伝えられる非言語情報の量が異なります。

このことを踏まえ、用途に応じて対面と非対面、コミュニケーション手段を使い分けることで、より効果的にビジネスコミュニケーションを行うことができるはずです。

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