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コラムサブスクビジネス成長のポイントは、従量課金×定額課金

サブスクビジネス

2021/02/03

サブスクリプションをあえて定義するならば、「サービスや商品の利用を通して、顧客に価値を提供し続けることで、継続的な関係性を築くビジネスモデル」です。

そこには「定額制こそがサブスクリプション」といった縛りはありません。
むしろ従量課金モデルを組み合わせた柔軟な料金体系を用意し、一人ひとりの顧客ニーズに合わせたサービスを提供することが成功のポイントとなります。

そもそもサブスクとは何か

サブスクという言葉は、いまでは日常会話でも使われるほど広く普及しました。しかし、「サブスクとは?」と問われると、返答に詰まる方も多いはずです。なんとなくわかっているようで、よくわからないのがサブスクではないでしょうか。

例えば、Office 365※1で採用している月額/年額プランや、定額制のビデオストリーミングサービスなど、サブスクリプションの代表的なモデルに加え、最近では、街のコーヒーショップが始めた月額のコーヒー飲み放題サービスなど、新たなビジネスモデルも増えています。同様に、雑誌の定期購読や会員制のスポーツクラブ、健康食品や化粧品の定期購入サービス、食材の定期宅配サービスなどもサブスクリプションとして認められるようになりました。

※1「Office 365」はMicrosoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。

このようなサービスが先行して広まっている背景から、「サブスクリプション」は、様々なサービスや商品を「定額料金」で「一定期間」利用できる仕組みと誤解されることが多くなっていますが、それはサブスクリプションの本質とは言えません。

では、サブスクリプションは従来型のビジネスモデルと何が違うのでしょうか。両者の違いは、端的には次の1点のみです。

  • 従来型のビジネスモデル:提供者は、商品やサービス利用を売り切り提供し、その対価を都度受け取る
  • サブスクリプション:提供者は、商品やサービス利用といった価値を提供し続けることで継続的な関係性を築く

このことからもわかるように、サブスクリプションは非常に広い概念を包含していますが、最大のポイントとなるのは「顧客と継続的な関係を築く」という点です。

サブスクリプションのニーズは業種・業態を問わず高まっていますが、サブスクリプションモデルでサービスや商品を提供する際に、「定額料金」や「一定期間」といった前提が顧客との継続的な関係に寄与するかは、しっかりと検討する必要があります。

従量課金モデルを上手く取り入れるには?

前述のとおりサブスクリプションで最も重要なことは「顧客と継続的な関係を築く」ことです。顧客に自社の商品やサービスを継続的に利用してもらい、エンゲージメント(愛着心)を高めていかなければ、企業は収益を得ることができません。

近年、顧客のニーズは、商品を所有に価値を見出す「モノ消費」から、商品やサービスを購入したことで得られるエクスペリエンス(体験)に価値を見出す「コト消費」へ大きく転換していると言われます。まさにここにサブスクリプションの核心があります。従来にないエクスペリエンスを提供し、多様なニーズをもつ顧客との関係性を築いてこそ、サブスクリプションビジネスは成長が可能となります。

その意味でサブスクリプションは定額制にこだわる必要はありません。さらに言えば、定額制に縛られてしまうと、サブスクリプションが本来もっている可能性を大きく損ないかねません。

先にも少し取り上げたコーヒーの飲み放題サービスを例にとって考えてみましょう。このコーヒーショップが打ち出したのが、単純な「毎月〇〇円で飲み放題」というメリットのみならば、収益を伸ばすことにはつながりません。なぜなら顧客がこのサービスを利用するかどうかの判断基準は、毎月〇〇円を支払って「元を取れるか」、あるいは「どれだけ得するか」に終始してしまうからです。来店頻度はそれなりに高まるかもしれませんが、顧客単価は下がる一方です。

もし、近隣のコーヒーショップがよりお得な飲み放題のサービスを始めたらどうなるでしょうか。顧客はそちらに乗り換えてしまうでしょう。つまり顧客との間に関係性を築けていないため、継続的にサービスを利用してもらうことができないのです。

では、サブスクリプションだとどのように改善できるでしょうか。スマホアプリと連動して、ショップの外から事前注文を受け付けるサービスを例に挙げてみましょう。

スマホアプリと連動することで、「ショップで行列に並ばなくてよい」という価値だけでなく、過去のオーダー内容をデータとして分析して一人ひとりに合わせたおすすめメニューをレコメンドするという新たな体験も提供できるようになります。さらに、来店時間をアプリから登録しておくことで事前に席を予約できるサービスがあれば、「安心して来店できる」という価値を提供できます。また、ショップでの注文の傾向から、バリスタがおすすめのコーヒー豆を選んで自宅に届けてくれるようなオプションサービスによって顧客あたりの収益拡大を狙ったり、特別な顧客を店舗でのイベントに招待し、顧客同士のコミュニティを活性化させることで、より愛着をもってもらうといった取り組みも考えられます。

つまり、「商品(コーヒー)」だけに留まらない付加価値を提供することによって、他店との差別化や顧客の継続的な利用促進が図れるのです。

こういった様々な価値を提供するにあたって、「定額制」の料金体系だけで十分でしょうか。

一人ひとりの顧客が、パーソナライズされた特別な体験を得られるサービスであり、なおかつ、そのサービスに見合った料金であることで、初めて顧客との間に継続的な関係性を築くことができます。顧客と継続的な関係性を築くためには定額制で縛る必要はなく、むしろ従量課金を組み合わせて、多様な価値提供につながる柔軟な選択肢を提供し、顧客のニーズに応えていくことが必要になります。そうすることで、多様な顧客ニーズに応えることが可能となり、自社のサブスクリプションビジネスの強みとすることができます。

複雑な料金体系をどのようにコントロールするべきか

もっとも従量課金×定額課金という、まったく異なる料金体系が混在したサブスクリプションビジネスの運営は容易なことではありません。

個々の顧客について契約内容と共に、サービスや商品の利用状況をしっかり管理し、料金を計算しなくてはなりません。さらにサブスクリプション対象が複数のサービスや商品にまたがる場合、一人の顧客の中にも定額課金制と従量課金制が混在することになります。また月の途中で定額課金制から従量課金へ、逆に従量課金から定額課金制へ乗り換えるといったコース(契約)変更も頻繁に発生し、料金の計算はますます複雑になっていきます。

ここで万が一にも顧客へ間違った料金を請求してしまうといったミスを起こした場合、自社に対する信頼は根底から損なわれてしまうため慎重な対応が不可欠です。顧客ごとの契約内容や利用状況を紙ベースのみで管理するといった人手に頼ったバックオフィスでは対応が困難で、ミスの発生も避けられません。

サブスクリプションビジネスを成功に導くためには、常に顧客の分析を行い、継続的にサービスを改善していくことが大切です。そのためには、サブスクリプションビジネスに必要な機能を具備したプラットフォームを活用し、効率的な運用を実現すべきでしょう。

さらに効果を最大化するためには、従量情報の取込失敗時のリカバリや商品契約変更時のオペレーションといった効率的な運用を実現するプロセス設計も重要となります。これらの要件を満たすためには、プロセス設計も合わせて検討しながら導入できるサブスク管理プラットフォームを選定するのが良いでしょう。

例えばNTTコムウェアが提供する「Smart Billing」は、従量課金と定額課金の組み合わせた料金体系を採用しても、業務がスムーズにできるように設計されたサブスク管理プラットフォームです。

こうしたサブスク管理プラットフォームを導入しながら、多様化する顧客のニーズに柔軟に対応し続けることが重要でしょう