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コラムDXはビジネス現場に浸透しているのか?

サブスク管理業務

2021/4/7

昨今、世の中ではAIを活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進といった見栄えのよい言葉が氾濫しています。

もちろんその取り組み自体に間違いはありませんが、業務現場からの支持と共感を得ずしてDXはありえません。

まず始めなければならないことは、バックオフィス業務をはじめとする現場へのIT導入であり、ボトムアップからの変革を実現していくことが肝要です。

DX推進でよくみられる現場との乖離

経済産業省が2018年に発表した「DX(デジタルトランスフォーメーション)レポート」※1では、老朽化してブラックボックス化したITシステムを近代化しなければ、企業は2025年以降に莫大な経済的損失が生じて崖に落ちると警鐘を鳴らしています。

このいわゆる「2025年の崖」で危機感が高まり、さらに今般のコロナ禍によって激変したビジネスや生活の新常態(ニューノーマル)に対応するための変革が急務となり、DXへの取り組みが加速しています。

では、DXの実現には何が必要でしょうか。 その方法論はAIやIoTといった最新のデジタルテクノロジーを軸に語られがちです。

もちろんそうした取り組みを否定するわけではありませんが、見栄えのよいデジタルテクノロジーを前面に打ち出した新しいサービスやビジネスモデルを採用しようとする一方で、その根幹を支えるバックオフィス業務の改革がおざなりになっているケースが多くの企業で散見されます。

バズワードに踊らされてDXの本質を見失ってはなりません。

DXとはいかなるものか、経済産業省は「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン」※2において、DXを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」と定義しています。

ここからも言えるように、DXを実現するためには地に足のついた取り組みが必要です。
その意味でDXは、経営層や経営企画部などによるトップダウンのみでは推進することができません。

バックオフィスを含めた業務現場からの支持と共感が不可欠であり、トップダウンとボトムアップの両面からのアプローチがしっかりかみ合ってこそ、はじめてDXは実現するのです。

IT利活用で最も重視すべきは顧客視点

そもそもDXによって自分たちはどんな企業になることを目指すのでしょうか。

前述したように今般のコロナ禍によってビジネスを取り巻く環境が激変し、多くの企業が影響を受けていますが、今後も不測の事態が起こりえます。

そうした将来が不確実な中でも生き残っていける企業になるためには、徹底した顧客視点で自らの提供価値を高め続けられる組織になることが重要です。

そしてこの目的を達成するためにITを最大限に活用します。
象徴的なモデルとして、千葉県市川市が推進している「DX憲章」※3という取り組みを紹介します。

生き残りをかけてDXに向かう民間企業と同様に、市川市をはじめとした地方自治体も自らの役割を見直すべき時代を迎えています。

税金を収入源として定められた業務をこなすだけではなく、今ある経営資源を無駄なく効率よく使い、住民によりよいサービスを提供し、社会課題の解決や新しい価値の創造に積極的に取り組むことが期待されています。

そうしたなかで市川市が掲げているのは、単に住民サービスのデジタル化を進めるだけの取り組みではなく、「業務の無駄を削って価値創造にシフトする改革」です。

要するにこの改革の基本戦略となるのがDX憲章であり、そのマインドを組織全体に浸透させるために、次の4つの重要項目を示しています。

  • 顧客ファースト:守るべき法令は順守しつつも、役所のすべての業務は顧客のためにあるものと考え、顧客にどのような価値を提供できるかを常に考えることを組織の文化とする。

  • 現場主義:机上の議論で終わらせずに、課題の現場に足を運び、根本原因を追究するなど、現場から情報を収集することを文化とする。

  • 失敗を糧とする風土:前例主義を脱却し、新たな挑戦を歓迎する。新しい価値創造のための失敗については、成功の通過点と考える文化とする。

  • 全職員が主体的に行動する組織:指示されたことのみを実行するのではなく、組織の上位目標を達成するために、やるべきことを自らが考え実行する組織

このように市川市では、組織一丸となってDXを進めています。

行政をコンパクト化し、安定的な公共サービスの提供や定常業務のために割いていた資源を、顧客ファーストを基本とした革新的なサービスの「価値創造」へシフトすることを目指しています。

それとともに、住民ニーズの理解やスピードの最大化を行動の規範とし、価値創造を推進するハブの役割を担います。

ボトムアップからの変革がDXを促す

市川市のような取り組みは、民間企業にとっても大きな参考となるのではないでしょうか。

現在、多くの企業がDXの1つの方向性として、「モノからコトへ」のビジネスモデル転換を進めています。

さまざまな商品(モノ)を売り切り型で提供するビジネスから脱却し、サービス(コト)を中心としたビジネスの比重を高めていくものです。

そうした“コト”をマネタイズする仕組みとしてサブスクリプションが注目されているわけですが、そこでも求められるのがボトムアップからの変革です。

たとえばバックオフィス部門がサブスクリプションサービスのハブとなり、多様な顧客ニーズに応える料金体系の整備やオプションの拡充といった施策に柔軟に対応し、関連する事務手続きや料金計算、請求処理などを正確かつ迅速に実行することで、組織全体にかつてない機動力をもたらします。

これがDXに対するモチベーションをさらに高めていくという好循環を生み出すのです。

もっともバックオフィス部門のマンパワーには限りがあるため、手作業や人海戦術に頼った業務体制では担当者は疲弊するばかりで、いつまでたってもサブスクリプションサービスのハブとして機能することはできません。

そこでバックオフィス部門に求められるのは徹底した業務の合理化・効率化であり、ITを活用して定型的な業務を自動化していくというアプローチが重要です。


サブスクリプションビジネスで煩雑になりがちなバックオフィス業務をサポートするクラウドサービスを導入し、働き方改革を実現した事例はこちらの記事をご覧ください。

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