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コラムサブスク運用も働き方改革できていますか?

サブスクビジネス

2021/03/24

サブスクリプションビジネスを運用するバックオフィス業務の現場では、煩雑化する請求額計算や随時発生するプラン変更などの事務手続きに追われ、担当者が疲弊しているケースが珍しくありません。

これによってサービスの価値向上が滞ってしまったのでは本末転倒であり、バックオフィス業務の働き方改革が急務となっています。

今回は、実際の企業の事例も交えつつ、この課題解決の方法を考察します。

働き方改革推進の波に乗り切れないサブスクリプション運用の現場

2018年6月に成立し、2019年4月から順次施行が始まった働き方改革関連法。多くの企業がその実現に向けてITインフラの整備や、社内制度の見直しを実施しています。

おさらいをすると、働き方改革とは政府が掲げる「一億総活躍社会実現」に向け、働く人々の労働環境を大きく見直す、という取り組みになります。

厚生労働省が公表した「働き方改革〜一億総活躍社会の実現に向けて」※1によると、「長時間労働の是正」「多様で柔軟な働き方の実現」「雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保」が改革の3本柱として挙げられています。

この3本柱のうち、「長時間労働の是正」と「多様で柔軟な働き方の実現」については、業務をシステム化・SaaS化することで、解決できる課題であるとも言えます。

SaaSとは何か、どんなメリットがあるかについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

SaaS活用でシステムの保守運用から解放!

ITサービスの分野で、ここ数年よく見聞きするのがSaaS(サース、またはサーズ)という言葉。SaaSとは、「Software as a Service」の略であり、…

詳細はこちら

「長時間労働の是正」については、多くの企業で手作業や人に依存したアナログ型の業務が主流となっていることから、単純な作業であっても件数が増えることで作業時間が膨大になってしまったり、作業ミス防止のため複数人でチェックを実施することで工程が長時間化したりという状況があり、なかなか達成できない企業も少なくありません。

このような状況の改善として、業務のシステム化が挙げられますが、システムの構築や導入には時間もコストもかかるため、踏みとどまるという声もあります。

このような課題に対しては、SaaSシステムによる業務効率化が有効です。 大量のデータ処理や複雑な料金計算等はシステム化することによって早く、かつミスのない業務を実現できます。

またSaaS型のサービスであれば、一から専用のシステムを構築することなく、必要なサービスのみを無駄のない費用で利用することが可能なため、安く早く導入することができます。

「多様で柔軟な働き方の実現」については、新型コロナウイルスによって一気に世間の認知度が高まった「テレワーク」が有効な解決策と言えます。

テレワークは、従来のようにオフィスに出社せずとも、自宅やサテライトオフィス、コワーキングスペースなどにPCやモバイル端末などを持ち込んで仕事を行うスタイルなので、時間や場所の制約を受けずに働くことができます。

アフターコロナにおいてはテレワークが新しい生活様式(ニューノーマル)として定着しつつあります。

しかし、テレワーク環境においては、顧客の個人情報や利用料金などのデータを担当者のローカルファイルで作業・管理しているため遠隔でのセキュリティが心配、あるいは高セキュリティネットワークを構築しようにも高額かつ制限があり作業が遅延する懸念もあるといった環境面の障壁から、導入を踏みとどまる企業も少なくありません。

このような課題にも業務のSaaSは有効と言えるでしょう。
クラウド上に構築されるSaaS型サービスであれば、新たに回線敷設等をすることなく、インターネットを介して多数のユーザがアクセスできるようになり、さらにサービス側でセキュリティ担保された環境での作業が可能となります。

このように働き方改革を本格的に浸透させるために、様々な業務のシステム化・SaaS化を推進する事例が多くあります。

特にサブスクリプションビジネスの運用管理では、顧客の個人情報や利用料金などに関する重要なデータを扱うことが多いことから、リモートでの作業は困難とされてきました。

現在では料金計算や請求書発行などのバックオフィス業務を効率化するだけでなく、顧客ごとの利用状況をはじめとする様々なKPIをリアルタイムに見える化する機能を備えたクラウドサービスもあり、テレワーク環境でありながらオフィス勤務以上に一人ひとりの担当者の生産性を向上することも可能になります。

バックオフィス業務の自動化により本業に専念

サブスクリプションサービスにおける具体的な改善事例を見てみましょう。

A社はモノ(商品)の売り切り型ビジネスから脱却し、コト(サービス)を主体としたビジネスへの転換をすべく、通信キャリア4社の回線を利用したMVNO(仮想移動体サービス事業者)としてB2B2Cの携帯電話サービスを開始しました。

おさらいをすると、働き方改革とは政府が掲げる「一億総活躍社会実現」に向け、働く人々の労働環境を大きく見直す、という取り組みになります。

直接の顧客である企業に対してサービスを提供するとともに、モバイル特有の多様な料金プランに基づいてその先にいる利用者一人ひとりの回線契約を管理し、基本料金と通話料などを合わせて請求するバックオフィス業務を請け負うというものです。

しかし、その作業は非常に煩雑なものとなります。 各通信キャリアから取得した回線ごとの基本データと、顧客側の担当者からばらばらに提供される実績データを毎月末に集約して突合し、利用者ごとに請求を行わなくてはなりません。

A社はExcelのマクロを使ってこの処理と計算を行い、さらに請求額に間違いがないか担当者が1件ずつ手作業でチェックを行っていました。

利用者が少数のうちはそれでもなんとか業務をこなすことができたのですが、契約数が伸びるに従って無理が生じてきます。

また、サービス開始後も頻繁に改定される通信キャリアの料金プランにマクロの対応が追い付かなくなり、担当者は毎月の請求作業に忙殺され、まともに休みもとれないといった働き方改革から逆行する事態に陥っていました。

そこでA社は、サブスクリプションビジネスで煩雑になりがちなバックオフィス業務をサポートするクラウドサービス「Smart Billing」を導入しました。

これにより契約管理や請求・回収など、間違いが許されない業務を自動化し、属人的作業から解放することで担当者の負担は大幅に軽減され、本来の業務である新規事業開発に専念できるようになりました。

導入した企業様の生の声は「サブスクシステム導入事例」をお読みください。

サブスクリプション運用の働き方改革を進める重要ポイント

ここであらためて述べておきたいのは、サブスクリプションビジネスでリソースを集中すべきはサービスそのものの価値向上であり、運用業務ではないということです。

A社は、継続的な運用と価値向上を実施していくため、クラウドサービス導入に当たり以下の3つのポイントを取り入れました。

1つめは、Excelのマクロなどで管理しているデータ項目をそのまま漏れなく移行できるクラウドサービスを導入することです。
既存のバックオフィス業務の運用プロセスから見直すとなれば多大な工数と時間を要することになりますが、この方法なら無理なく短時間で業務の効率化・自動化を実現することができます。

2つめは、取引先や顧客からの情報取得に人が介在するのではなく、Webフォーム経由でクラウドサービスとAPI連携する形に改めることです。
これにより頻繁な料金プラン変更のほか、利用者の契約変更や請求書の送付先変更といった申請に対しても自動的に対応できるようになります。

3つめは、新規受注した顧客の契約情報をGUIから入力できる仕組みや、収納状況に応じた消込作業をCSVファイル取り込みなどにより一括処理する機能を活用することです。
これにより毎月の請求額計算をほぼ全面的に自動化することが可能となります。

さらに、上記のようなアプローチによって生み出された人的リソースの余力を生かし、クラウドサービスが標準提供している各種データの統合管理機能を活用することで、担当者をより創造的な業務にシフトすることが可能となります。

例えばチャーンレート(解約率)やMRR(月間経常収益)、LTV(顧客生涯価値)などのKPIをダッシュボードに可視化し、目標の達成状況や改善ポイントなどを分析しながらPDCAサイクルを回し、そこから把握した顧客の潜在的なニーズに応える新たなサービスを戦略的に投入していくことで、サブスクリプションビジネスの持続的な成長を図ることが可能となります。

しかも前述したようにクラウドサービスを利用した場合、担当者はこれらの一連の業務をオフィスに詰めることなくテレワーク環境でも実施することができます。

通勤の無駄な時間やストレスから解放されることで、担当者はそれぞれが持つ能力をより大きく発揮し、生産性を高めることができます。

これこそがニューノーマル時代に対応した、サブスクリプションビジネスを運用するバックオフィス業務の働き方改革のあり方と言えるのではないでしょうか。