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コラムコロナ禍でサブスクサービスが成功するワケ

サブスク管理業務

2021/02/10

今般のコロナ禍で多くの企業が致命的な打撃を受けていますが、そうした中でむしろ大きく業績を伸ばしている企業も存在します。
それはサブスクリプション型のサービスを提供している企業にほかなりません。

彼らはいかにしてコロナ禍で変化した消費者や顧客のニーズを捉えたのでしょうか。様々な調査結果をもとに企業の再興の可能性を探ります。

コロナ禍が日本経済に与えた打撃

2020年はまさに新型コロナウイルスに翻弄された1年でした。
当然のことながら日本経済に与えた打撃は大きく、内閣府が発表した2020年4-6月期四半期別GDP速報(2次速報値)※1によると、同年4〜6月期のGDP(国内総生産)はマイナス28.1%(実質年率)という、2008年のリーマンショックにも匹敵する記録的な落ち込みとなりました。

その後、同年7〜9月期のGDP速報(2次速報値)※2では、一転してプラス22.9%(実質年率)という大幅な伸びを見せ、日経平均株価も右肩上がりの上昇を続けてはいるものの、先行きの不透明感は拭いきれません。

年間を通したGDP成長率もマイナスに落ち込むという厳しい予測が各所で示される中、雇用や所得環境の回復の足取りは鈍いものとなり、消費の縮小も避けられそうにありません。

業種で見ると特に大きな影響を受けているのは、やはり飲食業と旅行業です。

東京商工リサーチの調査※3によると、2021年1月12日時点での新型コロナウイルス関連の経営破たん(負債1,000万円以上)は累計867件に達しており、そのうち飲食業は149件と突出して多い割合を占めています。

旅行業も同様で新型コロナウイルスの第3波の感染拡大に伴う「Go Toトラベル事業」の停止で、逆風が一段と強まっています。

「巣ごもり消費」というトレンドの出現

ただ、今般のコロナ禍がすべての業界・企業に打撃をもたらしたわけではありません。
コロナ禍にあって、ほとんど影響を受けていないどころか、むしろ以前よりも大きな成長を遂げている企業も存在します。

背景にあるのは「巣ごもり消費」と呼ばれる新しい消費トレンドの出現です。
緊急事態宣言の発令に伴う外出自粛やテレワークの推進などにより、ステイホーム(在宅時間)が長期化し、様々なインターネットサービスやSaaSアプリケーション、EC(ネットショッピング)などの需要が急速に増加しました。

例えば、グローバルにビデオストリーミングサービスを展開する企業や、有料記事を配信する「デジタルニュース&メディア」、在宅での学びを提供する「e-ラーニング」などのサービスでも、コロナ禍で急激に売上を伸ばしています。

さらにネットショッピングも巣ごもり需要を取り込んで大きく拡大しています。
総務省の「家計消費状況調査通信(2021年1〜3月期)」※4 によると、二人以上の世帯について2020年7〜9月期のネットショッピングの支出額は平均16,395円と、前年同期と比べて8.7%増加としています。

同様に前年同期と比べた名目増減率を見ると、旅行関係費が大幅に減少となっている一方、食料は62.9%、デジタルコンテンツは60.7%増加しているなど、外出を敬遠する傾向が広がり、ネットショッピングが生活用品などの消費の受け皿としても機能するようになったことがわかります。

サブスクリプションへの転換でAfter/withコロナ時代を生き残る

新型コロナウイルスはいまだに収束の見通しが立たず、今後も巣ごもり消費は高い割合を占めたまま推移していくと考えられます。

さらに言えば、ワクチンや治療薬の開発・普及などにより、仮に新型コロナウイルスを抑え込めるようになったとしても、この消費トレンドは今後も継続することになるでしょう。

なぜならコロナ禍によって激変した人々の働き方や生活様式は、「ニューノーマル(新常態)」として定着しつつあるからです。

ならば企業もAfter/withコロナ時代の動向を見据えて、ビジネスモデルの転換を図っていく必要があります。そうした中で大きな成長を遂げるための重要な鍵を握っているのは、言うまでもなく「サブスクリプション」です。

もっとも、柔軟な料金プランでコンテンツやコミュニケーションなどのサービスを提供している企業はともかく、「モノ売り」であるネットショッピングもサブスクリプションと言えるのかという意見はあるかもしれません。
結論からいうと、ほとんどのネットショッピングもサブスクリプションの考え方をそのビジネスモデルに取り込んでいます。

サブスクリプションは非常に広範な概念を包含しており、その核心は顧客へ「継続的な価値提供を実施」し「継続的な関係性を築く」ことにあります。
ネットショッピングが提供しているサービスの本質は、顧客にとっての本来的価値である「商品の購入」という価値だけを“効率的”に得られるということに尽きます。

わざわざ店舗へ出向き、人混みをかき分けて商品を探すといった、価値を得るまでにかかる不要なプロセスを排除できるため、必要な時にいつでもサービスを利用しやすくなります。

さらに、検索履歴から顧客一人ひとりの好みに合わせてレコメンドしたり、顧客と同年代のユーザーなどからトレンドの商品を紹介してもらったりと、継続的な利用によってさらなる価値を享受し続けられるサービスを重視していることがわかります。

After/withコロナ時代においては、外出や移動、集団行動が困難になったからこそ、求める価値を効率的かつ継続的に得ることのできるサービスこそが持続的な成長を遂げていくと言えるでしょう。

このような時代の変化を機に、多くの企業が顧客の求める価値を提供し続けられるサブスクリプションサービスとは何かを考えるようになりました。

上述したように、顧客と継続的な関係性を築くことができるサブスクリプションサービスを提供し続けることで、不確実性が高まった時代においても持続的な利益の確保やビジネスの成長が期待できます。

これらのメリットを享受すべく、既存の「モノ売り」のビジネスモデルだけでなく、より優れた“体験”を提供する「コト売り」の可能性を追求することが、これからの事業成長には不可欠になるのではないでしょうか。